黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~ 第1話 あらすじ/ネタバレ

天下七分、大東(たいとう)帝室独尊の世。威烈帝の百年基業は、玄極令(げんきょくれい)という神器によって六州の均衡を保ち、安泰を維持してきた。しかし、玄極令(げんきょくれい)が失われたという知らせは野火のように広がり、かつてない動乱の幕開けを告げる。太子景炎(けいえん)は宮廷に急ぎ、淳禧帝は六州に詔を出し、玄極令(げんきょくれい)の奪還を命じた。

江湖(こうこ)では、謎の組織「隐泉水榭」の主である「黒豊息(こくほうしょく)」が動き出す。彼はひそかに情報を集め、失われた玄極令(げんきょくれい)の真相を解き明かそうとする。皇権の象徴である玄極令(げんきょくれい)は、多くの英雄豪傑たちを巻き込み、帝室の衰退と雍州王の野心をさらに激化させる。

月日が経ち、玄極令は冀州四将の筆頭、烈風将軍・燕瀛洲(えんえいしゅう)の手に渡る。冀州世子・皇朝(こうちょう)は将軍・蕭雪空を派遣して支援するが、燕瀛洲(えんえいしゅう)は宣山で待ち伏せに遭い、重傷を負ってしまう。そのとき、江湖(こうこ)の女侠(じょきょう)・白風夕(はくほうせき)が現れ、燕瀛洲(えんえいしゅう)を救い、宣山の北峰にある洞窟に隠す。

白風夕(はくほうせき)が燕瀛洲(えんえいしゅう)を助けたのは、3年前、長風城の民を守るために王命を無視して商(しょう)州軍を烈風口で破った彼の義挙に心を打たれたからだった。燕瀛洲(えんえいしゅう)を救うため、白風夕(はくほうせき)は韓家を訪ねて霊薬を求める。ちょうど韓家当主・韓玄齢の60歳の誕生日で、江湖(こうこ)の豪傑が集まっていた。黒豊息(こくほうしょく)も招待を受けて参加する。

韓家は霊薬で有名で、紫府散と佛心丹(ふっしんたん)は江湖(こうこ)の人々が夢見る宝物だ。しかし、韓家の薬は貴重で、簡単には手に入らない。寿宴で白風夕(はくほうせき)は直接薬を要求するが、その軽率な態度は韓玄齢を怒らせてしまう。賓客の中には白風夕(はくほうせき)に難癖をつける者も現れるが、彼女は武芸に優れており、難なく撃退する。宴会場は一時混乱に陥る。

その時、黒豊息(こくほうしょく)が現れ、仁王の名声を使って巧みに両者の衝突を回避する。彼は白風夕(はくほうせき)の代わりに韓玄齢に謝罪し、損害を賠償し、他の賓客の気持ちをなだめることで、事態を収拾する。韓玄齢は黒豊息(こくほうしょく)の名声と実力に押されて薬を贈ることを承諾し、両者の確執は一時的に解決する。

白風夕(はくほうせき)は薬を持って洞窟に戻るが、燕瀛洲の姿はなかった。黒豊息(こくほうしょく)は賓客をもてなし、彼らが白風夕(はくほうせき)を邪魔しないようにする。従者の任穿雨(じんせんう)と鍾離は、黒豊息(こくほうしょく)が白風夕(はくほうせき)に本気で惚れているのではないかと噂する。一方、黒豊息(こくほうしょく)は燕瀛洲の安否を心配し、彼が白風夕(はくほうせき)に迷惑をかけないように一人で旅立ったと推測する。しかし、白風夕の性格から、彼女は再び危険に身を投じると予想する。

案の定、白風夕は密林で燕瀛洲を見つけ、佛心丹(ふっしんたん)を飲ませて毒を一時的に抑える。しかし、危機は続く。玄極令を狙う黒ずくめの集団が現れ、白風夕と燕瀛洲は協力して戦うが、苦戦を強いられる。戦いの最中、玄極令が落ちてしまい、白風夕が拾った瞬間、毒に侵されてしまう。

燕瀛洲は白風夕のツボを封じて佛心丹(ふっしんたん)を与え、毒の発作を遅らせると、一人で黒ずくめの集団を引きつける。彼は刀と玄極令の秘密を白風夕に託し、世子・皇朝(こうちょう)に刀を渡してほしいと頼む。白風夕は燕瀛洲を見送り、悲しみに暮れる。

一方、従者の孫巳は、白風夕を探しに山に来た人々を無事に阻止する。白風夕は目を覚ますと、必死に燕瀛洲を探すが見つからず、断魂門(だんこんもん)に囲まれてしまう。危機一髪、黒豊息(こくほうしょく)が現れ、白風夕を救い、自ら治療を施す。さらに、貴重な玉雪蓮を薬として使う。しかし、白風夕は黒豊息(こくほうしょく)の救命の恩に冷淡な態度を取る。

玄極令は、黒豊息(こくほうしょく)が見抜いた偽物だった。燕瀛洲は、本物の玄極令が悪人の手に渡らないように、そして天下の英傑の忠義と邪悪を見極めるために、わざと偽物を流したのだと推測する。この事件の背後には、さらに複雑な政(まつりごと)治と江湖(こうこ)の因縁が隠されている…

第1話の感想

第1話は、壮大な物語の幕開けにふさわしい、緊迫感と謎に満ちた展開でした。天下七分という不安定な情勢の中、玄極令の消失は大きな混乱を招き、様々な勢力が動き出す様子が描かれています。

特に、白風夕と燕瀛洲の出会いは印象的でした。3年前の燕瀛洲の義挙に心を打たれた白風夕が、命を懸けて彼を救う姿は、二人の間に特別な絆を感じさせます。一方、黒豊息の存在も気になります。彼は白風夕を助けるだけでなく、玄極令の謎を追うなど、物語の鍵を握る人物であることが示唆されています。

また、韓家での騒動は、江湖の複雑な力関係を垣間見せてくれました。韓玄齢と白風夕の確執、黒豊息の仁王としての名声など、今後の展開に影響を与えそうな要素が盛り込まれています。

玄極令の偽物という謎も気になります。燕瀛洲が本物の玄極令をどこに隠したのか、黒豊息は彼の真意を理解できるのか、今後の展開が楽しみです。

全体として、第1話はテンポの良い展開と魅力的なキャラクターで、視聴者を物語の世界に引き込むことに成功しています。今後の展開に期待が高まります。

つづく