始皇帝 天下統一 第53話 あらすじ/ネタバレ
魏国を制圧した秦は、短期間の平穏を迎える。しかし、その水面下では暗流が渦巻いていた。天下統一という壮大な目標を達成するため、秦は次にどの国を攻めるべきか、朝野で議論が白熱する。
名将・王翦(おうせん)は、秦軍の威を示すため、六国の中で最も強大な趙を攻めるべきだと主張する。一方、李斯(りし)と嬴傒(えいけい)は、腹背の敵を避けるために、まずは秦にとって脅威となる韓国を攻めるべきだと考える。
この議論の中で、嬴傒(えいけい)と羋啓は、嬴政(えいせい)が趙に対して抱く深い憎しみが、彼の判断を曇らせ、趙への攻撃を急がせるのではないかと懸念を抱いていた。彼らは、嬴政(えいせい)の心を解きほぐすために、太后?趙姫(ちょうき)を雍から咸陽に迎えるべきだと考える。
一方、邯鄲の龍台宮では、外交の失敗に怒りを燃やす趙王偃(うえん)が、秦への対抗策として、趙姫(ちょうき)を雍から邯鄲に連れ戻すことを提案する。これは、秦への挑発であり、嬴政(えいせい)の心理状態を探るための巧妙な策略だった。
春が訪れ、本来であれば趙姫(ちょうき)が春服を縫う時期だったが、嫪毐(ろうあい)の乱の影響で離秋がその役目を担っていた。芈華と離秋は、趙姫について嬴政の真意を探ろうとするが、嬴政は激怒し、二度と趙姫について話すことを禁じる。しかし、嬴政は咸陽への帰路、趙高(ちょうこう)に上等の楚錦を雍に送るよう命じる。
数日後、朝議では再び韓と趙のどちらを攻めるべきか議論が白熱する。李斯(りし)は、燕を利用して趙を牽制しつつ、韓を攻めるべきだと主張する。一方、王翦(おうせん)は、趙の力を削いでから攻めるべきだと主張する。両者の意見は対立し、嬴政は深く考え込む。
その頃、邯鄲では、趙王偃(うえん)が郭開(かくかい)に趙姫を趙に連れ戻すよう命じていた。郭開(かくかい)は変装して雍に向かうが、秦国内で様々な障害に遭遇する。かつて郭開(かくかい)から賄賂を受け取った秦の外交官?陳馳(ちんち)は官職に復帰しており、郭開の行く手を阻む。
一方、斉の使者?茅焦が秦を訪れる。彼は嬴政の威厳を恐れずに太后?趙姫について直言し、嬴政の怒りを買う。茅焦は烹殺されそうになるが、李斯(りし)が命懸けで嬴政を説得し、茅焦の死罪は免れる。
この一連の出来事は、嬴政の知恵と度量を試すだけでなく、朝野に天下統一への深い考察をもたらした。嬴政の葛藤と決断は、今後の物語に大きな影響を与え、今後の展開がますます期待される。
第53話 感想
第53話は、天下統一に向けた秦の戦略が大きく動く重要なエピソードでした。趙攻めを主張する王翦(おうせん)と、韓攻めを主張する李斯の意見が対立し、嬴政の決断が注目されます。また、趙姫を巡る嬴政の複雑な心情も描かれ、今後の展開に期待が高まります。
特に印象的だったのは、嬴政の葛藤と決断です。彼は趙に対して深い憎しみを抱いていますが、同時に太后である趙姫を大切に思っています。この相反する感情が、彼の判断を揺さぶっている様子がリアルに描かれていました。
また、李斯と嬴傒(えいけい)の策略も興味深かったです。彼らは、嬴政の心を解きほぐすために、趙姫を雍から咸陽に迎えるべきだと考えます。果たして彼らの策略は成功するのでしょうか?
つづく