柳姨娘(りゅういろう) からの密告で、二夫人韓氏 (かんし)が毎月 邰英寺 に通っており、真厳大師(しんげんだいし) と親密な関係にあるという噂を聞いた 秋嫣(しゅうえん) は、半信半疑ながらも真相を確かめるため、韓氏の居室を調べます。そこで、重要な手がかりを発見します。

夜になり、祠堂を訪れた秋嫣(しゅうえん)は、父親である 秋老爺 に対峙します。床の下から見つけた 玉珏 の破片と 紅花湯薬 の痕跡を突きつけ、韓氏を疑い闇害を企てたと糾弾します。真厳大師(しんげんだいし)が亡くなった今、秋嫣(しゅうえん)は父親の軽率な行動を責め、母親が彼を深く愛していたことを思い出させます。

秋嫣(しゅうえん)は、母親が愛していたのは 秋宜(しゅうぎ) であり、その証拠として邰英寺の祈願牌を挙げます。そこには、母親が秋宜(しゅうぎ)への切なる願いが綴られていました。驚愕した秋宜(しゅうぎ)は、すぐに秋嫣(しゅうえん)を柴房に閉じ込め、真相究明を阻止しようとします。

林昌之(りんしょうし) の奏上により激怒した皇帝は、元阆(げんろう) に秋家の捜索を命じます。梁翊(りょうよく)は緊急入宮を試みますが、皇帝に謁見することはできず、郭貴妃(かくきひ) に助けを求めます。梁翊(りょうよく) は、秋家との婚約解消と、総章衙門による事件の徹底調査を提案します。一方、秋宜(しゅうぎ)は密かに秋嫣(しゅうえん)と秋珉(しゅうみん)の逃亡を手配します。

劈柴処 の介入により、元阆(げんろう)の陰謀は頓挫します。彼はわざと秋嫣(しゅうえん)と秋珉(しゅうみん)の逃亡ルートを確保し、梁翊(りょうよく) を失脚させようと企みます。しかし、梁翊(りょうよく) は先手を打ち、秦暄(しんけん) の邸宅で秋嫣(しゅうえん)と秋珉(しゅうみん)を救出します。

秋家は瞬く間に牢獄と化します。秋老夫人(しゅうろうふじん) は潔白を主張しますが、秋荻(あきおぎ) は自らの身を守るため、米氏(べいし) が仕掛けた「狸猫換太子」の計略を暴露します。激怒した 秋宏(あきこう) に対し、米氏(べいし)は絶望のあまり自殺を図ります。

元阆(げんろう)は、秋家の男丁を投獄し、女眷を教坊司に送ります。梁翊(りょうよく) は女眷の貞操を守るため、教坊司の 王嬷嬷(おうまま) と交渉し、彼女たちを肉体労働に従事させます。婚約破棄を知った秋嫣(しゅうえん)は、梁翊(りょうよく) に薄情であると非難します。梁翊(りょうよく) は淡々と対応し、その冷淡な態度に元阆(げんろう)も驚愕します。

教坊司の後院で粗末な衣服に著替えさせられた秋家女眷たちは、生活の変化に戸惑いを隠せません。秋嫣(しゅうえん)は機転を利かせ、先に衣服を選び、秋珉(しゅうみん)の適応を助けようとしますが、四妹の 秋璎(しゅうよう) に妨害されます。汪順(おうじゅん)の助けで何とか事なきを得ますが、汪順(おうじゅん)は女眷たちへの忠告を怠りません。

夜になり、狭い寝床に身を寄せた女眷たちは、複雑な思いを抱えて眠りにつくことができません。翌朝、王嬷嬷(おうまま)は労働を割り当てます。秋嫣(しゅうえん)と秋珉(しゅうみん)は、過去の行動が評価されて比較的楽な仕事を与えられます。一方、秋玫(しゅうばい)と秋璎(しゅうよう)は汪順(おうじゅん)の怒りを買い、水を汲んだり便器を洗ったりする仕事を命じられます。

元阆(げんろう)は、秋宜(しゅうぎ)を牢獄に連れ戻し、秋家の兄弟の自白書を証拠に、汚職をでっち上げます。秋宜(しゅうぎ)は潔白を主張しますが、元阆(げんろう)は秋宜(しゅうぎ)に梁翊(りょうよく) の指示に従ってすべてを認めるように強要します。そうしなければ、秋家は滅亡するだろうと脅迫します。

秦暄(しんけん) は苦労の末、秋嫣(しゅうえん)に手紙を届けます。彼の深い愛情に心を乱される秋嫣。秋珉(しゅうみん)は、秋家の没落を理由に秦暄(しんけん) との関係を断つべきだと忠告しますが、秋嫣は感情は心のままにすべきだと考えます。

第16話の感想

第16話は、怒涛の展開が続く衝撃的なエピソードでした。秋嫣の機転と行動力、そして梁翊(りょうよく) の冷静さと策略が光る一方で、秋家の崩壊と女眷たちの悲惨な運命が描かれ、胸が締め付けられる思いです。

特に印象的なのは、秋嫣と秋宜(しゅうぎ)の対峙シーンです。秋嫣は母親の真意を理解し、秋宜(しゅうぎ)を庇おうとしますが、秋宜(しゅうぎ)は秋嫣を柴房に閉じ込めてしまいます。秋宜(しゅうぎ)の苦悩と葛藤が伝わってくる切ないシーンでした。

また、教坊司での女眷たちの描写も印象的です。彼女たちは、慣れない環境と屈辱的な扱いを受けながらも、必死に生き抜こうとする姿が描かれています。秋嫣の機転と汪順(おうじゅん)の助けで、何とか難を逃れますが、秋玫(しゅうばい)と秋璎(しゅうよう)の悲惨な運命は、秋家の没落を象徴する出来事です。

つづく