覆流年 復讐の王妃と絶えざる愛 第15話 あらすじ/ネタバレ
太平倉の封倉式
太平倉が正式に封鎖され、穆川(ぼく・せん)は陸安然(りく・あんぜん)に揮毫を求め、大瀚国の繁栄と民衆の飢餓からの解放を祈願します。陸安然(りく・あんぜん)は穆川(ぼく・せん)の姿を見て喜びを感じ、この地が朝廷の陰謀から離れた心の安らぎの場所であることを実感します。
天下の穀倉が実を結び、京郊の水利事業も完成したことで、穆川(ぼく・せん)は世俗を離れて隠居することを計画します。陸安然(りく・あんぜん)もまた、瀚京(かんけい)を離れることを考え、二人はいつか瀚京(かんけい)の外で一緒に静かな生活を送ることを約束します。
陸欣然(りく・きんぜん)と穆澤(ぼく・たく)の葛藤
一方、陸欣然(りく・きんぜん)は穆澤(ぼく・たく)の心を温めようと、生姜湯を心を込めて作ります。穆澤(ぼく・たく)は無駄な努力だと告げますが、陸欣然(りく・きんぜん)は王妃として妻の務めを果たすべきだと主張します。陸家と慶(けい)王府をつなぐ唯一の絆として、望まない結婚であっても、彼女は穆澤(ぼく・たく)から少しの関心を向けられることを望んでいます。
穆澤(ぼく・たく)は亡き母への憐憫から、生姜湯を飲みますが、そこには陸欣然(りく・きんぜん)の子を授かりたいという切実な願いが込められた薬が仕込まれていました。穆澤(ぼく・たく)は薬の効力を抑え、侍衛を呼んで陸欣然(りく・きんぜん)を連れ去ります。彼はこのことで自分の原則を破りたくないのです。
穆川(ぼく・せん)と穆澤(ぼく・たく)の兄弟の絆
穆川(ぼく・せん)は慶(けい)王府に駆けつけ、穆澤(ぼく・たく)の窮状を心配します。彼はなぜ真心で接することができず、権力闘争や後宮の争いに溺れてしまうのかと問います。穆澤(ぼく・たく)は皇族の結婚は権謀術数の道具であり、真心などないと冷たく答えます。
それでも穆川(ぼく・せん)は希望を捨てず、兄がいつか本当の愛に出会い、普通の家庭の温かさを享受できることを願っています。穆澤(ぼく・たく)は愛は幻であり、権力ほど確固たるものではないと言いながらも、もし真実の愛に出会えれば大切にすると約束します。
陸欣然(りく・きんぜん)の失態と陆家の没落
陸安然(りく・あんぜん)は翠翠から、陸欣然(りく・きんぜん)の薬のことがバレて穆澤(ぼく・たく)に幽閉されたことを知ります。ちょうど穆澤(ぼく・たく)が蕭驚雀(しょう・きょうじゃく)を娶る日であり、陸欣然(りく・きんぜん)は後宮で孤独に過ごしていました。
穆澤(ぼく・たく)は大勢の賓客を招いて宴会を開き、蕭驚雀(しょう・きょうじゃく)は側室でありながら親王正妃の鳳釵を身に着けて、主権を主張します。一方、後宮の陸欣然(りく・きんぜん)は質素な食事を与えられ、蕭驚雀(しょう・きょうじゃく)の栄光を目の当たりにして嫉妬に駆られます。翠翠のけしかけもあり、彼女は王妃の名のもとに宴会に乱入し、賓客をもてなします。そして、枝を贈り物として蕭驚雀(しょう・きょうじゃく)に高枝に攀じ登ったことを皮肉ります。
蕭驚雀(しょう・きょうじゃく)は負けじと反撃し、二人は激しく言い争い、体面を丸つぶれにします。穆澤(ぼく・たく)は王妃の病気を理由に陸欣然(りく・きんぜん)を連れ出し、事態の悪化を防ぎます。
翠翠は蔡望津(さい・ぼうしん)に助けを求め、陸欣然(りく・きんぜん)を慰めてほしいと頼みます。陸欣然(りく・きんぜん)は自分の委屈を訴え、本当の慶(けい)王妃として認められたいと願いますが、誰も理解してくれません。蔡望津(さい・ぼうしん)は優しく慰め、陸欣然(りく・きんぜん)は誤った相手に心を寄せてしまったことを後悔し、思わず彼の肩に寄りかかります。
この場面を蕭驚雀(きょうじゃく)が目撃し、他の女官たちと一緒にやってきます。陸欣然(りく・きんぜん)は屈辱に耐えきれず、その場で取り乱してしまいます。
穆澤(ぼく・たく)はこのことで皇帝から責められ、厳罰に処せられそうになります。彼は陸欣然(りく・きんぜん)と蔡望津(さい・ぼうしん)を直接処罰しないことで皇家としての体面を保ち、最終的には蔡望津(さい・ぼうしん)を幽閉し、陸欣然(りく・きんぜん)は自らの意思で王府を離れることで、双方に面目を保たせることにしました。
陸家の運命と未来への伏線
陸安然(りく・あんぜん)は事態を収拾するため、陸家代表として穆澤(ぼく・たく)に謝罪し、補償として瀚京(かんけい)からすべての商号を撤退させることを提案します。彼女は陸家が撤退すれば、城中の噂も消えることを知っています。
陸欣然(りく・きんぜん)は陸家に戻されますが、精神状態は悪化の一途を辿ります。陸安然(りく・あんぜん)は穆澤(ぼく・たく)の名のもとに食事を勧めますが、心中は複雑です。姉妹の運命は交錯し、それぞれに悲しみと喜びがあります。陸家の撤退には、陸欣然(りく・きんぜん)の「貢献」も少なからずあります。
醜聞は瀚京(かんけい)に影を落とし、陸家の名声は傷つきますが、陸安然(りく・あんぜん)はこの機に皇権の束縛から抜け出すことに成功します。しかし、運命の伏線はすでに静かに敷かれており、未来の道は依然として未知数であり、多くの試練が待ち受けています。
第15話感想
第15話は、複雑な人間関係と運命の皮肉が描かれた、見応えのあるエピソードでした。特に印象に残ったのは、陸欣然(きんぜん)の苦悩と葛藤です。彼女は王妃としての立場と、女性としての愛情の間で揺れ動き、最終的に道を踏み外してしまいます。彼女の行動は同情すべきものでありながら、同時に、自らの選択の責任を負うべきであるということも考えさせられます。
また、穆川(ぼく・せん)と穆澤(ぼく・たく)の兄弟関係も興味深いものでした。二人は性格も価値観も異なりますが、互いに深い愛情を抱いています。しかし、皇族という立場が二人の関係に暗い影を落としているのが痛々しいです。
つづく