始皇帝 天下統一 第21話 あらすじ/ネタバレ
咸陽の奥深くにある宮殿では、趙姫(ちょうき)は太后としての威厳を完全に失い、嫪毐(ろうあい)との甘い生活に浸り、朝廷の争いを忘れていました。しかし、天下統一を志す嬴政(えいせい)にとっては、耐え難い苦痛でした。怒りと無力感が募る中、嬴政(えいせい)は冬児(とうじ)と孟兄弟を連れて視察を名目に咸陽を離れ、山水の中で束の間の安らぎと自分自身を見つめ直すことを決意します。
一方、丞相府では、蒙驁、姚賈、嬴傒(えいけい)が戦況について激しく議論していました。趙の情勢が微妙に変化する中、3人の意見は割れ、呂不韋(りょふい)は苦悩します。秦が長年蓄えてきた軍力と物資を、これから始まる戦いでどのように効率的に分配するのか、目の前に大きな課題が立ちはだかっていたのです。姚賈は冷静に分析し、趙国内部の腐敗と混乱を指摘し、今こそ攻め込むべきだと主張します。さらに、甘羅(かんら)は驚きの提案をします。大軍を動かすことなく、自分一人で趙へ使者として赴き、城を奪い、秦の領土を広げると豪語したのです。
呂不韋(りょふい)は熟考の末、甘羅(かんら)の策を採用し、甘羅(かんら)を正使、姚賈を副使として青銅の轺車に乗せ、趙へ向かわせます。この決定は秦国内に大きな波紋を広げ、特に李斯(りし)は、この行動が嬴政(えいせい)と呂不韋(りょふい)の溝をさらに深め、自分自身がこの政治闘争で一矢報いるチャンスを得られるかもしれないと鋭く察知します。
邯鄲の城外では、郭開(かくかい)が秦の使者を盛大に迎えましたが、甘羅は若く経験が浅く、礼儀作法を誤ってしまい、交渉が頓挫しそうになります。しかし、姚賈は機転を利かせ、事前に厚い贈り物を用意していたため、郭開(かくかい)をうまく懐柔し、秦の利益のために道を切り開きます。郭開(かくかい)の説得により、趙偃(ちょうえん)は最終的に5つの河間の城を秦に割譲し、秦の中立を確保し、燕と共同で戦うことを決意します。
しかし、秦にいる嬴政はまだこの事態を知りません。彼は国内問題の処理に追われ、灌漑工事を妨害した家臣を厳罰に処し、国法の威厳を改めて示していました。帰路で燕の太子丹の車と偶然出会った嬴政は、丹の怒りの言葉から、呂不韋が趙と密かに同盟を結び、自分たちとの約束を破ったことを悟ります。この突然の背信行為に、嬴政は心を痛め、丹との深い友情を断ち切り、秦の未来のために犠牲を払わなければなりません。
その夜、嬴政は李斯(りし)を呼び出し、夜通し語り合います。李斯(りし)の説明で、嬴政は呂不韋の真の姿と、権臣として秦の未来に及ぼす潜在的な脅威を徐々に理解していきます。李斯の話は鋭い刃のように嬴政の迷いと未練を断ち切り、呂不韋の朝廷における影響力を排除し、秦の強盛のために障害を排除しなければならないという決意を固めます。
この夜は嬴政にとって、苦悩と決断が交錯する夜でしたが、一国の君主として、秦の未来のために全力を尽くすという責任を負っていることを痛感しました。
第21話の感想
第21話は、嬴政の苦悩と決断が描かれた重要な回でした。趙姫(ちょうき)の堕落、呂不韋の背信、そして燕の太子丹との友情の崩壊など、嬴政は様々な困難に直面し、心身ともに疲弊していきます。
しかし、李斯との対話を通じて、嬴政は呂不韋の真の姿と秦の未来のために必要なことを理解します。そして、一国の君主としての責任を自覚し、呂不韋の影響力を排除することを決意します。
つづく