始皇帝 天下統一 第13話 あらすじ/ネタバレ

咸陽の五月は本来であれば鮮やかな空が広がるはずだが、三代の君主が突然亡くなったことで、重苦しい陰りが漂っている。羋氏の流刑は、秋の風に落ち葉が舞うように悲しく、章台宮では盛大な即位式が準備されており、秦の六代目の王である嬴政(えいせい)が、自らを始皇帝と名乗る少年君主として歴史の舞台に立つことを示している。

即位の日、新君の嬴政(えいせい)は、雷のような勢いで詔勅を出し、文武百官を任命した。その中で呂不韋(りょふい)は、非凡な政治的手腕で丞相の座に就き、秦の未来に期待を寄せている。かつて落ちぶれた公子に財をばら撒いた行為は、今や権力を握るための基盤となり、呂不韋(りょふい)はこれを機に新政を推し進め、秦の雄姿を復活させようと決意する。

しかし、権力の天秤の上には、強君暮政と主少国疑の影が常にちらついている。嬴政(えいせい)が即位したばかりの頃、呂不韋(りょふい)は丞相府に姚賈、蒙武などの重臣を急いで集め、国事を相談するふりをして、独断専行し、王绾(おうかん)、樊於期(はんおき)、姚賈などの腹心を要職に配置し、さらに渭文君(いぶんくん)の嬴昇(えいしょう)に衛尉の職を任せて王権を固めた。

趙国内では、趙偃(ちょうえん)は嬴政(えいせい)の即位に激怒し、郭開(かくかい)に太子を奪う計画を立てさせ、丞相の職を約束した。一方、毛遂は楚趙合従を成立させ、共に強秦に対抗しようと奮闘するが、楚の朝廷の抵抗に遭い、華陽太后(かようたいこう)的残した影が楚に再び戦を起こさせないようにしている。

呂不韋(りょふい)は春秋閣で、門客たちに自らが編纂した大著を発表し、総編纂者として、士たちに書物を書かせ、智慧を継承させようとしている。穆歌は偶然客栈に立ち寄り、嬴政(えいせい)を補佐する計画を立てている李斯(りし)と出会い、李スの決意をさらに固めた。

鄭貨(ていか)は他人が褒美をもらっているのを見て、呂不韋(りょふい)に褒美を要求したが、相府の家宰の職を任されたことで、大喜びした。呂不韋は鄭義(ていぎ)に六国の情報網を強化し、敵国の動向を把握するよう密命を下した。嫪毐(ろうあい)は呂不韋が賢人を集めていることを聞き、雨の中会いに行き、昔の恩情で相府に残ることができた。

嬴政は宮殿に六国の旗を掲げ、天下統一の意志を示そうとしたが、呂不韋は管仲と斉桓公の故事を引用し、形式ではなく策略を重視すべきだと諫めた。ちょうど水害の急報が届き、呂不韋は自ら進んで対応し、嬴政を裏方に回した。

李斯(りし)は羊を連れて丞相府を訪れた。偏殿には羊が群がっていて、すべて拝礼である。甘羅(かんら)は卓越した才能で李斯(りし)と意気投合したが、鄭貨(ていか)は旧怨からわざと難癖をつけて、千金を要求して竹簡を提出した。呂不韋は人を見る目があり、人前で甘羅(かんら)を認め、少庶子に封じて配下にした。

趙国内では、趙偃(ちょうえん)は行動が軽率なため、父王の趙丹(ちょうたん)の信頼を失い、太子趙佾(ちょういつ)との明争暗闘が激化している。郭開(かくかい)は毛遂の力を借りて形勢を逆転させようと策略を練り、権力と知恵を巡る戦いが静かに始まった。

このエピソードでは、権謀と壮志が交錯し、新王の即位の輝きの裏には、各勢力の暗闘が渦巻いている。嬴政と呂不韋の君臣協力は、秦を新たな栄光へと導くことができるのか?そして、趙国内の紛争は、列国の勢力図にどのような影響を与えるのか?すべては今後の展開で明らかになるだろう。

第13話 感想

第13話は、権謀術数が渦巻く回だった。新王である嬴政が即位し、天下統一の野望を燃やす中、様々な人物が暗躍する。呂不韋は丞相としての地位を固め、秦の未来のために新政を推し進めようとする。しかし、強君暮政と主少国疑の影は常に付きまとい、呂不韋は常に気を抜けない状況だ。

趙国内では、趙偃(ちょうえん)と太子趙佾(ちょういつ)の権力闘争が激化している。毛遂は楚趙合従を提唱するが、楚の朝廷は消極的で、実現は難しい。郭開(かくかい)は趙偃(ちょうえん)を利用して権力を握ろうと画策し、趙国内はますます混乱していく。

この回で特に印象に残ったのは、甘羅(かんら)の登場である。李斯(りし)との出会いは運命的なものであり、甘羅(かんら)の才能は呂不韋に認められて少庶子に任命された。甘羅(かんら)が今後どのような活躍を見せるのか、楽しみである。

つづく