始皇帝 天下統一 第29話 あらすじ/ネタバレ
楚の辺境
楚の太子?姫丹は、秦軍に追われながら逃亡中。彼は鎧を着て姿を隠そうとするが、秦将?樊於期(はんおき)に見破られてしまう。しかし樊於期(はんおき)は、かつての姫丹と秦王・嬴政(えいせい)の友情を思い出し、彼を難なく逃がす。姫丹は樊於期(はんおき)の恩に感謝し、心に刻むことを誓う。
合従軍の崩壊
合従軍は崩壊し、秦の勢力は日に日に増していく。諸侯たちは秦の強大さを恐れおののく。趙の邯鄲では、趙王・偃は国力が衰退していくことに焦りを感じ、老将?龐煖との間に溝が生まれていく。彼は無力感に苛まれながらも、自らの保身策を模索する。楚もまた、四面楚歌の状態に陥る。春申君(しゅんしんくん)?黄歇(こうけつ)の説得により、楚王(そおう)・芈完は寿春への遷都を決意し、秦の鋒先をかわそうとする。燕、魏などの国も大きなダメージを受け、10年間は復興が難しい状況に追い込まれる。
邯鄲の動き
邯鄲では、秦王・政の英明さと胆力が広く称賛されている。民衆は彼が早く親政し、秦を天下統一に導くことを切望している。政は民意に応え、李斯(りし)が綿密に計画した宴で、王族や宗室をもてなす。この機会に親政を提案するつもりだ。質素な宴席には、未来への期待と不安が入り混じっている。宴の終わりに、宗室たちは趙姫(ちょうき)に、政の親政を早急に実現するよう進言する。趙姫(ちょうき)は内心では喜んでいるものの、大局に関わる重要な問題であるため慎重に検討する必要があると考え、時期尚早であるとして引き延ばす。
呂不韋(りょふい)の焦燥
一方、呂不韋(りょふい)の屋敷は灯火が煌々と輝き、多くの客人が集まっている。しかし、彼の心は孤独と寂しさで満たされている。政の加冠式が近づき、かつて彼に頼っていた寒門の士たちは新しい道を求めて去っていった。呂不韋(りょふい)は人心を失っていることを自覚しているが、権力への執着と不屈の精神は、彼を簡単に諦めさせない。
運命の歯車
翌日、趙姫(ちょうき)は呂不韋(りょふい)を呼び出し、政の加冠と親政について正式に告げる。彼女の言葉には、息子に対する深い期待が込められている。呂不韋(りょふい)は表面上は承諾するが、内心は複雑な思いを抱いている。嫪毐(ろうあい)もまた、趙姫(ちょうき)の言葉に私心を刺激され、不満を募らせていく。
蒙家の兄弟は、この知らせを政に伝える。李斯(りし)を除く全員が喜びを露わにする。狩猟大会では、成蟜(せいきょう)が優れた騎馬術を駆使して次々と獲物を仕留め、關鍵的な場面では野馬を乗りこなして喝采を浴びる。政は成蟜(せいきょう)には及ばなかったものの、風格を損なうことなく、惜しみなく褒美を与える。しかし、この光景は呂不韋と李スの目には、別の意味を持つ。
韓霓(かんげい)は成蟜(せいきょう)の行動を知り、彼が無意識のうちに秦王の怒りを買うのではないかと心配し、野馬を政に献上するよう説得する。幼く純粋な成蟜(せいきょう)は、その真意を理解できず、腹を立てて華陽太后(かようたいこう)のもとに逃げ込む。
この頃の秦では、暗流が渦巻いている。宗室と朝臣はそれぞれの利益のために争い合い、呂不韋は孤立無援ながらも、趙姫(ちょうき)の母性を利用して大局を操ろうとする。彼は政の親政前に自分の地位を固め、同時に秦の未来に影響を与えようとしている。
権力と知恵を巡る戦いが静かに始まった。果たして、親政を目前に控えた若い君主?政は、この複雑な政治ゲームの中で自分の立ち位置を見つけ、秦をより輝かしい未来へと導くことができるのだろうか?
第29話の感想
第29話は、秦の天下統一に向けた大きな転換点となる重要なエピソードでした。合従軍の崩壊により、秦の勢力はますます強大となり、諸侯たちは恐れおののくばかりです。そんな中、秦王・政は親政に向けて着々と準備を進めていきます。
特に印象的だったのは、政と呂不韋の対比です。政は民衆の期待に応えようと決意し、親政に向けて積極的に行動を起こしています。一方、呂不韋は権力への執着から、政の親政を阻止しようと画策しています。この対比は、秦の未来を左右する重要な要素となるでしょう。
また、成蟜(せいきょう)の行動も気になるところです。彼は優れた騎馬術を駆使して活躍し、政の注目を集めました。しかし、彼の行動は思わぬ事態を招く可能性もあります。
つづく