始皇帝 天下統一 第1話 あらすじ/ネタバレ

紀元前259年、戦国時代を舞台に、戦いと政治闘争に満ちた歴史絵巻が描かれます。物語は、未来の秦の始皇帝となる嬴政(えいせい)の誕生と、その父である嬴異人(えいいじん)の運命を中心に展開します。

カメラがゆっくりと引くと、歴史の変遷を見守ってきた壮大な宮殿が現れます。しかし、時代は進み、かつて強大だった趙国は衰退していました。歴史の車輪は先秦時代へと遡り、七国が覇を競い、戦火が絶え間なく続いていました。

長平の戦いの後、趙国は六都市の割譲を拒否したため、秦の昭襄王(しょうじょうおう)は趙国に攻め込み、3年にわたる邯鄲の戦いが勃発しました。この戦いの最中に、嬴政(えいせい)は邯鄲で誕生します。彼の父である嬴異人(えいいじん)は、秦の人質として趙国に幽閉されており、その生活は不安定でした。

寒さが増すにつれ、情勢はさらに緊迫したものとなります。抜け目のない商人である呂不韋(りょふい)は、嬴異人(えいいじん)が趙国から脱出し、秦に亡命するのを助ける決意をします。しかし、この行動は趙国の相邦である趙勝(ちょう しょう)の疑念を招きます。彼は呂不韋(りょふい)と嬴異人(えいいじん)が謀反を企んでいるのではないかと考え、配下に呂不韋(りょふい)の逮捕を命じます。

嵐の夜、呂不韋(りょふい)と嬴異人(えいいじん)は趙勝(ちょう しょう)の追跡を振り切ろうとしますが、城門でトラブルに巻き込まれます。しかし、呂不韋(りょふい)の機転により、なんとか邯鄲を脱出することに成功します。しかし、安全が目前に迫った時、嬴異人は妻の趙姫(ちょうき)と息子である嬴政(えいせい)がまだ城内に残っていることに気づき、彼らを迎えに行くことを決意します。

呂不韋は嬴異人の性格を熟知しており、未来の秦の君主となる彼には強力な後ろ盾が必要であることを理解していました。そこで、彼は嬴異人を秦に戻り、華陽太后(かようたいこう)の養子となることを説得します。これにより、彼は王位を継承する機会を得ることになります。

一方、邯鄲城内では、趙姫(ちょうき)と嬴政(えいせい)が申越(しんえつ)の保護のもと、趙軍の追跡を逃れていました。彼らは農家に身を潜め、そこには小さな女の子とその母親もいました。女の子の機転により、彼らは一時的に官兵の追跡をかわすことに成功します。

逃亡の途中、呂不韋、嬴異人、そして同行者たちは幾度となく危険に遭遇しますが、最終的には秦軍に救出され、無事に秦の都咸陽に到着します。しかし、嬴異人の帰還は平坦なものではなく、彼は咸陽の牢獄で今後の処遇を待つとともに、今後の道を模索していました。

第1話のラストシーンでは、嬴異人が咸陽城外で感動の跪拝をする様子が描かれており、故郷への帰還への思いが表現されています。同時に、彼が将来直面するであろう試練と責任も暗示されています。これは単なる個人の運命の転換点ではなく、国家全体、ひいては天下の権力交代の重要な瞬間でもあります。『大秦賦』はこれを起点として、権力、忠誠、裏切り、そして最終的な統一に関する物語を展開していきます。

第1話の感想

第1話は、戦国時代の壮大な歴史絵巻を鮮やかに描き出し、視聴者をその世界に引き込むことに成功しています。特に、嬴政(えいせい)の誕生と嬴異人の運命を中心に展開するストーリーは、今後の展開への期待を高めるものでした。

まず、戦国時代の雰囲気を忠実に再現した映像美が印象的です。壮大な宮殿や荒涼とした戦場、そして市井の人々の生活など、細部までこだわり抜かれた美術セットと衣装は、視聴者を当時の時代へとタイムスリップさせてくれます。

また、登場人物たちの演技も素晴らしく、嬴政の凛々しさ、嬴異人の苦悩、呂不韋の狡猾さなど、それぞれのキャラクターの魅力が存分に表現されています。特に、嬴異人の複雑な心情を繊細に演じきった張魯一(チャン・ルーイー)の演技は圧巻でした。

ストーリー展開もテンポよく、緊迫感溢れるシーンが次々と繰り広げられます。特に、呂不韋と嬴異人の脱出劇はハラハラドキドキする展開で、最後まで目が離せませんでした。

第1話を通して、嬴政が未来の秦の始皇帝となるまでの道のりは決して平坦ではないことが示唆されています。彼の出生の秘密、呂不韋との関係、そして秦の王位継承問題など、今後の展開が気になるところです。

つづく