あらすじ
一成が家にテレビを買ってくれ、家族の生活は少し楽になった。三麗は夜勤の行き帰りには同級生の王一丁に送迎してもらっていた。一成は王一丁を家に招いて食事を共にし、彼の真面目な働きぶりに満足を示すと共に、三麗には慎重に交際するよう忠告した。しかし、素芹の夫が誤解から喬家に押しかけて騒ぎを起こし、二強が怪我をして入院する事態となった。祖望はというと、この一件にも全く無関心だった。二強は素芹への想いを諦めず、それが一成の不満と不安を募らせた。匿名の手紙がきっかけで、素芹は結局仕事を辞めて故郷に帰ってしまう。二強もまた、この騒動の余波で職を失った。長年、家族を顧みない祖望の態度に、一成はついに怒りを爆発させた。最後に、一成は四美に新しい仕事を見つけ、困難の中でも喬家のささやかな温もりと希望の光が灯った。
ネタバレ
新しいテレビを買った喬一成。一家揃ってテレビを見ている。喬三麗は夜勤で、王一丁という同級生が送ってくれると言う。一成は迎えに行こうとするが断られ、代わりに王一丁を夕食に招待する。喬四美は冗談で「恋人みたい」と言うが、それが現実になる。王一丁は招待を受ける。
当日、喬家はご馳走を用意して王一丁を迎える。喬祖望はご馳走を見て誰かの誕生日かと勘違いするが、三麗の恋人だと聞いて驚く。王一丁は家の屋根や棚を修理するなど働き者で、祖望と一成の信頼を得る。祖望は無料の労働力を見つけたと喜び、一成は三麗に王一丁を大切にするように言い聞かせ、結婚は法定結婚年齢まで待つように忠告する。四美は一成が三麗ばかり贔屓すると言って不満を漏らし、王一丁の容姿にケチをつける。王一丁は黙々と食事をし、祖望は彼の家族について根掘り葉掘り聞き、弟がいると知って少し不満げな顔をする。
食事の最中、馬素芹はとっさに酒瓶で仮撃するが、頭に怪我を負ってしまう。素芹の夫は公安に連行され、一成と王一丁は二強を病院へ運ぶ。祖望は外で怒鳴り散らし、三麗と四美は恐怖で泣きじゃくる。
その後、王一丁は入院手続きを手伝い、二強に付き添う。町内には二強と素芹の不適切な関係の噂が広まり始める。四美は兄が年上の女性とそんな関係になっている理由が分からず、三麗は噂話をしないように注意する。祖望は鶏のスープを作るが、鶏肉は自分だけしか食べない。斉唯民と魏淑芳が見舞いに来ると、四美は事情を説明する。近所の呉おばさんも淑芳に噂話を伝え、一成は苛立ちを隠せない。
噂が広まる中、一成は病院へ行く。四美はこっそり三麗にお金を渡し、一成に見つからないようにする。唯民は二人の娘の安全を心配し、淑芳を家まで送ってからまた来ると言う。王一丁は自分で新しい椅子を作り、病院で一成を手伝う。一方、祖望は工場のことで停職処分となり、二強の怪我には全く関心を示さない。
一成は王一丁を帰らせ、二強と二人で話し、真相を確かめようとする。二強は素芹が優しかったと言い、一成は関係を忘れるように言うが、二強はそれが愛だと主張する。祖望は縄を持って工場長の家へ行き、騒ぎを起こそうとするが、工場長も縄を出して一緒に首を弔ろうと言い、祖望を追い返す。
祖望が帰宅すると、三麗、四美、王一丁が家の前で待っていた。一成と二強を待っていると言う。一成が帰ってくると、二強の姿がない。二強は工場に行っており、そこで大柄の職工から、二強と素芹が一緒にスケートをしているのを見た人物が素芹の夫に匿名の手紙を送り、今回の騒動になったと聞く。素芹は離婚届を出し、数日間入院した後、故郷の東北へ帰ってしまった。二強は仕事を失い、祖望は家で怒り狂い、四美の茶碗をひっくり返す。ついに一成は堪忍袋の緒が切れ、祖望が子供たちのことを真剣に考えたことがないと非難する。二強には非があるが、祖望より自分が叱る権利があると主張する。祖望は部屋に戻り、四美はやっと泣き出す。
二強はしばらく唯民の家に泊まり、家には帰らない。一成は唯民に二強の居場所を聞き、叱るつもりだ。唯民は一成を止め、二強をかばう。一成は二強の行動が家の名誉を傷つけたと思い、怒りが収まらない。結局、二強は家に帰る。一成は四美に製本工場の仕事を見つけ、手続きをしているうちに子供たちはまた笑顔になり、少しだけ明るい雰囲気に戻る。
第8話の感想
第8話は、まさに嵐のようなエピソードでした。一見平和な家族の日常が、馬素芹の夫の乱入によって一瞬にして崩壊する様子は、見ていて息が詰まるようでした。この事件をきっかけに、喬家の抱える様々な問題が浮き彫りになり、それぞれのキャラクターの心情がより深く描かれていました。
特に印象的だったのは、喬一成の葛藤です。家族を支える責任感と、年頃の弟妹に対する複雑な感情、そして父親との確執。様々なプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、懸命に家族を守ろうとする姿には胸を打たれました。喬二強の純粋すぎる愛情表現は、世間知らずであるが故の危うさを感じさせ、今後の展開が心配になります。
対照的に、喬祖望の身勝手さは目に余るものがありました。息子の怪我よりも自分の仕事のことばかり気にかけ、家族に迷惑をかけても仮省の色を見せない姿は、憤りを感じずにはいられません。それでも、彼が抱える不安や不満も垣間見え、複雑なキャラクターであることを改めて認識させられました。
つづく