始皇帝 天下統一 第10話 あらすじ/ネタバレ

夜が深まり、春申君(しゅんしんくん)は重たい書簡を手に華陽太后(かようたいこう)的寝宮にそっと入りました。古びた繊細な絹布がゆっくりと広げられると、華陽太后(かようたいこう)的表情は緊張から安堵へと変わり、かすかな微笑が浮かびました。楚国からの密書は、楚国の意向を伝えるだけでなく、彼女の心の奥底にある思惑とも一致していました。

一方、姚賈は王綰(おうがん)を連れて呂不韋(りょふい)の屋敷を訪れ、懇切な言葉で呂不韋(りょふい)の承諾を得て、王綰(おうがん)を部下として迎え入れました。しかし、宮廷内外では暗流が渦巻いていました。嬴異人(えいいじん)の病状は悪化の一途を辿り、皇太子を立てることが急務となっていましたが、姚賈と呂不韋(りょふい)は嬴政(えいせい)を推すものの、華陽太后(かようたいこう)が成蟜(せいきょう)を偏愛しているため、決断を下すことができません。

月が黒く風も強い夜、呂不韋(りょふい)は思い切って王宮に入り、病床の嬴異人(えいいじん)に嬴政(えいせい)を早く皇太子に立てるべきだと進言しました。嬴政(えいせい)が毒殺されそうになったことを知った嬴異人(えいいじん)は激怒し、よろめいて倒れそうになりました。この突然の危機は逆に彼の決意を固め、宗室の宴で嬴政(えいせい)を皇太子に正式に発表することを決意しました。

一方、華陽太后(かようたいこう)と陽泉君 芈宸は密談を交わし、書簡の約束が成蟜(せいきょう)の皇太子への道を切り開くと確信していました。華陽太后(かようたいこう)は、楚国を後ろ盾にすれば、自分の計画が成功する可能性が高まると知っていました。彼女は秦国を守り、この嵐を乗り越えた帝国を他人の手に渡さないことを誓いました。

嬴異人(えいいじん)はついに嬴政(えいせい)を呼び寄せ、成長した息子を見つめながら、複雑な思いに駆られました。彼は、嬴政が秦をかつてないほどの繁栄へと導いてくれることを願って、切々と託しました。皇太子になることを知った嬴政は、喜びを抑えきれず、趙姫(ちょうき)のもとに駆け寄り、母子でこの喜びを分かち合いました。涙と笑顔が入り混じります。

函谷関の外では、李斯(りし)が秦の地に足を踏み入れ、胸に大きな夢と理想を抱いていました。呂不韋(りょふい)は閲兵式の準備に追われ、虎符を蒙武に鄭重に渡し、万が一に備えて警戒を強めました。春申君(しゅんしんくん)の密かな訪問は、宮廷に変化をもたらすのではないかと呂不韋を不安にさせました。

宗室の宴では、緊張と不安が漂っていました。華陽太后は趙姫(ちょうき)を辱める芝居を仕組んでいましたが、嬴政は激怒してその場で血を流しました。この光景は一同を驚かせ、嬴異人(えいいじん)は息子を守ろうとしましたが、嬴政と趙姫(ちょうき)を雪宮に一時的に幽閉し、激昂のあまり吐血して昏倒せざるを得ませんでした。

華陽太后はこれを機に王城を掌握し、噂を広めて嬴政の皇太子としての地位を揺さぶろうとしました。さらに、政変が失敗した場合に芈家が安全に逃れるための手段を講じました。華陽太后的の執拗な追及に、嬴異人は怒りを募らせながらも、もはやどうすることもできず、絶望の淵に突き落とされるのを見守るしかありませんでした。

この危機的な状況の中、贏傒は立ち上がり、武力で雪宮の侍衛を脅して、趙姫(ちょうき)に会うことができました。贏傒の疑念に対して、趙姫(ちょうき)は自分の潔白と貞操を証明するために、贏傒の頬を何度も叩きました。これは、贏傒だけでなく、王室の名誉を汚そうとした者たちへの痛烈な一撃となりました。

こうして、第10話のストーリーは緊張と感情が交錯する中で幕を閉じ、秦の未来は依然として不確実で、未知の試練が待ち受けています。

第10話 感想

第10話は、緊張感と感動が交錯する見応えのあるエピソードでした。ストーリーは急展開を見せ、華陽太后と呂不韋の権力闘争が激化し、嬴政の命運が大きく揺れ動きます。

特に印象に残ったのは、嬴政が宗室の宴で血を流すシーンです。彼の怒りと悲しみが伝わってくるような迫真の演技に、思わず息を呑んでしまいました。また、趙姫が贏傒に真実を証明するために、自らの手で頬を叩くシーンも、母としての強さと気高さを感じさせるものでした。

つづく