覆流年~復讐の王妃と絶えざる愛~ 第1話 あらすじ/ネタバレ

春、瀚京(かんけい)城

権力を欲する穆澤(ぼく・たく)は、無辜の命を犠牲にして皇位を奪おうとしていた。そんな中、情に流されやすく、権謀術数に巻き込まれてしまう陸安然(りく・あんぜん)は、赤い衣装を身にまとい、炎の中で自らを救済する。

10年前、蘇城(そじょう)の河畔

陸家の令嬢である陸安然(りく・あんぜん)は、男装をして船上で水雷を開発し、河賊に対抗していた。彼女が開発した「混江龍」は初戦で勝利を収め、穆澤(ぼく・たく)が乗っていた船が賊に襲われた際に、安然は彼を助ける。二人は運命的な出会いを果たし、固い絆で結ばれる。

武術に長けた穆澤(ぼく・たく)に感銘を受けた安然は、彼を雇おうとするが断られてしまう。しかし、穆澤(ぼく・たく)はすでに安然の正体を見抜いていた。

帰宅途中、安然は母親である陸夫人·沈蘭渓(しん·らんけい)に遭遇し、翌日が成人式の日にあたることを知る。弟の陸昀(りく·いん)が帰郷し、継母の柳鳴玉(りゅう·めいぎょく)は彼の武術に反対するが、安然は全力で彼を支持する。

成人式では、父である陸軽舟(けいしゅう)から双魚令を授与される。これは陸家の船運の権限を象徴するものであり、安然に家業を継承し、陸家を守ってほしいという願いが込められていた。安然は、家業は一人だけの私物ではなく、一族全員の福祉であると宣言する。

式を終えた安然は、発疹のため席を離れ、そこで穆澤(ぼく・たく)と再会する。穆澤(ぼく・たく)は水利による国の繁栄を説き、安然の心を掴む。さらに、花束と玉容膏を贈り、二人の絆は深まる。しかし、穆澤(ぼく・たく)の正体は謎に包まれており、安然は好奇心を抱きながらも真相を知ることはできなかった。

名利を嫌う陸家は、皇位争いに巻き込まれることを望んでいなかったが、運命はそれを許さなかった。穆澤(ぼく・たく)は軍功を挙げて聖上から賜婚を願い出、安然は「小侍衛」として慕っていた穆懷恕が、実は二皇子穆澤(ぼく・たく)であることを知る。家族の重荷と自身の感情の間で葛藤する安然は、賜婚を受け入れ、瀚京(かんけい)へと旅立つ。

出発前、陸夫人·沈蘭渓(しん·らんけい)が病に倒れる。安然は心を痛めるが、皇室との婚約は破棄できない。涙ながらに母に別れを告げ、未知の旅に出発する。彼女は、これが永遠の別れになるとは知る由もなかった。

京に到着した安然は、宮廷生活が想像以上に過酷であることを知る。皇位を奪うために手段を選ばない穆澤(ぼく・たく)は、次第に冷酷になっていく。安然は彼のやり方に反対するが、抗う術はなく、泥沼に陥っていく。彼女は自分のやり方で穆澤(ぼく・たく)を変えようと試みるが、彼の野心を変えることはできなかった。

そして、嵐の夜、安然は赤い衣装を身にまとい、炎の中に身を投じる。彼女は命を代償に、自分の潔白と不屈の精神を世間に示した。その瞬間、彼女は母の慈愛に満ちた笑顔と弟の陸昀(りく·いん)の呼び声を聞き、家族の温もりと自由の風を感じた。炎の中で、彼女は真の自分を見つけ、運命に抗うことができたのだ。

第1話の感想

第1話は、陸安然(りく・あんぜん)という一人の女性の壮絶な人生を描いた、非常に衝撃的な内容でした。権力闘争に巻き込まれ、愛する人を失い、苦悩の末に自らを犠牲にするという彼女の姿は、胸を打つものがありました。

特に印象的だったのは、安然の強さと優しさです。彼女は男装をして水雷を開発し、河賊と戦うなど、非常に勇敢な女性です。しかし、同時に家族を愛し、人々を思いやる優しい心も持ち合わせています。そんな彼女が、運命に翻弄され、苦悩する姿は、見る者の心を揺さぶります。

また、穆澤(ぼく・たく)というキャラクターも非常に興味深いです。彼は権力を手に入れるために手段を選ばない冷酷な人物ですが、安然への愛情は本物です。彼の葛藤や苦悩は、物語に深みを与えています。

つづく