黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~ 第16話 あらすじ/ネタバレ
黒丰息と太陰(たいいん)老人の対局
黒丰息は太陰(たいいん)老人の誘いを受け、棋を指すことになった。しかし、その棋局は黒丰息自身の心の葛藤を映し出す幻境となり、彼は最大の敵は自分自身の心の縛りであることに気づく。黒丰息は幼い頃に遊びに夢中になり、母后を死なせてしまったという心の傷を思い出し、自責の念を捨て、勇敢に前に進むことを決意する。太陰(たいいん)老人は黒丰息の心意を称賛し、煩悩を断ち切ることで棋局を破ることを提案する。しかし、黒丰息は感情を捨てることを拒否し、白风夕は棋盤を破壊することで、自由奔放な姿を見せる。
太陰(たいいん)老人の真の姿と蘭因璧月の伝授
二人はついに太陰(たいいん)老人の真の姿を見ることになる。老人は二人が蘭因璧月に対して淡泊な態度であることに感心し、功法を伝授する。修行中、黒丰息の体内の内力(ないりょく)が制御不能となり、白风夕は碧月心法を使って黒丰息を救い、経脈を逆転させる。二人は生死を共にすることで、ついに蘭因璧月の真髄を手に入れる。太陰老人は、この功法は心と心が通じ合い、生死を共にすることで初めて完成することを悟る。
玉無縁(ぎょくむえん)の正体と断魂門(だんこんもん)の襲撃
一方、玉無縁(ぎょくむえん)は雁帰陣が破られたことを知り、霧山に待ち伏せを仕掛け、断魂門(だんこんもん)の少主であることが明らかになる。黒丰息と白风夕は下山途中に断魂門(だんこんもん)の襲撃を受けるが、協力して撃退する。玉無縁(ぎょくむえん)は陰から二人の実力を観察し、警戒心を強める。
雍都の朝議と母后への弔い
雍都の朝議では、黒丰息が遅刻したことで雍王の怒りを買うが、豊莒(ほうきょ)が黒丰息を庇う。黒丰息は社稷堪輿(こし)図を献上し、秦相が本物であることを確認すると、雍王は大喜びし、褒美を与えようとする。そのとき、帝京の上使が祭礼を持って到着する。これは依歌公主の冥誕を祝うためのものだが、実際には黒丰息が母后の名誉を回復するために仕組んだことだった。雍王は祭壇を設営せざるを得なくなり、百里(ひゃくり)氏(ひゃくりし)は病気を理由に回避しようとするが、雍王に拒否される。
黒丰息は母后の墓前で複雑な気持ちになる。彼は母后の冥誕を利用して百里(ひゃくり)氏(ひゃくりし)に圧力をかけるが、それは母后の教えに背く行為であることを自覚している。しかし、自分の居場所を確保するためには、そうせざるを得なかった。母后の霊前で、彼は過去を振り返り、母后への懐かしさと後悔、そして自分の進むべき道への確固たる意志を感じるのだった。
第16話は、黒丰息と白风夕の心の成長と、蘭因璧月の真髄を手に入れるまでの道のりが描かれており、見応えのある内容でした。
特に印象的なのは、黒丰息が太陰老人の幻境で過去のトラウマと向き合うシーンです。彼は母后の死という心の傷を克服し、前に進む決意をすることで、大きな成長を遂げます。また、白风夕が黒丰息の心の葛藤を理解し、彼を支える姿も感動的でした。
蘭因璧月の伝授シーンも圧巻でした。二人が生死を共にすることで、ようやく真髄を手に入れるという展開は、この物語のテーマである「愛と信頼」を象徴しているように感じました。
一方、玉無縁(ぎょくむえん)の正体が明らかになり、断魂門(だんこんもん)との戦いが本格化していく様子も気になります。また、黒丰息が母后の冥誕を利用して百里(ひゃくり)氏(ひゃくりし)に圧力をかけるシーンは、彼の葛藤が垣間見える複雑な心情が描かれていました。
つづく