感想·評価一覧
家出をした多面的な少年
李承鄞(りしょうぎん)という人物は、冷酷無情な人間ではなく、あらゆることを徹底的に行う人物です。彼は感情を排除するのではなく、一度感情を抱くと、最も深いところまで使い果たし、決して後戻りしないという人物です。ドラマでは、彼と対照的に、執着を捨てた顧剣(こけん)という人物が登場します。
この世の中には、何事にも徹底的に取り組み、目的を達成するまで決して諦めない人がいます。彼らは物事を一方向へと推し進め、最終的にはシステムを崩壊させてしまいます。一方、困難に直面すると後退し、同じシステムの中で堂々巡りを続ける人もいます。前者が李承鄞(りしょうぎん)であり、後者が顧剣(こけん)です。
>>続きを読む…東宮は、愛と運命の残酷さを描いたドラマです。李承鄞(りしょうぎん)は、西域の豊朝(れいちょう)の第5皇子であり、東宮の称号を持つ皇太子です。彼は、運命のいたずらで西域の豊朝(れいちょう)と敵対する丹蚩(たんし)の皇女である小楓と出会い、恋に落ちます。
しかし、李承鄞(りしょうぎん)は豊朝(れいちょう)の皇太子として、丹蚩(たんし)を滅ぼすという使命を背負っていました。彼は、小楓への愛と使命の間で苦悩し、最終的に丹蚩(たんし)を滅ぼし、小楓を裏切ることになります。
小楓は、李承鄞(りしょうぎん)の裏切りに絶望し、自害してしまいます。李承鄞(りしょうぎん)は、小楓を失ったことで、自分が犯した罪の大きさを知り、後悔の念に駆られます。
李承鄞(りしょうぎん)と小楓の恋は、最初から破滅が決まっていた悲劇であり、見る人の心を痛めます。しかし、このドラマは、愛と運命の残酷さを描いただけでなく、李承鄞(りしょうぎん)の成長と変化も描いています。
李承鄞(りしょうぎん)は、最初は冷酷で非情な人物でしたが、小楓との出会いによって、愛する人のために命を懸けることができるようになりました。彼は、小楓を失ったことで、自分が犯した罪の大きさを知り、後悔の念に駆られますが。
李承鄞(りしょうぎん)と小楓の恋は、悲劇に終わりましたが、李承鄞(りしょうぎん)は、小楓との出会いによって、人間として成長することができました。
物語は、西州(せいしゅう)の豊かでおてんばな王女?小楓(しゃくふう)と、大国の皇太子?李承鄞(りしょうぎん)の出会いから始まります。二人は互いに惹かれ合い、愛を育んでいきますが、李承鄞(りしょうぎん)には復讐という暗い過去がありました。
李承鄞(りしょうぎん)は、幼い頃に家族を殺された過去を持ち、その復讐のために西州(せいしゅう)を滅ぼそうと企てていました。小楓は、自分の国を滅ぼそうとする李承鄞(りしょうぎん)を信じることができず、二人の愛は悲劇へと向かっていきます。
ドラマでは、李承鄞(りしょうぎん)の復讐心と小楓への愛が複雑に絡み合い、切ない恋模様が描かれています。また、復讐のために手段を選ばない李承鄞(りしょうぎん)の冷酷さと、愛する人を守ろうとする小楓の純粋さとの対比が印象的です。
特に、李承鄞(りしょうぎん)が小楓の目の前で顧剣(こけん)を殺害するシーンは、ドラマのクライマックスと言えるでしょう。このシーンは、李承鄞(りしょうぎん)の復讐心と小楓への愛の葛藤を鮮明に描き出し、視聴者に深い衝撃を与えました。
悲劇の運命に翻弄される愛と復讐の物語
『東宮(とうぐう)~永遠(とわ)の記憶に眠る愛~』は、その悲劇的な内核と宿命感、そして過ぎ去った日々を振り返る際の無力感によって、私を深く魅了しました。
権力闘争に翻弄される李承鄞(りしょうぎん)
主人公である李承鄞(りしょうぎん)は、皇族の出身でありながら権力闘争を好まず、運命に翻弄されながら王位継承と復讐の道を歩みます。皇后と高家からの圧力、母と兄の殺害、豊朝(れいちょう)と丹蚩(たんし)の長年の確執、太子の陰謀など、様々な要因が彼を王帳の探索、丹蚩(たんし)の滅亡、太子の排除、そして東宮への入宮へと駆り立てます。小楓や趙瑟瑟(じょうせっせ)だけでなく、丹蚩(たんし)族、高相、皇后なども、彼の利用と策略の対象となります。
>>続きを読む…第一、二話の序盤は原作を補完するオリジナル要素が加えられていますが、第二話以降は原作に忠実に再現されています。
特に印象的なのは、構図と空間デザインの美しさです。草原を駆け抜ける馬、蛍の下でのキス、川辺での戯れなど、自然の美しさを存分に活かした映像は圧巻です。また、自然光を巧みに使った照明も素晴らしく、まるで絵画のようなシーンが続きます。
