東宮(とうぐう)~永遠(とわ)の記憶に眠る愛~ 第12話 あらすじ/ネタバレ

西域の香り、失われた記憶

西域から帰還した李承鄞(りしょうぎん)は、太皇太后に熏香を献上する。太皇太后は愛娘・明遠(めいえん)を想い、涙を流す。李承鄞(りしょうぎん)が宮中を去ると、小楓と阿渡(あわと)は彼の馬車に隠れて宮外へ。賑やかな市で、二人は好奇心に溢れ、西州(せいしゅう)の密偵・米羅が経営する酒肆に迷い込む。一方、李承鄞(りしょうぎん)は趙瑟瑟(じょうせっせ)と心を通わせ、彼女は彼のために乗馬の練習に励む。

太子の座と鳴玉坊(めいぎょくぼう)の誘惑

米羅酒肆の向かいには、京で一番の歓楽街・鳴玉坊(めいぎょくぼう)がある。高相の三男・高震(こうしん)は常連客で、明月(めいげつ)という花魁に夢中。高震(こうしん)が姿を消すと、大臣は李承鄴(りしょうぎょう)を太子に立てるよう進言する。皇帝は皇后の舅父である高於明(こうじょうめい)に意見を求める。高於明(こうじょうめい)は李承鄞(りしょうぎん)を推すことで、皇帝の猜疑心を解き、忠誠心を示す。皇帝は李承鄴(りしょうぎょう)を太子に、小楓との婚礼を100日後に決定する。

宮廷の陰謀と失われた記憶

方尚儀(ほうしょうぎ)は小楓に宮廷礼儀を教えるが、小楓はいたずらをして彼女を困らせる。その際、李承鄴(りしょうぎょう)が太子に封じられたことを知る。落胆する小楓のもとに、宮女が点心を届けに来る。宮内には盗賊がいるため、外出を控えるよう忠告される。退屈した小楓は窓から外を眺めていると、白い人影が。それは顧剣(こけん)だった。しかし、小楓は顧剣(こけん)を覚えておらず、刺客だと叫んでしまう。阿渡(あわと)が顧剣(こけん)を助けるが、小楓が記憶を失い、阿渡(あわと)が声を出せなくなっていることに驚く。

顧剣(こけん)の帰還と太子への道

夜、裴照(はいしょう)は李承鄞(りしょうぎん)と柴牧(しばまき)に、顧剣(こけん)が宮中に潜入している可能性を報告する。顧剣(こけん)は裴照(はいしょう)のもとを訪れ、小楓と李承鄞(りしょうぎん)が忘川(ぼうせん)で記憶を失ったことを知る。高於明(こうじょうめい)は李承鄞(りしょうぎん)に、太子が決定した今は力を蓄える時だと忠告する。皇帝は丹蚩(たんし)の守備を命じようとするが、李酽は李承鄞(りしょうぎん)を推挙する。李承鄞(りしょうぎん)は太子になるため、都を離れるわけにはいかず、西域地方志を編纂することで西域を掌握できると主張する。皇帝は李承鄞(りしょうぎん)の提案を高く評価するが、丹蚩(たんし)の守備を誰に任せるか結論を出さない。李承鄴(りしょうぎょう)は、李承鄞(りしょうぎん)の深謀遠慮を理解し、今後長い付き合いになることを悟る。

西境の志と新たな出会い

李承鄞(りしょうぎん)と李承鄴(りしょうぎょう)は庭園で西境志について話し合う。そこへ小楓が現れ、西境に興味を持ち、編纂を手伝いたいと申し出る。未来の太子妃である小楓の申し出を、李承鄴(りしょうぎょう)は渋々承諾する。小楓は喜びを隠せない。

第12話の感想

第12話は、東宮の物語が大きく動き出す重要な回でした。李承鄞(りしょうぎん)と小枫の記憶を失った姿、顧剣(こけん)の宮中への潜入、李承鄴(りしょうぎょう)の太子への就任など、多くの衝撃的な展開がありました。

特に印象的だったのは、小枫が李承鄴(りしょうぎょう)の太子就任を知った時の落胆と、顧剣(こけん)が小枫の記憶喪失を知った時の驚きです。小枫は李承鄞(りしょうぎん)との幸せな未来を夢見ていたのに、その夢は叶わなくなってしまいました。顧剣(こけん)は小枫を救うために命を懸けてきたのに、記憶を失った彼女に拒絶されてしまったのです。

また、李承鄞(りしょうぎん)が西域地方志を編纂することで西域を掌握しようとする策略も見逃せません。彼は太子になるために、着実に力を蓄えているのです。

つづく