あらすじ
第31話は、喬家の家庭内のいざこざと、喬四美と戚成鋼の夫婦関係の問題を中心に展開します。SARSで入院した戚成鋼をどうしても看病したいと願う喬四美でしたが、病院に拒否され、居委会によって自宅に送り返されてしまいます。喬四美の頑なな態度に対し、家族の反応は様々でした。喬一成は冷淡な態度を取り、喬二強と喬三麗は妹を心配します。最終的に喬四美は小萌に電話で戚成鋼の病状を伝え、自分自身の価値について改めて考え始めるのでした。
一方、喬祖望の行動は喬一成の不満を募らせます。特に項家に贈り物をして機嫌を取ろうとする様子を見て、喬一成は家を出て一人暮らしを始めると宣言し、絶縁も辞さない構えを見せます。
SARSが終息し、戚成鋼が回復した後、喬四美は冷静に離婚を切り出します。もはやこの関係を続けるつもりはなく、自分自身を愛することを学んだのだと告げます。この決断は彼女自身の人生を変えるだけでなく、家族関係にも変化をもたらしました。
喬祖望が子供たちに母親の墓地を選ばせようとする場面では、再び家族間の争いが勃発します。これは家族の複雑な感情の絡み合いを改めて浮き彫りにする出来事でした。
ネタバレ
二強と三麗は、入院中の四美が食事に困っているのを心配し、食べ物を届ける。しかし、一成は今回は同行せず、三麗は不思議に思う。実は一成も現状に困り果てていた。四美は医師に戚成鋼の看病を懇願するが、拒否され続け、最終的には居委会に連れ戻される。二強は四美を探し回るが、帰宅すると既に家にいて、祖望がそのことで大説教をしていた。
翌日、四美は再び病院へ行こうとするが、居委会のおばさんに阻まれる。戚成鋼の携帯電話で小萌からのメッセージを見て、深く傷つく。祖望が酒とオリーブオイルを買いに出かけると、まだおばさんが見張っていることに気付く。一成は巧巧を連れて帰宅し、屋上で酒を飲む四美を発見する。四美は小萌に電話し、戚成鋼がSARSに感染したことを伝える。小萌は戚成鋼への想いを口にするが、四美は自分を大切にするよう諭す。
祖望は贈り物を持って項家を訪ねるが、留守だったため、家政婦に預ける。帰宅した一成は項北方から祖望からの贈り物を受け取ったことを知り、激怒する。祖望に全ての役職と福利厚生の返上を要求し、再び項家と関われば絶縁すると告げる。
SARSが終息し、戚成鋼が退院する。一成は病院へ行くが、戚成鋼が出てくるのを見るなり立ち去る。普段は一人でいることを好む淑芳も、一成が来たことを聞きつけ、姿を現す。
四美は献身的に戚成鋼を看病し、彼の体調は回復する。一緒に食事をするが、戚成鋼は落ち著かない様子。道中、戚成鋼は四美を抱きしめ、やり直したいと泣きながら訴える。しかし、四美は以前の手紙を見せ、もうこんな生活は続けられないと告げる。戚成鋼は償いをしようと関係の継続を望むが、四美は離婚を決意する。
祖望は四美を叱り、ここまで尽くした後で離婚するべきではないと言う。四美は祖望からは男に頼るなとしか学んでいないと仮論する。祖望は妻の墓地の話を持ち出し、費用を子供たちに分担させようとする。一成は夫婦墓ではなく、単独墓を二つ購入することに賛成する。
南方 が休暇で帰宅すると、一成が引っ越したことを知る。喬家の墓の移転の際、祖望は項家に車を手配してもらい、一成は激怒する。家の大小に関わらず、項家に頼るべきではないと主張する。一成は二強に煙草を買って運転手に渡すように指示するが、車はレンタカーだと判明する。それでも一成は借りができたと感じていた。
第31話の感想
第31話は、SARSという未曽有の危機を背景に、喬家のそれぞれの苦悩と変化、そして四美の大きな決断が描かれた、非常に印象深いエピソードでした。特に四美の揺るぎない強さと、彼女を取り巻く複雑な人間関係が胸を打ちます。
これまで、夫である戚成鋼の度重なる裏切りにも関わらず、献身的に尽くしてきた四美。SARSという生死に関わる状況下でも、彼女は変わらぬ愛情で戚成鋼を支え続けました。しかし、小萌からのメッセージを目にしたことで、彼女の心の中で何かが決定的に変わります。これまで積み重ねてきた失望、そして自分自身を大切にするという強い意誌が、ついに彼女を離婚という決断へと導いたのです。
つづく