東宮(とうぐう)~永遠(とわ)の記憶に眠る愛~ 第50話 あらすじ/ネタバレ

皇上は高家に重い罰を下した。罪は高於明(こうじょうめい)より重く、高如意(にょい)は庶人となり、顧如晦(こじょかい)の名誉は回復された。李承鄞(りしょうぎん)は朝廷で父の言葉を聞き、心の中で喜びを噛み締めた。皇命により、高如意(にょい)には堕胎薬が届けられた。皇上の意図を悟った高如意(にょい)は、逆らうことなく薬を飲み、子供を失った。西州(せいしゅう)にいる高顕(こうけん)遠はまだ家族が罪に問われたことを知らず、高於明(こうじょうめい)がずっと前に送った密報を受け取って初めて、父が危険な状態にあるかもしれないと気づいた。高顕(こうけん)は急いで部下を連れて西州(せいしゅう)から脱出することを決意した。

李承鄞(りしょうぎん)はついに顧家の仇を討った。彼は柴牧(しばまき)に皇室に身分を明かすように促し、皇上が柴牧(しばまき)を再び受け入れることを信じていた。しかし、柴牧(しばまき)は隠居することを決意しており、李承鄞(りしょうぎん)に明月(めいげつ)に気を付けるように伝言を託した。李承鄞(りしょうぎん)は柴牧(しばまき)の決意が固いことを知り、引き留めることはしなかった。すべてが落ち着き、李承鄞(りしょうぎん)は偽りの自分を演じる必要がなくなった。彼は小楓(しょうふう)とやり直せると信じて、宮殿に戻り、小楓(しょうふう)を抱きしめて愛を語った。しかし、小楓(しょうふう)は李承鄞(しょうぎん)の体に短剣を突き刺した。傷口から鮮血が流れ落ち、目を覆うばかりの惨状だった。

李承鄞(しょうぎん)は絶望の淵に沈み、小楓(しょうふう)にどうしてこんなことをするのかと問いただした。小楓(しょうふう)は泣き崩れ、顧小五(とぐしょうご)を忘れられない自分を恨んだ。李承鄞(しょうぎん)は顧小五(とぐしょうご)の正体を知らず、悲しみに暮れ、短剣を小楓に渡し、自分を殺すように迫った。小楓は当然、手が出せなかった。李承鄞(しょうぎん)は傷心のままその場を去り、その夜、趙瑟瑟(じょうせっせ)は李承鄞(しょうぎん)のそばにいたが、李承鄞は小楓の名前を呼び続け、趙瑟瑟(じょうせっせ)は絶望に打ちひしがれた。

小楓は自分の無力さを痛感した。李承鄞とは深い恨みがあることを知りながら、どうしても彼を殺すことができなかった。さらに、阿渡(あわと)と一緒に西州(せいしゅう)に逃げ帰るにはどうすればいいのかと悩んでいた。その時、趙瑟瑟(じょうせっせ)が部屋に入ってきた。彼女は小楓が東宮から逃げるのを手伝うことができると告げた。趙瑟瑟(じょうせっせ)の目的は単純だった。李承鄞を愛するあまり、小楓が東宮を去らなければ、李承鄞への想いを断ち切れなかったのだ。

牢獄にいる高於明(こうじょうめい)は髪を振り乱し、外から聞こえてくる喪鐘に耳を傾けた。高於明(こうじょうめい)が疑問に思っていると、李承鄞が食盒を持って現れた。李承鄞は淡々と、高如意(にょい)が流産して亡くなったことを告げた。李承鄞は高於明(こうじょうめい)に最後の別れを告げに来たのだ。彼は、高於明(こうじょうめい)と顧家には何の恨みもないのに、なぜ顧家を滅ぼそうとしたのか知りたかった。高於明(こうじょうめい)は冷たく笑い、当時の自分の力では顧家を揺さぶることはできなかったと答えた。実は、皇上が顧家の勢力を恐れており、陰で高於明(こうじょうめい)を支援し、顧家一族を滅ぼすように仕向けたのだ。一方、隠居の旅に出た柴牧(しばまき)は、偶然にも皇上に遭遇した。皇は柴牧がまだ生きていることを許せず、彼を根絶やしにすることを決意した。

すぐに、明月(めいげつ)は父親が皇上に殺されたことを知り、皇室との生活に耐えられなくなり、ある夜、皇上の隣で自害した。皇はその時、淑妃を夢見た。淑妃が短剣で自分を刺す夢を見て、悲鳴を上げて悪夢から覚めた。しかし、そこには血まみれの明月(めいげつ)の姿があった。皇は驚きと悲しみのあまり、偏癱を患い、動けなくなり、言葉も話せなくなった。李承鄞は父を見舞いに訪れ、権力を手に入れたものの、愛する人を失った父の冷酷さに思いを馳せた。

趙瑟瑟(じょうせっせ)は約束通り、小楓と阿渡(あわと)を野原に連れて行った。小楓は自由を取り戻したが、すぐに裴照(はいしょう)に気づかれてしまった。裴照(はいしょう)は急いで馬を走らせ、追いかけた。

第50話の感想

第50話は、東宮のストーリーに大きな転換点をもたらすドラマチックな展開を見せた。小楓と李承鄞の愛憎劇はクライマックスを迎え、視聴者を深い感動と衝撃に包んだ。

小楓は、李承鄞への復讐を果たしたものの、愛する顧小五(とぐしょうご)を失った悲しみから逃れることができなかった。李承鄞の愛を受け入れられず、ついに彼を刺殺してしまう。このシーンは、二人の愛の深さと悲劇性を同時に表現しており、涙なしには見られない。

一方、高家と顧家の因縁もついに決着を迎えた。高於明(こうじょうめい)は、皇上の陰謀に利用され、顧家滅亡の罪を背負うことになった。顧如晦(こじょかい)の名誉回復と高家への処罰は、顧家にとっての勝利ではあるが、犠牲の大きさを考えると、喜びに浸ることはできない。

また、柴牧と明月(めいげつ)の悲劇的な結末も印象的だった。柴牧は、顧家への忠誠心から隠居を決意するが、皇上の執念によって命を落とす。明月(めいげつ)も、父を殺した皇室への復讐を果たすために自害する。二人の死は、権力闘争の残酷さを改めて浮き彫りにした。

第50話は、愛憎、復讐、そして犠牲が交錯する複雑な人間ドラマを描き、視聴者に深い感動を与えた。ラストシーンでは、小楓と阿渡(あわと)が東宮を脱出する場面が描かれ、新たな展開への期待が高まる。

つづく