始皇帝 天下統一 第45話 あらすじ/ネタバレ

夜が訪れ、章台宮は陰鬱な空気に包まれます。嫪毐(ろうあい)の反乱軍の鉄蹄が、王権の象徴である宮殿を容赦なく踏み躙ります。樊於期(はんおき)率いる勇士たちは、怒涛の中の岩礁のように、反乱軍の猛攻に必死に抵抗します。しかし、反乱軍は勢いづき、李斯(りし)邸に侵入します。空虚な邸内には、まだ暖かい竈が残されており、慌てて逃げ出した様子がうかがえます。反乱軍は、李斯(りし)とその家族が遠くへ行っていないと判断し、精鋭部隊を派遣して根絶やしにしようとします。

一方、蒙恬と李信は郿県で偶然出会います。彼らは驪山大営が嫪毐(ろうあい)の側近に掌握され、蒙武が人質になっていることを知り、事態の急迫さを痛感します。一刻の猶予も許されない状況の中、二人は雍城を目指して出発し、この驚天動地の事態を秦王嬴政(えいせい)に報告することを誓います。

章台宮内は混乱に陥ります。宮女の小妍(しょう けん)と寺人は、幼い公子扶蘇を必死に守り、押し寄せる反乱軍に立ち向かいます。彼らは、冬児(とうじ)に扶蘇を連れて逃げるように指示します。秦王への深い愛情を抱く冬児(とうじ)は、その重責を背負いますが、逃亡中に嫪毐(ろうあい)と遭遇してしまいます。彼女は扶蘇を守るために、自らを盾にして致命の一撃を受けます。最期に、彼女は過去の思い出と後悔のない決意を目に浮かべ、「政のために死ねるのは、私の幸せです」と告げます。

樊於期(はんおき)は宮殿内で反乱軍と戦い、地形と知恵を駆使して何度も危機を脱します。李信と蒙恬は、郿県の民衆の強力な支援を受けて、忠誠心あふれる義勇軍を迅速に編成し、大秦を守り、君主を救出することを誓います。

雍城の朝堂では、李斯(りし)が緊急に戦況を報告します。嬴政(えいせい)は反乱軍の迫り来る脅威に直面しても、冠礼を予定通りに執り行うことを主張し、一代の君主としての揺るぎない決意と落ち着きを示します。郿県の民衆による救出劇に感動した嬴政(えいせい)は、反乱が鎮圧された後、功績のあった者には必ず報いると約束します。

名将である王翦(おうせん)とその息子は、無断出兵の死罪を覚悟の上で兵を率いて出征し、大王と国家を守ることを誓います。渭陽君(いようくん)らもそれに倣い、皇城に潜入して公子扶蘇を救出し、大秦の安寧を取り戻すことを決意します。

甘泉宮では、嫪毐(ろうあい)の突然の出現が、束の間の平穏を打ち破ります。小妍(しょう けん)の勇敢な抵抗は、嫪毐(ろうあい)の暴行を阻止することはできませんでしたが、扶蘇の逃亡時間を稼ぐことができました。最終的に、樊於期(はんおき)らの尽力により、扶蘇は危機を脱します。この血と火の戦いで、無数の忠臣が命を落とし、彼らの名は永遠に大秦の歴史に刻まれることでしょう。

反乱軍が徐々に包囲されていくにつれて、咸陽の情勢も好転していきます。芈啓と芈顛は、大王の詔書を携えて、全市民に反乱軍の嫪毐を一緒に討伐するよう呼びかけます。渭陽君(いようくん)らも積極的に応じ、この反乱を自らの手で終結させ、大秦の未来に忠誠と熱意を捧げることを誓います。

第45話の感想

第45話は、緊張感と感動が入り混じった素晴らしいエピソードでした。反乱軍が章台宮に侵入し、宮殿内は混乱に陥ります。樊於期(はんおき)や冬児(とうじ)、小妍(しょう けん)など、多くのキャラクターが命を懸けて戦い、その姿は胸を打つものがありました。

特に印象に残ったのは、冬児(とうじ)の最期です。彼女は扶蘇を守るために自らを犠牲にし、その決意と忠誠心には涙を禁じ得ませんでした。また、李信と蒙恬が義勇軍を率いて戦うシーンも熱く、大秦の未来を背負う彼らの勇姿に感動しました。

一方、嫪毐の残虐さや、王翦(おうせん)や渭陽君(いようくん)らの決意など、物語をより奥深いものにする要素も満載でした。このエピソードは、始皇帝 天下統一の物語をさらに盛り上げる重要な役割を果たしており、今後の展開がますます楽しみです。

つづく