群衆や馬の群れ、山々など、遠近感や奥行き感にも配慮されています。特に印象的なのは、曲小楓(きょくしょうふう)の故郷の部族のシーンです。
ストーリー展開もテンポが良く、名場面と印象的なBGMの組み合わせも秀逸です。特に第八話の戦場のシーンは圧巻で、武器の種類、群衆の数、人物の配置など、見応えがあります。
衣装も素晴らしく、特に異国の地の小楓の衣装は、情熱的で奔放な赤を基調としたデザインが印象的です。大勢の人々が曲小楓(きょくしょうふう)たちを取り囲むのですが、一人一人の衣装が異なり、細部までこだわっているのがわかります。
男性陣の衣装も、紗や麻ではなく、繊細な模様が施されたものが多く、太子に即位した後はさらに豪華になります。山水画が描かれた衣裳など、中国らしいデザインが目を引きます。
シーンの再現度も高く、原作ファンも納得の仕上がりです。ネット上で見つけた路透写真を見る限り、唐風の華やかな庭園や部屋の装飾など、細部までこだわっていることがわかります。
水中のシーンも、グリーンバックではなく実際に水中で撮影されており、その誠意が伝わってきます。
李承鄞(りしょうぎん)と小楓の愛の物語
『東宮(とうぐう)~永遠(とわ)の記憶に眠る愛~』は、李承鄞(りしょうぎん)と小楓の愛の物語です。二人は幼い頃から許婚同士でしたが、様々な困難に直面し、愛と憎しみが交錯する複雑な関係になります。
李承鄞(りしょうぎん)は、太子として国の未来を背負う責任と、小楓への愛の間で葛藤します。彼は小楓を愛していますが、同時に政治的な野心も持っています。その結果、彼は小楓を傷つけるような行動をとってしまうこともあります。
小楓は、純粋で自由奔放な性格の持ち主です。彼女は李承鄞(りしょうぎん)を心から愛しており、彼の幸せを願っています。しかし、李承鄞(りしょうぎん)の行動に傷つき、次第に彼への不信感を募らせていきます。
二人は互いに愛し合いながらも、様々な困難に直面し、すれ違いを繰り返します。その過程で、二人の愛は深まっていきますが、同時に傷も深くなっていきます。
とうぐうは、愛と憎しみが交錯する複雑な物語です。二人は互いに愛し合いながらも、様々な困難に直面し、すれ違いを繰り返します。その過程で、二人の愛は深まっていきますが、同時に傷も深くなっていきます。最終的に、二人は悲劇的な結末を迎えます。小楓は李承鄞(りしょうぎん)を許すことができず、自害してしまいます。李承鄞(りしょうぎん)は小楓の死を深く悲しみ、彼女への愛を永遠に心に刻みます。
このドラマは、愛と悲劇の渦に呑まれた皇太子と西涼の姫の物語です。幼い頃から運命に翻弄され、愛する人を失い、国と国の狭間に苦悩する彼らの姿は、見る人の心を深く揺さぶります。
美しさの中に潜む悲劇
まず、このドラマの大きな魅力は、その美しい映像と豪華な衣装にあります。皇太子と西涼の姫の華やかな姿は、見る人を魅了し、ドラマの世界に引き込みます。しかし、その美しさの中に潜む悲劇が、物語をより一層切なくさせます。
複雑な人間模様
登場人物それぞれが複雑な過去を持ち、それぞれの思惑を抱えています。皇太子は国の重圧に苦しみ、西涼の姫は故郷と愛する人との板挟みに苦しみます。また、皇帝や側近たちの思惑が絡み合い、物語は複雑な展開を見せます。
愛と憎しみの狭間で
皇太子と西涼の姫は、愛し合いながらも、国と国の関係によって引き裂かれます。愛と憎しみの狭間で揺れ動く彼らの姿は、人間の心の弱さと強さを映し出しています。
永遠に眠る愛
最終的に、皇太子と西涼の姫は悲劇的な結末を迎えます。しかし、彼らの愛は永遠に記憶に眠り続けるでしょう。このドラマは、愛と悲劇の物語を通して、人間の心の奥底にあるものを問いかけてきます。
裴照(はいしょう)は、小楓を心から愛しながらも、身分の差や周囲の状況を考慮して、その気持ちを抑えていました。28話で顧剣(こけん)が小楓を奪還するために赤い衣装で宮殿の外で待っていたシーンは、彼の悲壮な思いが伝わってきて、胸を打たれました。
顧剣(こけん)は、小楓を無条件に守り抜く、まさに「騎士」のような存在でした。何度となく小楓を助け、命を懸けて彼女を守り抜く姿は、感動的でした。彼が小楓に「幸せになってほしい」と願う気持ちは、涙なしには見られません。
