小夭(しょうよう)は豊隆(ほうりゅう)との結婚を父に伝え、父は弟子を遣わし五神山へ迎えに行かせた。結婚を控えた小夭(しょうよう)は、相柳(そうりゅう)のために更に多くの薬を精製しようと準備する。街で塗⼭璟(とざんけい)に会い、結婚の報告をすると、豊隆(ほうりゅう)の友人である彼に式への出席を願う。小夭(しょうよう)が去った後、塗⼭璟(とざんけい)は吐血する。
五神山へ戻る前、小夭(しょうよう)は瑲玹(そうげん)と最後の晩餐を共にする。二人は酒を酌み交わし、酔いつぶれてしまう。瑲玹(そうげん)はついに本心を明かし、小夭(しょうよう)を愛しており、西炎(せいえん)の王妃として自分に嫁いで欲しいと告げる。老西炎(せいえん)王は二人の様子を見て、瑲玹(そうげん)を連れ去らせ、傍に仕えさせ、彼の言葉を聞いた者は全て殺すよう命じる。そして翌日、赤宸(せきしん)が皓翎(こうれい)王姫(おうき)を迎えるという知らせを広めるよう指示を出す。
五神山に戻った小夭(しょうよう)に、父である皓翎(こうれい)王は7日間考える時間を与え、結婚を望まなければいつでも申し出るように言う。小夭は必要ないと考えるが、皓翎(こうれい)王は結婚の重要性を説き、娘に後悔して欲しくないと諭す。小夭は父の言葉に従うことにする。
小夭の結婚の知らせに瑲玹(そうげん)は激怒する。太尊(たいそん)は、小夭が阿珩(あこう)の唯一の血筋であり、平穏な暮らしを望んでいると瑲玹(そうげん)に伝える。瑲玹(そうげん)は小夭が豊隆(ほうりゅう)を愛していないこと、彼女自身が何を望んでいるのかまだ分かっていないと仮論する。太尊(たいそん)は瑲玹(そうげん)に、小夭は何を望んでいると思うかと問う。瑲玹(そうげん)と共に朝廷や後宮の争いに巻き込まれ、常に慎重に生き、バランスを取ることなのか、と。
小夭と瑲玹(そうげん)は共に朝雲峰で育ったが、小夭は人間界を彷徨ったことで瑲玹(そうげん)とは異なる道を歩むことになった。彼女は自由な生活を望んでいる。瑲玹(そうげん)は小夭の望みを葉えることができると主張するが、どれだけの時間がかかるか答えることができない。太尊(たいそん)は、帝王の座は全てを得ると同時に全てを失うことだと瑲玹(そうげん)に教える。瑲玹(そうげん)は帝王になることが目的ではなく、ただ大切なものを守りたいだけだと語る。しかし、守る力を持った時、守りたい唯一の人を失ってしまうのだと嘆く。瑲玹(そうげん)は小夭の結婚を阻止しないと決める。聖旨を出せば、あるいは刺客を放てば阻止できるが、小夭の望みを壊したくないのだ。
7日後、小夭は豊隆(ほうりゅう)との結婚を決意するが、心は晴れない。阿念(あんねん)に豊隆(ほうりゅう)を愛しているのか問われ、小夭は答えに戸惑う。家柄、人柄、容姿、全てにおいて大荒中の女性が憧れる豊隆(ほうりゅう)だが、阿念(あんねん)は小夭の気持ちだけを気に掛ける。小夭が答える前に船は赤水に到著し、侍女たちは急いで彼女に婚礼衣装を著せる。豊隆は小夭の到著を待ちわびていた。
第5話の感想
第5話は、小夭の結婚という大きな転換点を迎え、それぞれのキャラクターの想いが交錯する切ないエピソードでした。小夭は一見結婚を受け入れたように見えますが、その表情からは真の喜びは感じられず、どこか諦念が漂っています。豊隆(ほうりゅう)という申し分のない相手との結婚を前にしても、彼女の心は満たされていません。それは、塗⼭璟(とざんけい)への秘めた想い、そして瑲玹(そうげん)への複雑な感情が影響しているのでしょう。
特に印象的なのは、瑲玹(そうげん)の告白シーンです。長年小夭を想い続けながら、それを伝えることができなかった瑲玹(そうげん)の苦悩が、酔いの勢いも借りてついに溢れ出しました。しかし、その告白は葉うことなく、小夭は豊隆(ほうりゅう)の元へと嫁ぐことになります。小夭を愛するが故に、彼女の望みを尊重し、結婚を阻止しないという瑲玹(そうげん)の決断は、視聴者にとって非常に辛いものだったのではないでしょうか。
つづく