始皇帝 天下統一 第67話 あらすじ/ネタバレ

数日経ち、古風な轺車が新鄭の西門からゆっくりと出て行く。まるで荒れ狂う世の中の波間に揺れる小舟のように、秦の函谷関へと向かっている。道中、故郷を離れ秦の土地で活路を求めようとする民衆が溢れかえっていた。韓非は彼らの姿を見て心を痛め、車から降りて流暢な言葉で説得を試みる。危険な旅を思いとどまらせ、引き返して命を保つように説得する。

しかし、彼の行動は事態を悪化させる結果となる。秦軍の怒りを買い、民衆の中には密告者がいたため、韓非は秦軍の追跡を受けることになる。険しい崖っぷちで、忠実な馭者は主人を守るために命を落とす。生死をさまよう中、韓非はかつての同窓生である李斯(りし)と再会する。二人は言葉を交わし、胸に去来する思いを長いため息に込める。

李斯(りし)は、秦が天下を統一することは歴史の流れであり、嬴政(えいせい)は天命を受けた君主であることを理解している。韓非の才能と鋭さは、最大の敵であり友でもあると考える。李斯(りし)は、秦の宮廷は暗流が渦巻く危険な場所であり、軽率な行動は嬴政(えいせい)の怒りを買う可能性があると忠告する。

一方、姚賈は秦王嬴政(えいせい)に謁見し、韓非を処刑して後顧の憂いを絶つべきだと進言する。嬴傒(えいけい)は韓非の才能を惜しむものの、大局を考慮して幽閉を提案する。咸陽に到着した韓非は、章台宮で嬴政(えいせい)と対面する。緊張した雰囲気の中、韓非は天下の大勢と君主の道を堂々と論じ、嬴政(えいせい)を感心させる。嬴政は韓非に豪華な衣服と馬車を贈るが、韓非は韓の宗室であることを理由に辞退する。

趙、楚、魏、韓の四国が合従を結んだという知らせがもたらされる。嬴政は姚賈を四国に派遣し、彼らの企てを阻止するよう命じる。韓非は趙佾(ちょういつ)に手紙を送り、姚賈の行動を阻止するよう要請する。李斯(りし)は、姚賈の狡猾さを知っており、韓非の行動は自滅行為だと危惧する。

趙佾(ちょういつ)は手紙を受け取り、姚賈を阻止しようとするが失敗する。姚賈は韓非の策略を見破り、龍台宮で趙王と面会する。一方、嬴政は群臣と協議し、最初の攻撃目標として韓国を選択する。韓非はこれを聞き、単身で殿内に入り、群臣と議論して韓国存続の利益を主張する。

朝議の後、李斯(りし)は韓非が自身の安全を顧みず、秦王の意志に逆らったことを叱責する。李斯は、嬴政が韓非の才能を認めたとしても、異心を許すことはないことを理解している。韓非は自らの信念を貫き、祖国を守ることを誓う。

姚賈は趙で趙王と郭開(かくかい)を仲違いさせることに成功し、韓非に警告を発する。韓非が鋒芒を収めなければ、自滅するだろうと告げる。寧騰(ねいてい)は邯鄲城外で姚賈と密会し、秦王に協力して天下統一を目指すことを決意する。

嬴政は李斯らの策謀に従い、外交手段で六国の反応を探る。韓非は嬴政の意図を察知し、韓王安に密書を送り、南陽の守備を強化して自衛するよう命じる。姚賈は新鄭に駐在し、関東方諸国の動向を注視する。韓国は緊張状態に陥り、備戦が進められる。寧騰(ねいてい)は南陽の守備の座を獲得するため、姚賈に助言を求める。より複雑な権謀術数の戦いが幕を開ける。

歴史の風雲急を告げる中、韓非、李斯、姚賈たちの運命は交錯する。彼らはそれぞれ理想と信念を抱き、時代の潮流の中で奮闘し、自分たちの伝説を刻んでいく。

第67話 感想

第67話は、韓非が秦に足を踏み入れ、歴史の大きなうねりに巻き込まれていく様子が描かれた、緊迫感あふれるエピソードでした。

韓非の民衆への説得や、秦軍との追跡劇は、彼の正義感と危機感が伝わってくるシーンでした。また、李斯との再会は、二人の友情とそれぞれの立場が浮き彫りになり、今後の展開が気になります。

嬴政との対面は、韓非の才知と信念が垣間見える場面でした。韓非が秦の礼を辞退するシーンは、彼の気骨を感じさせました。

姚賈の狡猾さや、寧騰(ねいてい)の野心など、各キャラクターの思惑が交錯し、今後の展開がますます予測不可能になってきました。

韓非は、秦の天下統一を阻止するためにどのような行動をとるのか、李斯は韓非をどのように導くのか、そして、姚賈の策略は成功するのか、今後の展開が楽しみです。

つづく