東宮(とうぐう)~永遠(とわ)の記憶に眠る愛~ 第47話 あらすじ/ネタバレ

上元節の賑わい

上元節の夜、街は賑わいで溢れていた。顧剣(こけん)と小楓(しょうふう)、阿渡(あと)は人混みの中を歩き、皇帝と李承鄞(りしょういん)は高い城楼から民衆を見下ろし、人々に金貨を撒いて皇恩を誇示した。小楓(しょうふう)はぼんやりと上を見上げ、玉のように美しい李承鄞(りしょうぎん)を見つめ、心は複雑な思いに包まれた。かつて李承鄞(りしょうぎん)と過ごした日々が脳裏に浮かび、それはとても美しく、心を動かされるものだった。しかし、小楓(しょうふう)は顧剣(こけん)と共に西州(せいしゅう)へ戻る必要があることも知っていた。そこは彼女にとって唯一の故郷だった。

脱出と追跡

顧剣(こけん)は小楓(しょうふう)の手を引き、混乱に乗じて城外へ脱出しようとした。しかし、その瞬間、李承鄞(りしょうぎん)は小楓(しょうふう)の姿を見つけ、皇帝に城門を封鎖し、刺客を捕らえて小楓(しょうふう)を宮殿に戻すよう懇願した。皇帝は少し躊躇した。上元節に城門を封鎖すれば、民衆を不安にさせる恐れがあった。李承鄞(りしょうぎん)は皇帝が命令を出さないのを見て、自ら火を放った。火勢が強まると、皇帝は宮殿に戻らざるを得なくなり、李承鄞(りしょうぎん)は小楓を探す口実を得た。趙瑟瑟(ちょうしつしつ)は、李承鄞(しょうぎん)が小楓のことを気にかけているのを見て、涙ながらに李承鄞(しょうぎん)に火の中に入らないように懇願したが、李承鄞(しょうぎん)は彼女を強く振り払い、振り返ることなく火の中へ飛び込んだ。

記憶の復活と混乱

民衆が逃げ惑う中、小楓と顧剣(こけん)はすぐに離れ離れになってしまった。顧剣(こけん)は柴牧(さいぼく)に連れ去られ、李承鄞(しょうぎん)は火の中へ飛び込んで小楓を救出した。しかし、小楓は小さな女の子を助けようとして、不幸にも木に頭をぶつけ、意識を失ってしまった。頭を強く打った小楓は、昏睡状態の中で奇跡的に記憶を取り戻し、過去の苦痛の記憶を思い出した。小楓は悲鳴を上げて目を覚まし、全身に冷や汗をかき、自分のベッドの横に立っている李承鄞(しょうぎん)を見て、恐怖を感じ、彼に近づかせないようにした。

絶望と怒り

小楓は恐怖に怯えて泣き叫び、李承鄞はわけがわからず、小楓は精神的に崩壊し、すぐに意識を失ってしまった。一方、趙瑟瑟(じょうせっせ)は小楓が戻ってきたことを歯ぎしりして恨み、小楓が李承鄞を奪ったと思っている。太医が小楓を目覚めさせると、小楓は虚弱な目を開けて、皇帝が目の前に座っているのを見た。皇帝は刺客について尋ねたが、小楓は刺客に関する情報を一切漏らさず、皇帝は半信半疑で、小楓にどうすることもできなかった。

運命のいたずら

柴牧(しばまき)は顧剣(こけん)を執念深いと責め、顧剣(こけん)は落胆し、この世に自分のものはないと思い、自分は血にまみれた人間に過ぎないと感じるようになった。顧剣(こけん)はそんな自分になりたくなく、去ろうとした。小楓は泣きながら阿渡(あわと)に、すべてのこととすべての人を思い出したことを告げ、阿渡(あわと)ももう隠し立てせず、ついに口を開き、すべてを認めた。小楓は驚愕し、阿渡(あわと)がずっと啞を装っていたことを知り、精神的に崩壊し、運命を呪い、自分がずっと記憶喪失であればこんなにつらい思いをしなかっただろうと嘆いた。

対立と決意

李承鄞は怒りに満ちて顧剣(こけん)のもとへ行き、2人は出会うなり激しく戦い、互いに敵意をむき出しにした。顧剣(こけん)は、小楓を必ず連れ出すと豪語した。李承鄞は宮殿に戻り、小楓を探しに行き、この間に何が起こったのかを知りたがった。小楓は李承鄞を無視しようと苦しみ、興奮のあまり再び気を失い、昏睡状態の中で顧小五(こしょうご)の名前を呼んだ。李承鄞はそれをはっきりと聞き、小楓が目を覚ますと、顧小五(とぐしょうご)は誰なのかと尋ねた。

愛と誤解

小楓は悲しみに暮れながら、涙を流しながら、顧小五(とぐしょうご)は自分を最も愛してくれた人であり、自分も彼を愛していると李承鄞に一字一句伝えた。李承鄞は完全に狂ってしまった。彼は顧剣(こけん)が顧小五(とぐしょうご)だと思い込み、小楓が愛しているのは自分だと気づいていなかった。そこで、李承鄞は再び怒りに満ちて顧剣と戦い、心の中では顧剣を殺す決意を固めた。

第47話 感想

第47話は、上元節の賑やかな雰囲気から一転、緊迫感と悲劇に満ちた展開となりました。小楓の記憶が戻るシーンは特に印象的で、彼女の苦悩と絶望がひしひしと伝わってきました。

李承鄞は、小楓の記憶が戻ったことを知り、動揺を隠せません。彼は、小楓が顧剣を愛していることを知り、嫉妬と怒りに駆られます。一方、小楓は、李承鄞が顧小五(とぐしょうご)ではないことを知り、絶望の淵に立たされます。

このエピソードは、愛と憎しみ、記憶と忘却、運命のいたずらなど、様々なテーマが絡み合っています。登場人物たちの複雑な感情が丁寧に描かれており、視聴者の心を揺さぶる内容となっています。

つづく