恋心は玉の如き 第34話 あらすじ/ネタバレ
仙綾閣で、簡師傅が席を外し、林世顕と十一娘が二人きりになった。十一娘は徐家人として、徐令宜と徐家の気持ちを考慮しなければならないと林世顕に正直に話す。林世顕は十一娘を彼女の刺繍の前に連れて行き、彼女の素晴らしい刺繍技術を称賛し、その才能を後世に伝えるように励ます。
その瞬間、徐令宜が突然現れ、二人の会話を聞いてしまう。十一娘は徐令宜を見て喜び、彼と一緒に家に帰ろうとする。徐令宜は十一娘に先に馬車で待つように言い、林世顕と二人だけで話す。林世顕はかつて十一娘に恋心を抱いていたことを率直に認めるが、今は十一娘の立場を理解しており、彼女に二度と会わないことを約束し、仙綾閣を去る決意を表明する。徐令宜は彼の言葉を受け入れ、約束を守ることを願う。
その後、冬青が酔っ払ってしまい、臨波が彼女を屋敷まで送る。徐府では、十一娘はほろ酔いで徐令宜と一緒に部屋に戻る。徐令宜は十一娘が外で酒を飲むべきではないと思うが、十一娘は徐令宜と一緒に飲みたいと提案する。徐令宜は彼女の願いを叶え、二人は一緒に美酒を酌み交わす。十一娘は酒の力を借りて、徐令宜に子供の頃の出来事を打ち明け、徐家を大切にしたいと伝える。徐令宜は彼女を慰め、刺繍を続けることを応援すると約束する。十一娘は感動して徐令宜の胸に飛び込み、徐令宜も彼女を強く抱きしめるが、心の中には一抹の疑問が浮かぶ。十一娘の優しさは、愛からなのか、それとも罪悪感からなのか?
翌朝、二人は羅大夫人危篤の知らせを受ける。十一娘は急いで羅府に戻ると、二娘たちが帰ってきたところだった。羅少夫人は二娘に十一娘に感謝すべきだと説得するが、二娘はそれを受け入れようとしない。五娘は我慢できず、二人は言い争いになりそうになるが、羅老爷に叱責される。羅少夫人は二娘に楊姨娘を見舞うように言う。楊姨娘は病が重く、息も絶え絶えだった。彼女は前回の病気以来、羅大夫人から看病されることもなく、誰にも面会を許されなかった。今や病床に伏し、長年貯めた銀両を二娘に託した後、息を引き取る。
一方、羅大夫人も臨終の際に、十一娘に諄哥を大切に世話するようにと頼む。二娘は羅大夫人の部屋に来て、楊姨娘の死を伝える。羅大夫人は楊姨娘が先に逝ってしまったことを嘆き、その後、自身も力尽きて亡くなる。羅老爷は楊姨娘に対する自分の冷淡さと無視を悟り、自責の念に駆られる。
羅家では二人の夫人が立て続けに亡くなり、羅老爷は葬儀の準備をする気力がなかった。羅振興は頭を悩ませていた。羅老爷は長年失勢しており、朝廷には仲間も少なく、葬儀は寂しいものになるだろう。質素な葬儀にすれば、羅老爷の面目を傷つけることになるかもしれない。徐令宜はそれを知ると、徐府が葬儀を手伝うことを申し出る。羅振興は感謝し、呂姨娘の位牌について触れる。彼は呂姨娘の位牌を祠堂に祀り、正室としての待遇を受けさせたいと考えていた。しかし、十一娘は呂姨娘の位牌を自分で供養したいと申し出、呂姨娘を妾として羅家に残したくないと伝える。
徐府に戻った後、十一娘は徐令宜に駆け落ちの件を説明しようとする。彼女は当初は彼と結婚するつもりはなかったが、時間が経つにつれて、彼への気持ちが変わってきたことを正直に話す。しかし、徐令宜は彼女の言葉を聞いて失望し、十一娘の優しさは感謝と罪悪感から来るものであり、真の愛ではないと考える。十一娘は慌てて西跨院から飛び出し、徐令宜に自分の愛を伝えようとするが、徐令宜は諭哥に出会う。今日は文姨娘の誕生日なので、諭哥と一緒に文姨娘を見舞うことにした。
第34話の感想
- 林世顕と十一娘の別れ: 林世顕が十一娘への想いを断ち切り、仙綾閣を去る決意をするシーンは、切なくも美しいものでした。林世顕の十一娘への深い愛情と、彼女を尊重する気持ちがよく伝わってきました。
- 徐令宜の十一娘への疑念: 徐令宜は十一娘の優しさが愛からなのか、罪悪感からなのか、疑念を抱きます。この疑念は、二人の関係に今後どのような影響を与えるのでしょうか。
- 羅家の悲劇: 羅大夫人と楊姨娘が立て続けに亡くなり、羅家は深い悲しみに包まれます。特に楊姨娘の最期は、彼女の悲劇的な人生を象徴するものでした。
- 十一娘の決意: 十一娘は呂姨娘の位牌を自分で供養することを決意します。これは、彼女が羅家に対して強い責任感を持っていることを示しています。
- 徐令宜と十一娘のすれ違い: 十一娘は徐令宜に自分の愛を伝えようとしますが、彼は諭哥と一緒に文姨娘を見舞うため、すれ違ってしまいます。二人の気持ちはすれ違ったまま、物語は次回へと続きます。