東宮(とうぐう)~永遠(とわ)の記憶に眠る愛~ 第49話 あらすじ/ネタバレ

西州(せいしゅう)

西州(せいしゅう)の風は激しく、趙敬禹(ちょうけいう)はかつてのイモ延の部下を捕らえ、高顕(こうけん)と丹蚩(たんし)の結託の内幕を探ろうとしていた。一方、高如意(にょい)は父に激しく訴えていた。皇上がこれほどまでに一人の女性に夢中になったことはなかった。皇宮に行けば必ず明月(めいげつ)を訪ねる。平民の女性がなぜこれほどまでに皇帝の心を掴むのか?高於明(こうじょうめい)は動じず、如懿に貴妃としての度量を見せるよう諭した。もし頻繁に皇帝に会いたいのなら、太皇太后を訪ねれば会う機会があるだろうと。

朔博(さくはく)王府

趙敬禹(ちょうけいう)は朔博(さくはく)王に謁見し、朔博(さくはく)と高顕(こうけん)の密通を暴露した。そして、高於明(こうじょうめい)は勢力を失い、失脚する可能性が高いと直言した。朔博(さくはく)王は丹蚩(たんし)の二の舞になりたくなければ、賢明な選択をしなければならないと。朔博(さくはく)王は朔博の未来について思いを巡らせた。

皇宮

明月(めいげつ)は太皇太后に琴を奏でた。太皇太后は明月(めいげつ)を見て、亡き李承鄞(りしょうぎん)の母を思い出し、二人はよく似ていると感じた。太皇太后は明月(めいげつ)に毎日三遍『女誡』を写経するよう命じた。明月(めいげつ)はおとなしく承諾した。このことが高如懿の耳に入り、彼女は喜び、明月(めいげつ)が多少なりとも罰せられたと感じた。高如懿は太皇太后に拝謁しようとしたが、太皇太后は姿を隠して会おうとしなかった。

阿渡(あわと)の病床

阿渡(あわと)は重傷を負い、昏睡状態が続いていた。小楓(しょうふう)は阿渡(あわと)のベッドに座り、つぶやいた。すべては天罰だと。自分が丹蚩(たんし)一族を滅ぼし、顧剣(こけん)を殺した。記憶が戻らなければよかったと。小楓(しょうふう)は食事も取らず、ほとんど絶食状態だった。李承鄞(りしょうぎん)は仕方なく、自ら粥を持ってきて、粥を飲まなければ阿渡(あわと)を運び出すと脅した。小楓(しょうふう)は狂ったように粥を飲み干した。李承鄞(りしょうぎん)は彼女を憐れんだが、どうすることもできなかった。

奚清卓と宗奐の陰謀

奚清卓と宗奐は協力して高於明(こうじょうめい)に対抗することを決意した。彼らは冤罪事件を積極的に調査し、矛先を高於明(こうじょうめい)に向け、皇帝に訴えた。李承鄞(りしょうぎん)も暗躍し、皇帝の怒りを買った。一方、高於明(こうじょうめい)は自殺した挙子(きょし)のリーダーが宗奐の恩師であることを知り、宗奐が自分を裏切っていたことに気づいた。

高如懿の策略

高如懿は皇帝に点心を持参し、高於明(こうじょうめい)のために密かに情状酌量を求めたが、皇帝は取り合わず、如懿に慎むよう命じた。高於明(こうじょうめい)は屋敷で落ち着かない様子だったが、宮中から如懿が重病を患い、すぐに宮殿に入る必要があるという知らせが届いた。聡明な高於明(こうじょうめい)は、宮殿に入れば凶事が起こることはわかっていたが、皇帝の命令に従わざるを得なかった。彼は次男の高坤(こうこん)にすぐに逃げるように命じた。

高於明(こうじょうめい)の最期

高於明(こうじょうめい)は鴻文(こうぶん)館に到着すると、皇帝はすでに待っていた。皇帝は高於明(こうじょうめい)が病気を装っていたことを暴き、彼の罪状を列挙し、今日は彼の死期にするつもりだった。高於明(こうじょうめい)は自分が逃れられないことを悟り、罪を認めたが、明月(めいげつ)に刺客を送ったことはないと主張した。陳征と明月(めいげつ)が李承鄞(りしょうぎん)のために策を弄していたと。

高坤(こうこん)の決断

高坤(こうこん)は当初一人だけで逃亡しようとしたが、途中で良心がとがめ、妻と子供を迎えに戻った。しかし、そのため時間をロスしてしまい、一家は逃げ出す前に羽林軍に包囲され、逃げることは不可能になった。

阿渡(あわと)の回復と顧剣(こけん)の魂を鎮める儀式

空から雪が降り始め、阿渡はようやく目を覚ました。小楓(しょうふう)は喜び、二人は夜の闇の中で西州(せいしゅう)の伝統に従い、顧剣(こけん)の魂を鎮める儀式を行った。

第49話は、怒涛の展開と複雑な人間模様が描かれた、非常に印象的な回でした。

まず、西州(せいしゅう)では趙敬禹(ちょうけいう)が高顕(こうけん)と丹蚩(たんし)の繋がりを探り、朔博王が今後の選択を迫られるなど、権力闘争が激化しています。一方、皇宮では、明月(めいげつ)の琴の腕前が太皇太后を亡き母に重ねさせ、意外な展開となりました。

阿渡の重傷と小楓(しょうふう)の絶食は、二人の深い絆と苦悩を感じさせ、胸が締め付けられる思いでした。李承鄞(しょうぎん)の葛藤も描かれ、複雑な心情が伝わってきました。

奚清卓と宗奐の策略によって、高於明(こうじょうめい)の失脚が近づいている様子も描かれました。高如懿の必死の訴えも虚しく、高於明(こうじょうめい)の運命は風前の灯火です。

高坤(こうこん)の妻と子供への愛情と、それを貫こうとする姿は感動的でした。しかし、羽林軍に包囲され、彼らの運命は気がかりです。

阿渡の回復と顧剣(こけん)の魂を鎮める儀式は、希望と哀しみが入り混じった、切ないシーンでした。

つづく