始皇帝 天下統一 第43話 あらすじ/ネタバレ
夜、甘泉宮
宮女妍、暗闇の中を幽霊のように動き回る。彼女は、嬴政(えいせい)が趙姬(ちょうき)の側に配置した巧妙な駒。彼女の情報が、寺人石(じにんせき)を通じて正確に秦王の手元に届く。嫪毐(ろうあい)と趙姬(ちょうき)が謀反を企てていることを知った嬴政(えいせい)は、李斯(りし)と視線を交わし、無言のうちに叛乱鎮圧を決意する。
邯鄲
趙王偃(うえん)は密書を受け取り、陰謀が成功したことを得意げに笑い、李牧と龐煖に軍を率いて出撃するよう命じる。一方、韓国はより慎重な姿勢を見せ、秦軍を牽制するだけに留め、正面衝突を避ける。魏は一か八か、魏王增(ぎおうぞう)は全力で嫪毐(ろうあい)を支援し、龐梓は軍を率いて秦国に迫り、機を伺う。
咸陽
趙竭(ちょうけつ)は秦国内の異変を察知し、嫪毐(ろうあい)に急報するが、彼は自信満々で、警戒心を見せず、趙姬(ちょうき)を利用して出兵の詔書を出そうとする。しかし、天は彼らを見放す。寺人石(じにんせき)が突然、嬴政(えいせい)の命令を伝え、楊端和、桓齮(かんき)、王翦(おうせん)などの将軍を関外に駐屯させ、外敵に備える。嫪毐(ろうあい)はこれを喜び、趙姬(ちょうき)に璽を押すよう急かす。趙姬(ちょうき)は心中で葛藤するが、感情に流され、運命を決める印を捺してしまう。
呂不韋(りょふい)の決意
呂不韋(りょふい)は事態を知り、心を痛める。彼は嫪毐(ろうあい)の野心が明らかになったことを悟り、排除する必要があると考える。そこで、詔書を持って宮に入り、趙姬に会い、嫪毐を誅殺する必要性を力説する。趙姬は母性愛から強く反対し、嫪毐と運命を共にすることを誓う。呂不韋(りょふい)は落胆するが、奸臣を排除するという決意をさらに強める。
驪山大営
蒙驁率いる五万の精鋭が、驪山大営で厳戒態勢を敷く。李斯(りし)は兵力が不足していることを心配するが、嬴政(えいせい)は自信に満ち溢れ、鋭士があれば叛乱を鎮圧できると考える。彼は巧妙な作戦を立て、李信と王賁(おうほん)に密かに嫪毐の側近を監視させる。呂不韋(りょふい)も負けじと、嫪毐を捕らえるための計画を秘密裏に進めるが、行動直前に嬴政(えいせい)が再び策略を巡らし、無知を装って協力を拒否する。しかし、実際にはすべてを裏で操っていた。
命運の分岐点
まさに一触即発の事態となった時、嫪毐は命を落としかけるが、嬴政と趙姬が駆けつけて彼を救う。この光景に、呂不韋(りょふい)は絶望する。長年の苦労が水の泡となり、秦国の未来が危ぶまれると悟る。
咸陽の危機
咸陽では、趙姬が次々と詔書を出し、側近を秦朝の要職に就かせる。武庫や城防がすべて掌握されてしまう。咸陽は風前の灯となり、李斯(りし)は嬴政の策略の危険性を強く感じる。
冬児(とうじ)と離秋の決意
冬児(とうじ)は咸陽に残って扶蘇と運命を共にすることを決意する。彼女の決意に嬴政は心を打たれるが、離秋の到着によって心が揺れる。離秋は扶蘇の側にいたいと思うが、国礼を考慮して去ることを選ぶ。冬児(とうじ)は黙って退き、涙に複雑な感情が浮かぶ。
王璽の行方
権力闘争の暗流の中で、呂不韋は王璽を趙姬に託す。本来は嬴政に渡すつもりだったが、嫪毐は背後で喜び、赢虞(えいぐ)を利用してさらなる野心を企む。赢虞(えいぐ)の陰謀により、この内乱はさらに複雑さを増し、咸陽の空は厚い雲に覆われる。
第43話の感想
第43話は、秦国内の権力闘争が激化し、緊張感あふれる展開となりました。嫪毐と趙姬の謀反、呂不韋の策謀、嬴政の決断など、様々な思惑が交錯し、目が離せない内容でした。
特に印象的だったのは、嬴政と趙姬の親子関係です。趙姬は嫪毐への愛情から嬴政を裏切ろうとしますが、嬴政は最後まで趙姬を救おうとします。この複雑な親子関係は、物語に深みを与えていました。
また、呂不韋の苦悩も描かれていました。彼は秦国の未来を憂い、嫪毐を排除しようとしますが、趙姬との関係に苦しみます。呂不韋の葛藤は、物語にリアリティを与えていました。
つづく