恋心は玉の如き 第43話 あらすじ/ネタバレ

徐令宜は秦姨娘の死を悼み、深い罪悪感に苛まれていた。十一娘は彼のそばに寄り添い、慰めようと努めた。一方、靖遠侯は秦姨娘が以前漏らした情報から、王久保を疑い始め、先手を打って彼を排除しようと決意する。しかし、これは徐令宜の予想通りであり、彼はすでに王久保に警戒させていた。靖遠侯が動けば、王久保は朝廷の招安を受け入れることになる。

臨波は再び冬青を見つけ、彼女を強く抱きしめ、妻にしたいと願い出る。冬青は口では承諾しなかったものの、心は喜びで満たされ、臨波が修理した玉簪を受け取った。臨波は福建に向かう前に、十一娘に冬青と結婚したいという気持ちを打ち明ける。十一娘は冬青も臨波を好きであることを知っており、この縁談を承諾。冬青のために休暇を与え、臨波の旅立ちを祝うよう促した。

五娘は出産を控えていたが、農場は収穫期を迎えておらず、家計は苦しかった。銭書生も頭を悩ませていたが、五娘には変わらず尽くしていた。家計を改善するため、銭書生は南方の人物が大量の刺繍品を必要としていることを思い出す。彼は十一娘に相談し、十一娘は銭家を助けたいという思いと、仙綾閣を南方にも広げたいという思いから、迷わず承諾する。しかし、これは靖遠侯が仕掛けた罠だった。まもなく、京師の仙綾閣は海賊と結託して刺繍品を密輸していたとして摘発され、簡師傅が逮捕され、十一娘も連座することになる。

順天府の役人が徐府にやって来て十一娘を連行する。徐令宜は順天府に十一娘を救い出すことを約束し、彼女に私刑を加えないよう要求する。十一娘は自分が狙われていることを悟り、簡師傅に累が及ばないように、尋問の際には全ての罪を自分に被せるよう指示する。尋問中、十一娘は密輸の罪を頑なに否認し、徐令宜が指示したものでもないと主張する。靖遠侯は刑部に圧力をかけ、徐令宜に罪を認めさせるよう迫る。しかし、十一娘は罪を認めようとせず、刑部は仕方なく簡師傅を尋問する。簡師傅は拷問を受けるが、全ての罪を自分に被せる。彼女にとって十一娘は弟子であるだけでなく、家族同然の存在だったからだ。

琥珀は十一娘が捕らえられたことを知り、焦って外に様子を探りに出ようとするが、区少夫人の配下に阻まれる。区少夫人は琥珀に危害を加えようとするが、林世顕が情報を察知し、区少夫人から琥珀を救い出す。琥珀は林世顕に十一娘の救出を懇願し、林世顕は難色を示しつつも、最終的に承諾する。

徐令宜は十一娘を救うため、陳閣老に会い、事件の真相を明らかにするための時間猶予を求める。陳閣老は情勢を分析し、徐令宜に休妻の奏上文を渡し、三法司会審の際に十一娘と離縁するよう指示する。そうすれば、密輸の罪は徐家には及ばず、徐令宜が長年推進してきた開海禁政策も無事に実現できる。しかし、これを実行すれば、徐令宜は愛する妻を手放すことになる。彼は大きな苦悩に陥る。そのとき、照影が秦致遠の死を伝える。これにより、徐令宜は靖遠侯がすでに全てを仕組んでいたことを悟るのだった。

第43話の感想

第43話は、物語が大きく動く重要なエピソードでした。徐令宜と十一娘の間に訪れた危機、秦姨娘の死、臨波と冬青の恋の進展、五娘の苦境、そして十一娘の逮捕と、様々な出来事が盛りだくさんでした。

特に印象に残ったのは、徐令宜と十一娘の絆の強さです。徐令宜は十一娘を救うために苦悩し、十一娘は徐令宜を守るために罪を被ろうとします。二人は困難に直面してもお互いを信じ合い、支え合う姿に感動しました。

また、臨波と冬青の恋の進展も微笑ましいものでした。臨波の冬青への一途な思いと、冬青の臨波への信頼が伝わってくるシーンでした。

一方で、五娘の苦境には心が痛みました。農場の経営がうまくいかず、出産も控えている中で、家計を支えるために奮闘する姿は胸を打ちました。

そして、十一娘の逮捕は物語に大きな波紋を投げかけました。靖遠侯の策略によって陥れられた十一娘の無実を証明し、徐令宜は彼女を救い出すことができるのか、今後の展開が気になります。

つづく