李承鄞(りしょうぎん)は、野心と愛情の間で揺れ動く複雑なキャラクターでした。表向きは小楓を愛しながらも、権力闘争のために彼女を利用し、時には傷つけることもありました。しかし、彼の心の奥底には、小楓への深い愛情が秘められていたことも事実です。
特に印象に残ったのは、李承鄞(りしょうぎん)が小楓に「私は醋王だ」と告白するシーンです。彼は、小楓が裴照(はいしょう)に手帕を渡したことに嫉妬し、それを取り上げました。また、小楓が裴照(はいしょう)と親しくしているのを見て、嫉妬のあまり、皇帝に珞熙(らくき)と裴照(はいしょう)の婚約を命じました。
しかし、李承鄞(りしょうぎん)の愛は、小楓にとっては苦しいものでした。彼は、小楓の自由を奪い、彼女を傷つけることもありました。最終的に、小楓は記憶を失い、李承鄞(りしょうぎん)のもとを去りました。
1. 忘却の幸福
小楓が受けた大きな心の傷を癒したのは、彼女の記憶を奪う忘却の川でした。無邪気な笑顔を取り戻した彼女を見ていると、時には真実を忘れてしまうことも幸せへの道なのだと感じさせられます。人は、すべてをありのままに知ろうとする必要はないのかもしれません。苦しみの原因は自分自身にあることが多く、手放して忘れることで真の幸福を手にすることができるのです。
2. 愛と理解
小楓と豊楚は、直感で惹かれ合いながらも、その後の関係を築くための努力が足りませんでした。もし豊楚が小楓への嫌悪を演じるのではなく、別の方法で愛情と気遣いを示していたら、すれ違いや傷つくこともなかったかもしれません。一度傷ついた心は、修復が難しいものです。これは、結婚当初の私たちにも当てはまります。簡単に口論になり、本心とは違う言葉を投げつけ、愛情表現のつもりが相手を傷つけてしまうこともありました。結婚生活には、コミュニケーションと歩み寄りが必要です。正確な感情表現は、学ぶべき大切なことなのです。
3. 相容れない価値観
豊楚は、人心險悪な皇宮で育ち、欲望を隠し、屈辱にも耐え、果断に人を殺める術を学びました。彼の心は常に深く計略を巡らせており、個人的な感情よりも大局と将来を優先します。衝動的に小楓と共に死を選ぼうとしたこともありましたが、冷静さを取り戻すと、彼は理性と利己心に支配されてしまいます。一方の小楓は、純粋な愛を求め、不正を許さず、率直に意見を述べる善良で正直な女性です。彼女は殺戮や陰謀を嫌い、家国の利益よりも個人の感情を優先します。このような性格の二人は、平穏な時期にはうまくいくかもしれませんが、衝突や争いが起こると激しい対立が生じてしまいます。
4. 大国と小国の運命
この物語は、すべての人物が運命に翻弄される無力さを描いています。西周と丹蚩(たんし)は、大国に支配され、運命を左右される小国に過ぎません。中原は強大でありながらも国境を守ることができず、和親を余儀なくされます。王女たちは、愛もなしに政略結婚を強いられます。
5. 憎しみの連鎖
物語の悲劇の始まりは、柴牧(しばまき)の復讐心にありました。彼は妻と娘を犠牲にして復讐を果たそうとしますが、娘は恨みを抱いて育ち、復讐のために皇宮に入り、最終的には自殺してしまいます。彼は養子にも復讐を植え付け、顧剣(こけん)は愛する女性を他の男のもとに送り出すことになり、後悔の末に命を落とします。顧家の子孫である五皇子を利用するために、小楓を巻き込み、彼女の家族を殺害したことで、最終的には最愛の人を失い、孤独な生涯を送ることになります。柴牧(しばまき)自身も、復讐のために人生を捧げ、表向きは復讐を果たしたように見えますが、真の敵を知ることはありませんでした。このように、憎しみに囚われることは、自分自身と周りの人を傷つけるだけです。執着を手放すことは、弱さではなく、大きな知恵と勇気なのです。
まず、映像美が素晴らしいです。大漠の壮大な景色や、宮廷の華やかな様子が美しく描かれており、見ているだけでうっとりしてしまいます。
次に、俳優陣の演技が素晴らしいです。特に、主演の二人はとても魅力的で、キャラクターに命を吹き込んでいます。彼らの演技に引き込まれ、物語に没頭することができます。
しかし、ストーリー展開には賛否両論があります。原作よりもかなり改変されており、特に後半は駆け足気味で、物足りなさを感じる人もいるかもしれません。
それでも、このドラマは一見の価値があります。愛と運命の果てに待つものとは何か、ぜひ自分の目で確かめてみてください。