始皇帝 天下統一 第9話 あらすじ/ネタバレ

戦国の激動の中で、秦国は雷のような勢いで歴史のページを塗り替えていきます。呂不韋(りょふい)は巧妙な策略で「五万の秦軍が東進する」という偽情報を各国に流布し、諸侯たちの警戒を解き、失地奪還競争に誘い込みます。機が熟すと、蒙驁将軍率いる精鋭部隊が猛虎のように攻め込み、鞏邑を陥落させます。東周君(とうしゅうくん)は抵抗できず、裸身で百官を連れて跪いて降伏し、東周王朝は滅亡します。これにより、周朝の800年にわたる栄光は終わりを告げ、新しい時代が幕を開けます。

紀元前248年、秦の軍勢は東進を続け、趙、韓、魏の三国は次々と城池を失います。三川郡と太原郡の設置により、秦の勢力は中原の中心部まで浸透し、山東六国は不安に陥り、合従抗秦の声が高まります。しかし、咸陽の都は嵐の中の灯火のように落ち着いており、天命を受け、国運が隆盛であることを示しています。

春が訪れ、万物蘇る中、秦の藍田大営では弓術大会が開催されます。若い秦王嬴政(えいせい)は、蒙家兄弟を圧倒し、優勝して将兵たちの喝采を浴びます。冬児(とうじ)は、水筒の強い酒でこの勝利を盛り上げ、嬴政(えいせい)の少年らしさを垣間見せます。

華陽太后(かようたいこう)は嬴政(えいせい)を呼び寄せ、国事について話し合い、楚の今後の動きを懸念します。嬴政(えいせい)の叡智と先見の明は、華陽太后(かようたいこう)を安心させると同時に、不安も感じさせます。夜が更ける中、邯鄲の都では、趙公子偃の醜聞が話題になります。彼は酒色に溺れ、廉頗将軍に捕らえられます。趙王丹は彼の不甲斐なさに怒り、禁足を命じます。

一方、嬴政(えいせい)を標的とした陰謀が静かに進行していました。補湯に異変を感じた冬児(とうじ)は、趙姬(ちょうき)に報告します。趙姬(ちょうき)は激怒し、呂不韋(りょふい)に徹底的な調査を命じ、黒幕を突き止めようとします。呂不韋(りょふい)は責任の重大さを痛感し、鄭義(ていぎ)を齊の臨淄に派遣し、稷下学宮の祭酒(さいしゅ)である荀子(じゅんし)を探し出し、天下の英才を招いて秦の未来を盤石なものにすることを決意します。

邯鄲の都では、趙偃(ちょうえん)の結婚式が奇抜な方法で行われます。彼は冲喜の名目で、娼館で娼婦を娶り、この結婚式は邯鄲の街の話題となります。一方、稷下学宮では、李斯(りし)が深い学識と独自の視点で議論を制します。鄭義(ていぎ)の訪問が訪れ、秦国を代表して李斯(りし)に熱烈な招待状を届けます。

秦の熱意に李斯(りし)は心を揺さぶられます。彼は天下統一の壮大な志を抱くと同時に、親友の韓非子(かんぴし)を危険にさらすことに躊躇します。最終的に、韓非子(かんぴし)の説得と穆歌が咸陽で著書を執筆する機会を得たことで、李斯(りし)は秦国への旅に出ることを決意します。出発前に荀子(じゅんし)に教えを請うと、荀子(じゅんし)は「文化を統一し、天下を一家にする」という大きな目標を掲げ、未来の方向性を示します。

秦の宮廷では、嬴異人(えいいじん)の体調が悪化し、華陽太后(かようたいこう)は呂不韋(りょふい)の賢人登用を警戒し、芈氏が朝廷での地位を脅かされるのではないかと懸念します。呂不韋(りょふい)は嬴異人(えいいじん)と相談し、閲兵式を行って民心を鼓舞し、秦の強大さと団結を示すことを決意します。嬴異人(えいいじん)は兵符を呂不韋に託し、秦に新しい時代が到来することを予感させる盛大な閲兵式が幕を開けようとしています。

第9話の感想

第9話は、秦の勢力が着実に拡大していく様子と、嬴政の成長が描かれた回でした。

特に印象的なのは、藍田大営での弓術大会のシーンです。嬴政が蒙家兄弟を圧倒して優勝する姿は、彼の非凡な才能とリーダーシップを感じさせました。また、冬児(とうじ)が水筒の強い酒で勝利を盛り上げるシーンは、二人の親密な関係と、嬴政の少年らしさを垣間見せてくれました。

一方で、趙公子偃の醜聞や、嬴政を標的とした陰謀など、暗い要素も描かれていました。これらの要素は、今後の展開にどのような影響を与えるのか、気になるところです。

  • 韓非子 (かんぴし)
  • 荀子 (じゅんし)
  • 穆歌 (ぼくか)
  • 鄭義 (ていぎ)
  • つづく