東宮(とうぐう)~永遠(とわ)の記憶に眠る愛~ 第16話 あらすじ/ネタバレ
小楓と李承鄞(りしょうぎん)は、銅銭の調査を一緒に進める。賑やかな街を歩きながら、二人は興味津々に店を見て回る。小楓は、李承鄞(りしょうぎん)と瑟瑟が本当に相思相愛であることを羨ましく思う。李承鄞(りしょうぎん)は、太子も悪くないと口にするが、小楓は少し落胆する。彼女は、自分の使命はただ一つ、当朝の太子に嫁ぐことだと知っているからだ。
李承鄞(りしょうぎん)は小楓を連れて万佛(まんふつ)寺に参拝する。小楓は入り口で籤を引くが、その籤はあまり良い意味ではなかった。寺の大師はそれをみて驚き、二人は縁が深いと告げるが、すべてを無理強いすることはできないと言う。しかし、李承鄞(りしょうぎん)は大師の言葉を気にせず、運命など信じていない。
李承鄞(りしょうぎん)は小楓に、豊朝(れいちょう)の銅は、銅銭の鋳造以外には仏像の鋳造に使われていると説明する。小楓は眉をひそめる。銅の量は限られているのに、市場には大量の偽物が流通している。そんな中で、仏像を作るための銅が余っているはずがない。万佛(まんふつ)寺の監工である李酽が二人に話しかけてくる。小楓は退屈そうに近くの仏像を叩いてみると、鈍い音が響く。李酽は顔色を変え、慌てて仏像を見つめる。小楓は少し怖くなり、李承鄞(りしょうぎん)と一緒にその場を去る。
小楓は李承鄞(りしょうぎん)に、仏像は銅ではなく、銅メッキがされているだけだと推測する。そして、節約された銅は偽物の製造に使われているに違いないと考える。一方、李酽は李承鄴(りしょうぎょう)にこのことを報告する。李承鄴(りしょうぎょう)は驚き、李酽に偽物の製造を一時停止し、しばらく様子を見るように命じる。
李承鄞(りしょうぎん)がなかなか仏寺の調査結果を皇帝に報告しないことに焦った小楓は、李承鄞(りしょうぎん)に会いに行くために塀を乗り越えようとするが、足首を捻挫してしまう。李承鄞(りしょうぎん)は仕方なく小楓を部屋に背負い込み、丁寧に足首をマッサージしながら、仏像を叩いた音だけで結論を出すことはできない、確たる証拠がなければそれは誣告になってしまうと説明する。小楓はそんな規則など気にせず、ぐらぐらと立ち上がって皇帝に訴えようとしますが、李承鄞(りしょうぎん)に押さえつけられてしまう。小楓は仕方なく大人しくなるが、李承鄞(りしょうぎん)が自分の足首をマッサージする姿を見て、見覚えのある光景が頭に浮かび、涙を流してしまう。
永娘(えいじょう)は小楓に足首を休めるように言うが、小楓はこっそりと外へ出てしまう。宮門を出ると、そこには顧剣(こけん)が待っていた。小楓は驚くが、顧剣(こけん)はすでに何日もここで待っていたという。顧剣(こけん)は小楓に鳴鏑を渡し、必要があれば鳴らせと言った。顧剣(こけん)は小楓の気持ちを知っており、仏像の制作現場に連れて行き、小楓の推測が正しかったことを証明する。
小楓は秘密を隠し切れず、太皇太后に李承鄞(りしょうぎん)が調査結果を隠していることを告発する。張玫娘(ちゃんまいなん)は李承鄞(りしょうぎん)と話をしている最中に、皇帝からの召集の知らせを受ける。李承鄞(りしょうぎん)は殿内に向かうと、皇帝は銅銭事件の進捗状況を尋ねる。李承鄞(りしょうぎん)はまだ手がかりがないと答えると、小楓が突然現れて仏像が偽物であることを暴露する。皇帝は激怒し、太子と李酽を呼び出すように命じる。小楓は、なぜ太子がこの事件に関与しているのか理解できなかった。
第16話の感想
第16話は、小楓と李承鄞(りしょうぎん)の絆が深まりつつも、二人の間に横たわる大きな問題が浮き彫りになる重要な回でした。
小楓は李承鄞(りしょうぎん)と一緒に銅銭の調査を進める中で、彼の優しさや知性に惹かれていきます。しかし、李承鄞(りしょうぎん)は自分の使命と小楓への愛情の間で葛藤を抱えており、なかなか本音を明かすことができません。
一方、小楓は李承鄞(りしょうぎん)が仏寺の調査結果を隠していることに気づき、太皇太后に告発します。李承鄞(りしょうぎん)は窮地に立たされ、皇帝の怒りを買うことになります。
このエピソードは、小楓と李承鄞(りしょうぎん)の純粋な愛と、政治的な陰謀が絡み合う複雑な世界との対比を鮮明に描いています。また、李承鄞(りしょうぎん)の葛藤や小楓の決意など、登場人物の心理描写が繊細に表現されています。
つづく