始皇帝 天下統一 第22話 あらすじ/ネタバレ

嬴政(えいせい)は天下統一を志しており、その急進的な政策は、相邦呂不韋(りょふい)の仁政思想とは次第に乖離していく。敏腕な政治家である李斯(りし)は君臣間の微妙な亀裂に気づき、摘星台で忠誠を誓うことで嬴政(えいせい)の信頼を得て、朝堂への道を切り開く。

燕と趙が突然同盟を結んだという知らせは、燕を孤立無援の窮地に陥れる。主将劇辛(げきしん)は軽率に趙軍の罠に陥り、20万の大軍は壊滅、上谷36県を失い、そのうち11県は趙から秦に譲渡される。この戦いは燕に大きな打撃を与え、戦国時代のさらなる複雑化を予感させる。

一方、趙から帰国した甘羅(かんら)は、天真爛漫で世間の厳しさを知らない態度で、嬴政(えいせい)から呂不韋(りょふい)の残党と見なされる。激怒した嬴政(えいせい)は、鹿盧剣で甘羅(かんら)を斬り殺し、朝堂に衝撃が走る。

趙偃(ちょうえん)は龍台宮で群臣を招いて燕への勝利を祝う宴会を開き、天命を受けたものとして覇業を企てる。しかし、群臣の中で真心から賛同するのは郭開(かくかい)だけで、他の者は媚び諂いながら裏で別の思惑を抱いている。呂不韋(りょふい)は急遽宮殿に召し出され、甘羅(かんら)の遺体を見て嬴政(えいせい)の決意を悟り、李斯(りし)を長史に任命して朝堂に新しい勢力を育成しようと画策する。

翌日、朝堂では李斯(りし)が官服を身にまとい、威風堂々と受封の儀式を受ける。しかし、嬴政は満朝の文武官僚を見渡しながら、真に信頼できる人物は数少ないことに気づく。下朝後、王绾(おうかん)と樊於期(はんおき)が李斯(りし)を祝賀し、3人で酒を酌み交わしながら時局を語り合う。李斯(りし)は率直に、呂不韋(りょふい)は嬴政の即位を助けたものの、権力を手放すつもりはなく、摂政太后趙姬(ちょうき)の私生活の乱れは秦にとって時限爆弾になっていると指摘する。

趙姬(ちょうき)と嫪毐(ろうあい)の不倫はついに発覚する。突然の子供の誕生に、2人とも驚きを隠せない。嫪毐(ろうあい)は趙姬(ちょうき)に子供を産んでくれるよう懇願し、趙姬(ちょうき)は利害関係を考慮した末、体調不良を理由に嫪毐(ろうあい)を連れて雍城に密かに向かう。嬴政はこれを聞いて複雑な心境になり、王宮にはもう親しい人がいなくなってしまう。

秦国内では、渭文君(いぶんくん)の家臣が刑罰を受けたことで、新たな騒動が勃発する。宗室の人々は渭陽君(いようくん)府に集まり、嬴傒(えいけい)に公正な裁きを求める。呂不韋(りょふい)は解決策を持たないながらも、宗室の怒りを鎮めようと努める。この事件は咸陽に瞬く間に広まり、嬴政が分封制を廃止して郡県制を導入しようとしているという噂が飛び交い、呂不韋の封邑の扱いについても疑問が投げかけられる。

封主たちの集団抗議を受け、呂不韋は封地の2倍の土地を国府に提供することで事態を収拾しようとする。しかし、嬴政はこれに不満を抱き、これは単なる懐柔策に過ぎないと考える。この一件以降、嬴政と呂不韋の溝はさらに深まり、表面上は平静を装っていても、内心は不和となる。

紀元前241年春、秦王政(しんおうせい)は親政を行うために冠を戴く儀式を行う。彼は呂不韋に李斯を御史に昇進させるよう提案し、相権を弱体化することで自らの権力を強化しようとする。しかし、老獪な呂不韋はすでに王绾(おうかん)をこの職に就けており、2人の間で静かな権力争いが始まる。嬴政の冠を戴く日が近づき、秦は東征の軍備を整え、六国の運命は大きく変わろうとしていた。

第22話感想

第22話は、秦の天下統一に向けた動きが加速する一方で、内部に様々な亀裂が生まれていく様子が描かれた回でした。

特に印象的だったのは、嬴政と呂不韋の関係の変化です。嬴政は急進的な政策を推し進める一方で、呂不韋は仁政を主張し、二人の意見は次第に乖離していきます。また、呂不韋の私生活の乱れも秦にとって大きな問題となり、嬴政は呂不韋への不信感を募らせていきます。

また、李斯が本格的に登場し、嬴政の信頼を得て朝堂に参入していく様子も描かれました。李斯は敏腕な政治家であり、嬴政の天下統一に大きな役割を果たしていくことが予想されます。

その他にも、燕と趙の同盟、甘羅(かんら)の死、嫪毐(ろうあい)と趙姬(ちょうき)の不倫など、様々な事件が展開され、戦国時代の複雑な状況が浮き彫りになりました。

つづく