始皇帝 天下統一 第49話 あらすじ/ネタバレ

夜が訪れ、咸陽の街には灯火がともり、呂不韋(りょふい)の屋敷は明るく輝いていた。彼は秦の未来を見据えた数箱の竹簡に、自らの思いを込めて書き記していた。それは、若い秦王嬴政(えいせい)への最後の贈り物となる。

馬車がゆっくりと走り出すと、咸陽の民衆は自発的に道端に集まり、手を振って別れを告げたり、祝福の言葉をささやいたりした。その光景に、呂不韋(りょふい)は秦の人々からこのような扱いを受け、この上ない幸せを感じた。

城門の外では、姚賈、王绾(おうかん)、蒙武、芈宸などの重臣たちが呂不韋(りょふい)を見送るために厳粛に立っていた。嬴政(えいせい)は城門の上に立ち、遠くへ行く馬車を見つめながら、呂不韋(りょふい)の長年の教えと陪伴を思い出していた。

芈華夫人は、幼い扶蘇が仲父の旅立ちを悲しんで泣き止まないと告げた。嬴政(えいせい)はそれを聞いて、すぐに蒙毅に扶蘇を連れてくるように命じ、自らの宝物である玉珏を蒙毅に託し、呂不韋(りょふい)への敬意と感謝の気持ちを表した。

呂不韋は旅立つ前に、滅六国の戦略を綿密に計画し、奏折に書き記して李斯(りし)に託した。彼は李斯(りし)に、必ず大王に伝えるようにと念を押した。六国を滅ぼすという大事業を成し遂げるためには、六国に口実を与えないようにし、宗室と外客の微妙な関係をうまく処理し、嬴政(えいせい)の心のわだかまりを解き、太后を迎え入れて国を安泰にする必要があると強調した。

呂不韋が立ち去ろうとしたその時、蒙毅が扶蘇を連れて駆けつけた。幼い扶蘇の泣き声と寂しそうな表情に、権力を握っていた相邦も心を動かされた。彼は優しく扶蘇をなだめ、玉珏を受け取り、人々の敬意に満ちた「相邦を送ります」という声に送られて、旅に出た。

嬴政(えいせい)は呂不韋の去り行く背中を見送り、先王と仲父の遺志を継ぎ、六国を滅ぼして天下を統一するという決意を新たにした。

一方、贏杰(えいかつ)は水利事業で驚くべき発見をした。彼は鄭國が水路の建設の背後で汚職を行っているのではないかと疑い、さらに鄭國が韓國のスパイとして秦を混乱させようとしているのではないかと心配した。

嬴政は呂不韋の策を熟知しており、敵を知り己を知れば百戦危うからずという言葉を理解していた。そこで、人口、兵力、農事備蓄など、六国の国力を徹底的に調査するよう命じ、王绾(おうかん)らに精算師を集めて滅国計画を正確なデータで支えるように命じた。鄭國事件の発生は、秦の朝廷をさらに混乱に陥れた。

贏杰(えいかつ)の部下の予期せぬ発見により、鄭國の正体が明らかになった。渭陽君(いようくん)は自ら介入し、鄭國を尋問した。宗室の怒りと渭陽君(いようくん)の疑惑に直面した嬴政は、深く考え込んだ。彼は、外客と宗室の争いは秦の未来を左右するものであることを知っていた。

そして、彼は衝撃的な詔勅を発した。外客は3日以内に秦を去らなければならないという内容だった。これは、宗室への圧力に対する対応であり、同時に各勢力の動向を密かに観察するためのものであった。

蒙毅は命を受けて詔勅を蒙恬に届け、外客を追い出す命令を実行した。宗室は、隗状(かいじょう)や李斯(りし)などの外客が去ったことで歓喜し、朝政が自分たちの手に取り戻されると考えた。しかし、渭陽君(いようくん)は冷ややかにそれを眺め、勤勉に政務を行うことを忘れないようにと忠告した。大王に退却と前進の計略で欺かれないようにするためである。

廷尉府は、外客が追放されたことで空虚で寂しい雰囲気になった。渭陽君(いようくん)は管理の責任を宗室に任せるしかなかった。これは、秦がより深い変革と試練を迎える前兆であった。

嬴政は権力の頂点に立ち、足元の道を眺めながら、未来への確固たる信念と世の中の無常に対する深い不安を感じていた。しかし、彼はどんなに困難な道であっても、六国を統一するという偉大な夢を実現するまで、前に進み続けると心に決めていた。

第49話の感想

第49話は、呂不韋の旅立ちと秦の未来を予感させる重要な回でした。呂不韋の秦への貢献と嬴政への深い愛情が描かれ、彼の決断が秦の行く末に大きな影響を与えることが示唆されました。

また、鄭國事件は秦の内部対立を浮き彫りにし、外客と宗室の争いが激化していく様子が描かれました。嬴政は決断力と先見の明を示しましたが、今後の課題も山積しています。

キャラクター一覧

    ##已有
  • 呂不韋 (呂不韋)
  • *** ##已有
  • 嬴政 (えいせい)
  • *** ##已有
  • 芈華夫人 (びかふじん)
  • *** ##已有
  • 扶蘇 (ふそ)
  • *** ##已有
  • 蒙毅 (もうき)
  • *** ##已有
  • 姚賈 (ようか)
  • *** ##已有
  • 王绾 (おうわん)
  • *** ##已有
  • 蒙武 (もうぶ)
  • *** ##已有
  • 芈宸 (びしん)
  • ***
  • 贏杰 (えいけつ)
  • 鄭國 (ていこく)
  • ##已有
  • 渭陽君 (いようくん)
  • *** ##已有
  • 隗状 (かいじょう)
  • *** ##已有
  • 李斯 (りし)
  • ***

つづく