始皇帝 天下統一 第36話 あらすじ/ネタバレ
朝焼けの中、嬴政(えいせい)一行は兵器庫を訪れる。その武器にはすべて「相邦 呂不韋(りょふい)」の名が刻まれており、秦の兵士への決意と人心掌握の深意が込められている。呂不韋(りょふい)の功績に李斯(りし)も敬意を表するが、王绾(おうかん)の懸念に共感し、呂不韋(りょふい)の功績が権力を手放さない口実となり、秦の未来を阻害するのではないかと危惧する。
一方、魏人破(ぎじんは)は偶然嫪毐(ろうあい)の邸宅にたどり着き、その怪力で嫪毐(ろうあい)の寵愛を受け、重臣となる。鄭貨(ていか)は魏人破(ぎじんは)と遭遇し、咸陽に潜伏して謀反を企てていると誤解して追い払おうとするが、その威圧感に圧倒され、狼狽して逃走する。
嫪毐(ろうあい)は再び趙姬(ちょうき)に爵位をねだり、趙姬(ちょうき)は呂不韋の帰還を待って願いを叶えることを約束する。嫪毐は喜び、邸宅でそれを大々的に発表し、士気を高める。嬴傒(えいけい)は鄭貨(ていか)と魏人破(ぎじんは)の確執を利用して、鄭貨(ていか)が楚の密偵を解放したと偽装し、窮地に追い込む。
嬴政(えいせい)は臣下と共に灌漑工事の視察を行い、鄭国(ていこく)から壮大な計画を聞く。泾河から渭河へ水を引くことで、東西に広がる300里の土地を潤し、干ばつや塩害を防ぐという。嬴政(えいせい)は鄭国(ていこく)に2年以内の完成を命じ、完成すれば官位を上げ、民にも褒賞を与えることを約束する。
嫪毐は鄭貨の事件を知り、趙姬(ちょうき)に讒言して逮捕を促す。しかし、呂不韋は鄭義(ていぎ)を派遣して嫪毐を相府に連行し、厳しく訓戒する。趙姬は激怒し、呂不韋を宮殿に呼び出して対峙する。呂不韋は秦の主君を忘れないようにと趙姬に忠告し、いずれ嬴政に政権を返還し、強固で安定した秦を築くと約束するが、趙姬は聞く耳を持たない。
夜、嬴虞(えい ぐ)は李斯(りし)と密会し、その腹の底が見えないことに警戒心を抱く。翌日、章台宮で大朝会が開かれ、趙姬は反対を押し切って嫪毐を長信侯に封じ、山陽の地を与える。廷尉 隗状(かいじょう)は反対を表明するが、趙姬の怒りを買って庶人に落とされる。呂不韋は助命を訴えるが、趙姬の決意を変えることはできない。嬴政は不満を隠すが、李斯(りし)は嫪毐の過去の功績を挙げ、呂不韋に譲歩を迫る。封爵は決定される。
朝会後、李斯は隗状(かいじょう)を慰め、耐え忍んで時を待つように促す。隗状(かいじょう)は李斯の言葉に感謝し、咸陽に残って様子を見ることにする。嫪毐の封侯の知らせは各国に届き、関東諸国は使者を派遣して祝賀する。魏王は和平を望み、魏霑(ぎせん)と娘の魏嫣(ぎえん)を秦に送り、趙姬を利用して同盟を結ぼうとする。
長信侯府の宴の当日、賓客が集まり賑わう中、趙姬が到着した瞬間に暴走した車が邸宅に突入する。嫪毐は御者の技量で魏霑(ぎせん)父娘を救い、その勇猛さを示す。この事件は、今後の波乱の序章となる。
第36話 感想
第36話は、秦の未来を左右する重要な展開が盛りだくさんでした。特に印象に残ったのは、以下の3点です。
- 嫪毐の権力拡大: 趙姬の寵愛を受け、長信侯に封じられた嫪毐は、その権力を強めていきます。呂不韋は嫪毐の台頭を警戒し、嬴政を守るために動き出しますが、果たしてどのような展開になるのでしょうか。
- 鄭貨の窮地: 嫪毐の策略に嵌められた鄭貨は、窮地に陥ります。彼の運命はいかに?
- 嬴政の決意: 灌漑工事の完成を目指し、秦の発展に尽力する嬴政の決意が伝わってきました。彼の統治の下、秦はどのような未来を築くのでしょうか。