始皇帝 天下統一 第37話 あらすじ/ネタバレ

夜の帳が下り、華やかな灯りがともる秦の宮廷。盛大な宴席が幕を開け、賓客たちが続々と集う。魏国の重臣?魏霑(ぎせん)は、愛娘?魏嫣(ぎえん)を連れて宴会場に足を踏み入れる。その瞳には、未来への期待が溢れていた。

魏霑(ぎせん)は、魏嫣(ぎえん)と趙姫(ちょうき)を引き合わせ、両国の関係を強固にするための政略結婚を企てる。しかし、思惑とは裏腹に、魏嫣(ぎえん)の視線は別の男へと向けられていた。それは、武官の嫪毐(ろうあい)だった。魏嫣(ぎえん)は、嫪毐(ろうあい)に好意を抱き、感謝の気持ちを込めて酒を酌み交わす。

さらに魏嫣(ぎえん)は、自らの頭から貴重な越地南海珍珠の簪を抜き取り、嫪毐(ろうあい)に贈呈する。そして、詩経の佳句を口ずさみ、繊細な想いを伝える。武人である嫪毐(ろうあい)は、その意味を理解できず、ただ受け取るのみだった。この光景は、趙姫(ちょうき)の心に嫉妬の炎を燃え上がらせる。

一方、朝堂では、王绾(おうかん)が丞相?呂不韋(りょふい)に嫪毐(ろうあい)の封侯を報告する。列国の使者は、それぞれに野心を持って秦に潜入していると進言する。呂不韋(りょふい)は、特に魏国の裏切りに激怒し、樊於期(はんおき)に魏への進軍を命じる。

宴が終わり、趙姫(ちょうき)は魏嫣に玉を贈り、ただちに秦を去るように命じる。魏嫣は、嫪毐が珍珠の簪を趙姫(ちょうき)に渡したことを知り、複雑な気持ちに陥る。魏嫣に一目惚れした嬴虞(えい ぐ)は、彼女を送り出し、名残惜しげに見つめる。

帰路についた魏霑(ぎせん)は、魏嫣に今回の縁談が叶わなかったことを伝える。しかし、魏霑(ぎせん)は、嫪毐が秦の朝廷で風雲を巻き起こし、魏国に息つく時間を与えてくれることを期待する。

遼闊な草原では、嬴政(えいせい)が自ら全羊を焼き、臣下たちと歓談する。李斯(りし)は、樊於期(はんおき)が魏の垣城と蒲陽を陥落させたことを報告し、魏が降伏を申し出るだろうと予測する。蒙家の兄弟は、勢いに乗って魏の領土を奪うべきだと主張するが、嬴政(えいせい)は天下統一という大きな目標を見据えていた。

魏の使者?魏霑(ぎせん)は再び秦を訪れ、5つの城を嫪毐の封地とし、秦の度量衡を採用することで和平を提案する。趙姫(ちょうき)はこれを快諾し、嫪毐に城を賜り、呂不韋(りょふい)の隣に座らせて国事に参与させる。これは、嫪毐の権勢をさらに強固にするものだった。

しかし、楚から羋完 (びかん)の崩御の知らせが届く。華陽太后(かようたいこう)は、陽泉君?芈宸を弔問に派遣し、李斯(りし)も同行させる。嫪毐は、この機会に李斯(りし)を暗殺しようと企み、門客を楚に送り込む。華陽太后(かようたいこう)は占いで凶兆を感じ取り、嬴政(えいせい)に報告する。嬴政(えいせい)は、李斯(りし)を守るために密かに計画を立てる。

一方、姚賈は呂不韋(りょふい)と密談し、嫪毐の勢力が拡大していることを指摘する。嬴政(えいせい)に早急に冠を授けて親政させるべきだと進言する。呂不韋(りょふい)は、嬴政が『呂氏春秋』の理念に従って国を治めるのであれば、親政を支持すると約束する。権力と知謀をめぐる戦いが、秦の朝廷内外で繰り広げられる。

第37話感想

第37話は、秦と魏の駆け引き、嫪毐の台頭、そして暗躍する勢力など、様々な要素が絡み合い、見応えのある内容でした。特に印象に残った点は以下の3つです。

  1. 魏嫣と嫪毐の恋模様

    魏嫣は、政略結婚を目的に秦を訪れたものの、嫪毐に惹かれていきます。一方、嫪毐は魏嫣の想いに気づいていない様子。二人の恋の行方は気になるところです。

  2. 嫪毐の権勢拡大

    嫪毐は、魏からの贈り物である城を賜り、さらに国事に参与するようになりました。彼の権勢は日に日に増しており、呂不韋や嬴政にとって脅威となる可能性があります。

  3. 李斯(りし)を狙う刺客

    嫪毐は、李斯を暗殺しようと企み、門客を楚に送り込みました。しかし、華陽太后(かようたいこう)の占いで凶兆が示され、嬴政は李斯を守るために動き出します。果たして、李斯は無事に楚から帰還できるのでしょうか。

    つづく