黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~ 第38話 あらすじ/ネタバレ

血戦と和平の兆し

血鳳陣(けつほうじん)の威力が衰え、幽州軍の攻勢が激しさを増す中、白風夕(はくほうせき)は少数の将と共に血戦を繰り広げる。一日一夜が経過し、白風夕(はくほうせき)は重傷を負う。その瞬間、墨羽騎(ぼくうき)を率いた黒豊息(こくほうしょく)が神のごとく現れ、戦況は一変する。皇朝(こうちょう)は幽州軍の疲弊を悟り、撤退を命じる。

黒豊息(こくほうしょく)は重傷の白風夕(はくほうせき)を見て怒りを爆発させ、皇朝(こうちょう)と玉無縁(ぎょくむえん)に襲いかかる。その戦いで、玉無縁(ぎょくむえん)が蘭因璧月を所持していることが発覚する。玉無縁(ぎょくむえん)は黒豊息(こくほうしょく)に敵わず、皇朝(こうちょう)も黒豊息(こくほうしょく)の迅速な兵の移動と隠密性に驚きを隠せない。

青(せい)州は戦略的に重要な地となり、幽州にとって不利な状況となる。玉無縁(ぎょくむえん)は決戦の地ではないとして、無回谷からの撤退を提案する。その頃、商(しょう)州から祁雲(きうん)四城を占領したとの知らせが届き、玉無縁(ぎょくむえん)の予見が再び証明される。商(しょう)王と北王が動き出し、青(せい)州と雍州が手を組むことで戦況は混沌を極める。皇朝(こうちょう)は玉無縁の意見を認め、和平交渉を模索する。

未来への誓い

白風夕(はくほうせき)の傷が癒えると、黒豊息(こくほうしょく)は安堵する。彼は玉無縁が雍州の混乱と断魂門(だんこんもん)の黒幕であると疑い、真相を探ろうとするが、幽王からの和平の書が届く。白風夕(はくほうせき)は玉無縁の真意を疑い、戦況が再び変わるのではないかと懸念する。

黒豊息(こくほうしょく)は、どのような未来が来ても白風夕(はくほうせき)と共にいると誓い、両州の和平を固めるために婚姻を提案する。

婚礼と新たな戦い

この戦いは、両州の友好関係を築くだけでなく、黒豊息(こくほうしょく)と白風夕(はくほうせき)の絆も深める。黒豊息(こくほうしょく)は父王の信頼を得て、父子関係も修復される。雍王は青(せい)州の姫が白風夕(はくほうせき)であることを知り、婚約を承諾する。そして、結婚式の日を譲位の日と定める。雍王は高齢であることを自覚し、賢者に道を譲る時が来たと感じていた。黒豊息(こくほうしょく)の威望は日増しに高まり、天下統一も間近に迫っていた。

一年後、青(せい)州の宗祠で白風夕(はくほうせき)は両親に報告する。雍州の使者である鳳栖梧が訪れ、婚約の吉報を伝える。青(せい)州の大臣たちは当初反対するが、鳳栖梧は雍王の退位、両州の友好関係、そして厚い聘礼によって彼らの意見を覆す。白風夕(はくほうせき)は天下に婚約を発表する。

結婚式の日、雍州王宮は華やかに彩られ、白風夕は嫁衣を身にまとい、黒豊息(こくほうしょく)と共に大殿へと歩み入る。二人は夫婦となり、雍王は双生蚌珠を贈り、二人の調和と共生を願う。そして、豊蘭息(ほうらんしょく)への譲位を宣言する。洞房では、蘭若酒の香りが漂い、二人の愛は永遠に続く。

五年後の天下

五年が経ち、六州は戦火に包まれ、民衆は苦しんでいた。新帝景炎(けいえん)は玄極令(げんきょくれい)を使って明賢を迎え入れ、雍冀二州のバランスを保とうとする。北州は降伏し、天下は二分される。白風夕は黒豊息が王域に進軍すると推測する。

冀州はすでに商(しょう)州を包囲しており、商(しょう)王は玄枢令を皇朝(こうちょう)に献上し、王域への進軍を予感させる。

黒豊息は景炎(けいえん)の意図を理解し、時間を稼ぎ、自分の立場を正そうとしている。彼は皇朝(こうちょう)をライバルであり、明君であると認識しており、戦いは天下の民衆のために行うものだと考えている。

彼は玉無縁の動向も気にかけている。無回谷事件以来、玉無縁は姿を消していたが、実際には暗躍していた。皇雨(こうう)も玉無縁を気にかけており、清明祭に合わせて帝京を訪れようとしていた。

韓朴は風雲騎督将に成長し、戦場に出ることを望んでいたが、白風夕は彼の危険を心配していた。皇朝(こうちょう)は玉無縁の密命を受け、三軍を準備し、黒豊息よりも先に王域に到着することを誓う。天下の帰属をかけた戦いが、幕を開けようとしていた。

第38話は、黒豊息と白風夕の絆が深まり、天下統一への道筋が描かれた重要な回だった。しかし、新たな戦いが始まろうとしているため、今後の展開が気になるところだ。特に、玉無縁の動向と韓朴の成長は今後の見どころの一つと言えるだろう。

つづく