あらすじ
第一話では、喬家の厳しい生活状況と家族間の確執が描かれています。物語は、喬一成が弟妹たちと防空壕のような簡素な家で暮らすシーンから始まり、彼らの苦しい生活が映し出されます。子供たちの父親である喬祖望は、家庭への責任を全く顧みず、妻の魏淑英がまさに七七を出産しようとしている時でさえ賭け事に興じていました。魏淑英は病院で七七を産んだ後、帰らぬ人となってしまいます。この出来事は喬家に大きな打撃を与えました。喬祖望は父親としての責任を果たすどころか、生まれたばかりの七七のための粉ミルクを買うことさえ渋り、病院の費用も滞納するなど、無責任な行動を続けました。崩壊寸前の家庭の中で、喬一成は幼くして弟妹たちの面倒を見る責任を負わなければなりませんでした。一方、他の家族や近所の人々は、できる限りの援助と支えを提供しました。魏淑芳は喬家を哀れに思い、七七を引き取って育てることを申し出て、喬家の負担を一時的に軽減しました。
ネタバレ
地震の仮設住宅で、空を見上げる喬一成。お腹を空かせた弟妹たちが駆け寄ってくる。家に戻ると、二姨の魏淑芳が来ており、父・喬祖望が李叔の家で賭け事に興じていると知る。魏淑芳は急いで李叔の家へ向かう。喬祖望は若かりし頃の自慢話に花を咲かせていた。魏淑芳は姉(一成の母)が病院で出産間近であり、高齢出産のため危険な状態だと伝えるが、喬祖望は取り合わない。魏淑芳が必死に説得し、ようやく一緒に衛生所へ向かう。
衛生所で、四斤八両(約2.4kg)の男の子が誕生。喬祖望は「七七(チーチー)」と名付け、魏淑芳は呆れる。一方、家で一成は弟妹のために料理を試みるも、手を切ってしまう。病院では、医師や看護師が急に慌ただしくなり、魏淑芳は不安を募らせるが、喬祖望は無関心なまま。
ついに、一成の母は亡くなってしまう。近所の人から知らせを受けた子供たちは病院へ行き、母の最期を看取る。一成は母の死を理解するも、涙を流さない。斉自強と息子の斉唯民も病院に来る。近所の人たちの噂話を聞いた一成は、誰かを突き飛ばし、泣き崩れる。
魏淑芳は一成に母の遺影を家に飾らせ、生まれたばかりの七七の世話をするよう指示する。斉自強は喬祖望に家族の面倒を見るよう忠告するが、喬祖望は金銭的な援助がないことを嘆く。魏淑芳は亡き姉のために何か形見を残したいと言い、火葬の費用について尋ねるが、喬祖望は真剣に取り合わない。
翌日、喬祖望は七七を迎えに行くが、子供を借金のカタにしようと企み、看護師に叱責される。斉自強と魏淑芳が駆けつけ、費用を支払い七七を連れ帰る。夜、魏淑芳は喬祖望の行動に憤慨し、一番安い骨壺しか買わず、残りの金を使い果たしたことを責める。
ミルクが必要な七七に対し、喬祖望は粉ミルクも牛乳も買わず、一成に米湯に砂糖を入れて飲ませるよう指示する。一成は弟妹と七七の世話を献身的にする一方で、喬祖望は冷淡な態度を続ける。一成は学校に行く前に七七を喬祖望に預け、吳姨に数日間世話をお願いする。
喬祖望は魏淑芳に毎月七元で七七を育ててほしいと提案し、魏淑芳は一時的に七七を引き取ることに同意する。その後も、喬祖望の無責任な態度は変わらず、吳姨と鶏の砂肝を盗んだのではないかと口論になる。
二強は卵を売って桃酥を買おうとするが、売れず、最終的に居委会の治安員に鶏を取り上げられてしまう。吳姨の交渉により、喬家は鶏肉を食べられることになる。喬祖望は砂肝を探すがなく、吳姨が盗んだと思い込み、また口論になる。一成と他の子供たちは鶏肉を食べるが、二強は一人で屋上で泣いている。
第1話「七七の誕生と母の死」 感想
初回から、重苦しい現実と子供たちの健気さが胸に迫るエピソードでした。貧困、無責任な父親、そして母の死という過酷な状況の中、長男である喬一成の責任感と弟妹への愛情がひしひしと伝わってきました。まだ幼い彼が、料理をしたり、弟妹の面倒を見たりする姿は、見ているこちらが辛くなるほどです。
特に印象的だったのは、母が亡くなったことを理解しながらも、涙をこらえていた一成が、近所の人たちの噂話を聞いて、堰を切ったように泣き崩れるシーン。子供心にどれほどの衝撃と悲しみを抱えていたのか、想像を絶する思いです。
つづく