始皇帝 天下統一 第12話 あらすじ/ネタバレ
秦の宮廷内外は緊迫した空気に包まれる。百官と宗族は宮殿の外で厳重な警備に阻まれ、不安が漂う。そんな中、蒙武は一万の精兵を率いて宮門を突破し、百官のために権力の核心への道を開く。嬴政(えいせい)は樊於期(はんおき)に密計を授け、宮中の兵力が分散している隙に側翼から潜入し、危篤状態の嬴異人(えいいじん)を救出するよう命じる。
嬴異人(えいいじん)の寝宮では、病床に伏した彼の命が尽きようとしていた。華陽太后(かようたいこう)は精兵を派遣し、弟の陽泉君に呂不韋(りょふい)の勢力に対抗するよう命じる。両者は剣呑な雰囲気の中、口論を交わす。一方、宮廷の外では李斯(りし)らが飛び交う噂から今日の宮廷騒動の真相を探ろうとする。
嬴異人(えいいじん)の妻である趙姬(ちょうき)は、夫の窮地に心を痛める。彼女は嬴傒(えいけい)に懇願し、もし嬴異人(えいいじん)が亡くなった場合、自分も一緒に死にたいと訴える。趙姬(ちょうき)の言葉は嬴異人(えいいじん)の内面を深く理解しており、嬴傒(えいけい)の心を動かした。嬴傒(えいけい)は嬴政(えいせい)を次の秦王に据え、趙姬(ちょうき)と共に静かに立ち去ることを決意し、計画を実行に移す。
その時、衛兵が乱入し、韓夫人と嬴異人に危害を加えようとする。危機一髪の状況の中、嬴政(えいせい)は立ち上がり、衰弱した父を背負って救出に向かう。しかし、途中で趙姬(ちょうき)と嬴傒(えいけい)に出会い、4人は力を合わせて章台宮へと急ぎ、迫りくる暴動を阻止しようと決意する。
章台宮の前では、2つの勢力が対峙し、緊張が高まる。そんな一触即発の状況の中、嬴異人一行の登場は清流のように衝突を鎮めた。華陽太后(かようたいこう)は朝堂に歩み入り、百官の冷淡な視線に耐えながら体面を保とうとする。呂不韋(りょふい)は太后に今日の出来事について直接尋問し、華陽太后(かようたいこう)はついにすべてを認める。その後、嬴異人は一連の処罰を下し、陽泉君は家を失い辺境に流され、華陽太后(かようたいこう)は華陽宮に幽閉され、残りの者は呂不韋(りょふい)の裁量に委ねられる。
その後、嬴異人は重臣を集め、正式に嬴政(えいせい)を太子に指名し、天下に告げる。同時に、数人の大臣に昇進を命じ、彼らが将来新君を全力で補佐することを確実にする。呂不韋(りょふい)は人前で太子を全力で補佐することを誓う。嬴傒(えいけい)は権力の象徴である宝剣を嬴政(えいせい)に返し、権力の平穏な移行を完了させる。しかし、その裏には嬴異人の命のタイムリミットが迫っていた。
夜が更けると、嬴異人は嬴政に治国の理念を伝え、権力が分散したことで西周が衰退した教訓を深く分析し、天下統一の重要性を強調する。彼は嬴政が乱世を終わらせ、太平の世を開く君主になることを願っていた。翌日、予定通り閲兵式が行われ、嬴異人は病身を押して出席し、嬴政に発言権を与え、若い太子に万衆の面前で力強い演説をさせ、軍民の士気を高めた。
閲兵式で秦軍の威容と強大さを目の当たりにした李斯(りし)は、心を揺さぶられ、新たな方向性を見出し、この激動の歴史の流れに身を投じることを決意する。しかし、式典が最高潮に達した時、嬴異人は静かに息を引き取り、未完の夢と若い後継者を残した。紀元前247年5月、わずか3年間秦王の座にあった嬴異人は35歳で急逝し、諡号は荘襄王(そうじょうおう)。彼の死は、秦の新たな時代の幕開けを告げた。
第12話の感想
第12話は、権謀術数と継承というテーマを中心に、緊迫感と感動が交錯する内容でした。特に、嬴異人の命を懸けた決断と、嬴政の成長が印象的でした。
嬴異人は、自身の病状を悟りながらも、秦の未来のために尽力する姿が胸を打ちました。呂不韋(りょふい)との駆け引きや、嬴政への教えなど、彼の知略と愛情が随所に感じられました。
嬴政は、まだ若く経験不足ながらも、父の姿を見て成長していく様子が描かれていました。特に、章台宮での演説は、彼の決意と覚悟を感じさせるものでした。
また、趙姬(ちょうき)の嬴異人への深い愛情や、李斯(りし)が歴史の流れに身を投じる決意をするシーンなど、各キャラクターの心情が丁寧に描かれており、見応えのある内容でした。
つづく