秋家の風雲急を告げる中、家族の他の女性たちが必死に名誉を守ろうとする一方で、秋嫣(しゅうえん)は運命の渦に巻き込まれ、教坊司の門をくぐることを余儀なくされました。避けられない現実を前に、彼女は秦暄(しんけん) を累わせないようにと、彼との関係を断ち切ることを決意しました。その決意の背後には、深い無念と犠牲が隠されていました。
ある酔った夜、秋嫣(しゅうえん)は梁翊(りょうよく) を誤って秦暄(しんけん) と間違え、アルコールの作用で感情の閘門が悄然と開かれました。彼女は、この意外な「故人」に心の内なる罪悪感と苦しみを吐露しました。梁翊(りょうよく) は言葉で答えることはありませんでしたが、彼女を部屋に連れ戻そうとした際に、二人は不注意で肌が触れ合ってしまいました。この場面を秋珉(しゅうみん)が目撃し、一連の誤解と騒動を引き起こしました。
別れ際に、梁翊(りょうよく) は温情と責任感を見せ、王嬷嬷(おうまま)に多額の銀票を残し、1ヶ月間秋嫣(しゅうえん)を客として扱わないよう厳命しました。これは、秋嫣(しゅうえん)に対する保護であることは間違いありません。金に目がくらんだ老鸨は、当然のことながら快諾し、このことはすぐに永明侯(えいめいこう)府に伝わりました。
秋嫣(しゅうえん)の身に起こったことを聞いた秦暄(しんけん) は、万感の思いを抱きながらも、彼女にはきっと事情があると信じ、梁翊(りょうよく) に対する推測は表面的なもので、彼は付け入るような人物ではないと考えていました。しかし、秋珉(しゅうみん)の仮応は正仮対でした。彼女は秋嫣(しゅうえん)の行動に憤慨し、秦暄(しんけん) を裏切ったと責め、その言葉には失望と非難が込められていました。秋嫣(しゅうえん)は説明しようとしましたが、秋珉(しゅうみん)の言葉に心を痛め、最終的には沈黙を選び、自嘲に近い形で自分の「愛財」と「忘義」を認めました。
一方、梁翊(りょうよく) は秋家の横領事件の調査を進めており、胡万(こまん)が薪割り場で真相を吐露するよう巧妙に仕向けました。その背後には、元阆(げんろう)がいました。元阆(げんろう)は、胡万(こまん)をわざと暴かせて、梁翊(りょうよく) の手に証拠を握らせ、皇帝の怒りを買わせるつもりでした。しかし、梁翊(りょうよく) はそんなことはお見通しで、元阆(げんろう)の策略を見抜き、密かに計画を立てていました。
ある夜、林昌之(りんしょうし)は教坊司で盛大な宴会を開きました。秋嫣(しゅうえん)はこれを機に近づき、情報を引き出そうとしました。林昌之(りんしょうし)の好色な本性が露呈し、秋嫣(しゅうえん)に何度も酒を勧めました。その時、梁翊(りょうよく) が現れ、電光石火の勢いで林昌之(りんしょうし)の不埒な行為を阻止し、秋嫣(しゅうえん)に自分の嫉妬と愛情を伝えました。この突然の「争風喫醋」は、実は梁翊(りょうよく) が秋嫣(しゅうえん)を守るために綿密に計画したものであり、元阆(げんろう)に明確なメッセージを送るためのものでした。
事後、梁翊(りょうよく) は秋嫣(しゅうえん)に胡万(こまん)の証言を明かし、彼女の目の前で破棄しました。これは、聖意に触れるのを避けるためであり、また秋嫣に自分が真相究明のために努力していることを伝え、安心してもらいたいという気持ちからでした。秋嫣は複雑な思いを抱きながらも、梁翊(りょうよく) の真心と努力を感じ取っていました。
一方、秋珉(しゅうみん)の身に起こったことはさらに心を痛めるものでした。彼女は病気中に汪順(おうじゅん)に襲われ、絶望の淵に立たされましたが、秋嫣の励ましを思い出し、ついに勇気を振り絞って、もう弱くはならない、姉よりも強くなると決意しました。師小小(ししょうしょう)は秋嫣が寵愛されていることを妬んで、彼女と秋家の女眷を僻地の小院子に配属しましたが、このことが逆に秋嫣に秋珉(しゅうみん)の異変に気づかせ、妹を守る決意をさらに固めました。
権力と感情が交錯するこの中で、誰もが生き残りをかけて、尊厳をかけて苦悩しています。秋嫣と梁翊(りょうよく) は、誤解から理解へと、そして互いに支え合う関係へと、風雨の中で徐々に深まり、お互いに最も頼りになる存在となりました。そして、秋珉(しゅうみん)の覚醒は、この家族に新しい希望と力を与えました。
第19話感想
第19話は、秋嫣と梁翊の関係に大きな進展があった回でした。秋嫣の誤解が解け、梁翊の真心を知り、二人は互いに支え合う関係になりました。また、秋珉(しゅうみん)の覚醒も描かれ、この家族に新しい希望が生まれたことを感じさせました。
秋嫣は、運命の渦に巻き込まれ、教坊司の門をくぐることになりました。しかし、彼女は秦暄(しんけん) を巻き込まないために、彼との関係を断ち切ります。この決意は、彼女の強い意誌と犠牲の精神を表しています。
つづく