小夭(しょうよう)は年老いた甜児(てんじ)との心温まる会話の中で、心に波紋が広がっていく。甜児(てんじ)的の言葉が鍵となり、小夭(しょうよう)は塗⼭璟(とざんけい)との関係が今日に至った経緯に、自身の見落としや選択が影響したのではないかと疑い始める。重い気持ちを抱えながら、小夭(しょうよう)は甜児(てんじ)的の顔を優しく撫で、励ましと肯定の言葉をかけた後、黙って傍らに立つ相柳(そうりゅう)と共にその場を去る。小夭(しょうよう)の遠ざかる後ろ姿を見つめる甜児(てんじ)は、それが長らく会っていなかった六哥だとようやく気づき、目に涙を浮かべ、声を詰まらせながら呼びかけ、敬意と感謝を込めて深々と頭を下げた。

その後、小夭(しょうよう)は相柳(そうりゅう)から、塗⼭璟(とざんけい)が結婚強行の裏で糸を引いていた事実を知らされる。相柳(そうりゅう)は報酬を受け取るどころか、塗⼭璟(とざんけい)に辰栄義軍への37年間の兵糧支援を約束させていたのだ。塗⼭璟(とざんけい)は事態の沈静化を望んでいたが、相柳(そうりゅう)は独自の思惑を持ち、誰の指図も受けようとしなかった。相柳(そうりゅう)の冷酷さは小夭(しょうよう)の前でも隠されることはなく、彼は蠱毒の解除を拒否するだけでなく、自分の正体を明かさないよう脅し、さもなくば耐え難い心の痛みを与えると告げる。実際に痛みを見せつけられた小夭(しょうよう)は、相柳(そうりゅう)の周到な計画と冷酷なやり方を思い知らされる。

落胆した小夭(しょうよう)は、塗⼭璟(とざんけい)に真意を問いただすため、彼のもとへ向かうことを決意する。俞信(ゆしん)は何も言わず、すぐに彼女を青丘へと連れて行く。小夭(しょうよう)の去っていく後ろ姿を見つめる相柳(そうりゅう)の目に、複雑な感情がよぎる。彼は、諦めようとしているのが、縺れた感情だけでなく、小夭(しょうよう)に寄り添い続ける機会でもあることを理解していた。

一方、皓翎玖瑶(こうれい きゅうよう)は衝動的に塗山家を訪ねる。玖瑶の突然の訪問に塗⼭璟(とざんけい)は驚きと喜びを隠せない。しかし、玖瑶の心には葛藤と不安が渦巻いていた。彼女は逃げようとするが、誤って転倒し、塗⼭璟(とざんけい)に助けられる。彼の優しさに触れ、玖瑶はついに心を許し、二人は積年の想いと誤解を語り合うため、一夜を共にすることを決める。玖瑶は塗⼭璟(とざんけい)に自分の本当の気持ちを打ち明け、防風意(ぼうふうい)映の真の姿を明かし、過去の疑念と不信を謝罪する。塗⼭璟(とざんけい)はすべて彼女のせいではないと慰め、二人のわだかまりは解け、絆はより深まっていく。

しかし、幸せな時間は長くは続かない。瑲玹(そうげん)は事態を知り、すぐに玖瑶を連れ戻すよう命じる。別れの時、塗⼭璟(とざんけい)は名残惜しさを感じながらも笑顔で振る舞い、貴重な魚丹紫を玖瑶に贈る。一方、相柳(そうりゅう)の義父は突然増えた兵糧に疑問を抱くが、相柳(そうりゅう)は西炎(せいえん)の動きを口実に、曖昧な返事でごまかす。

帰宅した玖瑶は、祖父の追及に対し、冷静に防風邶(ぼうふうほく)に関する話題を避ける。瑲玹(そうげん)は機転を利かせ、玖瑶の駆け落ちに理屈をつけ、一族の怒りを鎮める。夜になり、玖瑶の心は複雑な感情で揺れ動く。瑲玹(そうげん)への感謝と、未来への不安が入り混じる。しかし、皓翎家の娘として、彼女はあらゆる困難に立ち向かい、前へ進まなければならないことを自覚していた。

第7話 感想

第7話は、小夭(しょうよう)の揺れ動く心情と、それぞれの思惑が交錯する展開に目が離せませんでした。特に、小夭(しょうよう)と甜児(てんじ)的の再会シーンは、短いながらも深い感動を与えてくれました。甜児(てんじ)的が小夭を六哥と認識し、涙ながらに頭を下げる姿は、これまでの二人の関係性と、小夭がどれだけ人々に愛されているかを物語っているようで、胸が締め付けられました。

相柳(そうりゅう)の冷酷な一面がより鮮明になったのも、このエピソードの大きなポイントです。彼は小夭への想いを秘めながらも、自分の目的のために非情な手段を取る。その複雑な内面が、見ている側にも苦しみを与えます。塗⼭璟(とざんけい)への兵糧支援要求は、単なる取引を超えた、相柳(そうりゅう)の深謀遠慮と辰栄への強い忠誠心を示していると言えるでしょう。

一方、塗⼭璟(とざんけい)と玖瑶の関係にも進展がありました。玖瑶の不安定な心情や、防風意(ぼうふうい)映への疑念が丁寧に描かれており、彼女の苦悩が伝わってきました。しかし、塗⼭璟(とざんけい)の優しさに触れ、心を開いていく姿は、二人の未来に希望を感じさせます。ただ、瑲玹(そうげん)の登場により、二人の関係が再び試練を迎えることは避けられないでしょう。

つづく