始皇帝 天下統一 第15話 あらすじ/ネタバレ
権力、知恵、忠誠が交錯する秦王政(しんおうせい)元年
秦王政(しんおうせい)元年の深遠な歴史絵巻の中で、権力、知恵、忠誠をめぐる複雑な葛藤が静かに幕を開けます。権勢を誇る相国・呂不韋(りょふい)は、李斯(りし)に自著の書物を献上し、若い秦王・嬴政(えいせい)に自身の治国理念と深謀遠慮を伝えようとする熱意を語ります。しかし、李斯(りし)は君臣の礼を重んじ、嬴政(えいせい)の許可を得ないままの行動は不適切であり、誤解を招く恐れがあると忠告します。それでも呂不韋(りょふい)は、自身の心血を注いだ著作が嬴政(えいせい)の心を動かし、その真意を理解してくれると信じて、李スの忠告を無視し、孤独な道を歩み始めます。
戦功と法度の狭間で揺れる秦国
一方、秦国の軍事力は函谷関から東進し、蒙驁や麃公などの将軍たちの活躍により、領土拡大への道を着々と進めていました。しかし、勝利の喜びも束の間、軍功と法度をめぐる論争が朝堂を揺るがします。赫々たる戦功を挙げた麃公でしたが、斬首によって功績を記録したことが新法に抵触し、厳罰に処せられそうになります。嬴政(えいせい)は麃公の罪を許そうとしますが、呂不韋(りょふい)の独断専行によって思い通りにはいきません。最終的に秦軍は斬首による功績記録を廃止し、嬴政(えいせい)と呂不韋(りょふい)の間には微妙な溝が生じます。
敏腕な臣下たちの思惑
鋭い洞察力を持つ姚賈は、嬴政の心の変化に気づきますが、呂不韋(りょふい)は嬴政の不機嫌を子供じみた感情の揺れだと捉え、気に留めません。国家の未来を語る中で、呂不韋は水利事業に目を向け、姚賈は李冰を推薦します。しかし、呂不韋はより壮大なビジョンを抱き、天下の英才を集めて治水事業に取り組むことを宣言し、政治家としての先見の明を示します。
隣国の思惑と策謀
韓国では、韓非子(かんぴし)の変法による国力強化の主張が王室に冷遇されます。そこに呂不韋の求賢令が届き、韓王の心に一縷の希望が灯ります。特に韓王が水利技術者の鄭国(ていこく)と出会ったことで、秦の力を利用して秦を弱体化させる策略が練られます。
趙国でも政局が混迷を極めます。郭開(かくかい)は毛遂の弱点を突いて酒宴を催し、彼を味方につけようと企みます。窮地に陥った毛遂は、人質策略を餌にした計画を巧みに考案し、趙国の政局に波紋を投げかけようとします。
母の諫言と臣下の忠誠
嬴政の生母である趙姫(ちょうき)は、呂不韋に対して、嬴政の気持ちを慮るよう諫言します。呂不韋は内心不満を抱きながらも、門客たちの著作と李斯(りし)的治国論を嬴政に献上し、君臣関係の修復を図ります。しかし、李斯(りし)は呂不韋の権勢に頼らず、直接嬴政に仕えることを決意していました。
李斯(りし)的文章を読んだ嬴政は、その才能に感銘を受け、荀子(じゅんし)の門下生である彼に直接会いたいと強く望みます。しかし、王綰(おうがん)の慎重な忠告により、嬴政は秦王としての立場から、個人的な感情を超越した政治的判断が必要であることを自覚します。そして、嬴政は李斯を直接召し出すことを決断し、その行動は彼の決意と胆力を示すと同時に、秦国の政治情勢が大きく変化しようとしていることを予感させます。
友情と理想の邂逅
韓国からの使者である鄭国(ていこく)の来訪は、李斯に旧友である韓非子(かんぴし)と交流する機会をもたらします。二人は秦の土地で、それぞれの国に対する忠誠と理想を胸に、時局と未来について深い議論を交わします。歴史の車輪は、無数のこのような交流と衝突の中でゆっくりと前へ進み、秦国ひいては戦国時代の運命を未知の彼方へと導いていきます。
第15話の感想
第15話は、戦国時代の複雑な人間模様が描かれた回でした。
呂不韋は独断専行で嬴政との間に溝が生じ、秦軍は斬首による功績記録を廃止。隣国の韓国では韓非子(かんぴし)の変法が冷遇され、趙国では政局が混迷を極めます。
嬴政の生母は呂不韋に諫言し、李斯は嬴政に仕えることを決意。李斯と韓非子(かんぴし)は秦の土地で時局について議論を交わします。
歴史の車輪は、交流と衝突の中で秦国ひいては戦国時代の運命を未知の彼方へと導いていきます。
つづく