黒豊と白夕 ~天下を守る恋人たち~ 第23話 あらすじ/ネタバレ

白建徳(はくけんとく)は任如松(じんじょしょう)の真意を察し、若者たちの問題は彼ら自身で解決すべきだと淡々と対応する。任如松(じんじょしょう)の懸念は、白風夕(はくほうせき)の江湖(こうこ)の身分に対する偏見から来ており、彼女が豊蘭息(ほうらんしょく)の尊い身分にふさわしくないと思っているからである。白建徳(はくけんとく)は、世間の縁は自ずと道理があると慰める。

任如松(じんじょしょう)が去った後、白風夕(はくほうせき)は別院に戻り、黒豊息(こくほうしょく)が想いを伝えようとしていることに思いを馳せる。その時、琅華が任如松(じんじょしょう)が訪ねてきたことを告げ、白建徳(はくけんとく)を通じて白風夕(はくほうせき)を约束しようとしたことを伝える。白風夕(はくほうせき)は淡々と微笑み、心中に策を巡らす。間もなく、鍾離から黒豊息(こくほうしょく)が上元(じょうげん)夜に河辺で会う約束をしたと知らせが届く。白風夕(はくほうせき)は、彼がまだ家の変事を知らされていないと推測する。

誠意を示すため、白風夕(はくほうせき)は任如松(じんじょしょう)に貴重な青(せい)雲釀を贈る。この酒は霧山太陰(たいいん)老人が醸造したもので、特別な意味を持つ。彼女はこれを機に、黒豊息(こくほうしょく)の霧山での旅の詳細を尋ね、二人の深い情誼と共通の経験を示唆する。任如松は二人の感情の真摯さを認めるものの、門閥を重んじ、情愛以外にも家族や責任を考慮すべきだと主張する。白風夕(はくほうせき)は「情不知所起、一往而深」と答え、二人は一通り話し合った後、任如松は自分が干渉しすぎたかもしれないと感じ、これ以上口出ししないと約束する。

黒豊息(こくほうしょく)は任如松の独断を知って激怒し、白風夕(はくほうせき)のことは他人が口を出すべきではないと明言する。環娘(かんじょう)は独断行動をとったことで狼狽し、黒豊息(こくほうしょく)の問い詰めに対して弁解しようとするが、最終的には裏切り者として叱責され、屋敷を追い出される。上元(じょうげん)夜、黒豊息(こくほうしょく)は白風夕(はくほうせき)との約束を果たすために赴くが、任如松の件を謝罪し、同時に自分の気持ちを伝えようとしたところ、緊急の軍情によって中断されてしまう。白風夕(はくほうせき)は失望するものの、彼の苦境を理解し、先に処理することを認める。

青(せい)州が急を告げ、良城が水害に見舞われると、黒豊息(こくほうしょく)は堤防の構築を志願する。雍王は心中に疑念を抱きながらも、五百の兵士を授ける。白風夕は青(せい)州が危機にあることを知り、同じく救援に向かうことを決意し、二人は息を合わせて良城に向かう。途中、黒豊息(こくほうしょく)は率先して道を切り開き、兵士たちの尊敬と信頼を得る。白風夕は傍らで黙々と支え、二人の関係は共同の経験の中でより深まっていく。

一方、皇朝(こうちょう)は黒豊息(こくほうしょく)の正体を知り、天下の情勢をより深く見据えるようになる。幽州の公主・華純然(かじゅんぜん)の婿選びは、各勢力の注目を集めることになる。皇朝(こうちょう)は幽州との婚姻によって勢力を拡大しようとするが、華純然(かじゅんぜん)は政(まつりごと)治的な犠牲になることを望まず、心中に独自の思惑とこだわりを抱いている。

良城への旅で、黒豊息(こくほうしょく)と白風夕は肩を並べて戦い、自然と人為の両方の試練に立ち向かう。山崩れが起きたとき、黒豊息は危険を顧みずに救助を行い、兵士たちの心からの信頼を得るだけでなく、白風夕にリーダーとしての責任感と勇気を示す。夜営の際、白風夕は表面上は細かいことを気にしないように振る舞っているが、実際には細心の注意を払っており、黒豊息を休ませ、自分が見張りを引き受けている。二人の間の阿吽の呼吸と温情は、過酷な環境の中でより一層貴重なものとなっている。

翌朝、突然のカラスの襲来がこの旅に幾分かの神秘さと不安をもたらす。しかし、黒豊息と白風夕にとっては、嵐も障害も、彼らの前進を阻むことはできない。なぜなら、彼らはお互いがそばにいれば、それが最高の時間だと知っているからだ。

第23話の感想

第23話は、黒豊息と白風夕の関係が大きく進展する重要なエピソードでした。白建徳(はくけんとく)との会話で、黒豊息は白風夕への想いを固め、白風夕もまた彼の気持ちを受け入れる準備が整っていることが示唆されました。

任如松とのやり取りは、二人の関係における障害となる門閥の壁を浮き彫りにしました。しかし、白風夕の揺るぎない愛情と任如松の理解によって、この壁は乗り越えられる可能性が見えてきました。

黒豊息と白風夕が協力して良城の危機を救う場面は、二人の絆の強さを改めて感じさせるものでした。また、自然災害やカラスの襲来など、様々な困難を乗り越えることで、二人の関係はさらに深まっていくことが期待されます。

一方で、皇朝(こうちょう)と幽州の公主・華純然(かじゅんぜん)の動向が気になるところです。皇朝(こうちょう)が幽州との婚姻を企てていることは、天下の情勢に大きな影響を与えそうです。また、華純然(かじゅんぜん)の真意も気になるところで、今後の展開が楽しみです。

つづく