秋家が危機に陥る中、家族の女性たちは団結するどころか、些細なことで争いが絶えず、秋の葉のように散らばっていた。秋嫣(しゅうえん)は、家族の清流として立ち上がり、逆境においてこそ一緻団結して道を切り開くべきだと説得する。しかし、彼女の行動の裏には、薄闇い壁を利用して外界と連絡を取り、脱出する計画を立てるという私心があった。

一方、秋璎(しゅうよう)は生活に困窮し、前厅の王嬷嬷(おうまま)に懇願して客を取ることで生き延びようと考える。しかし、美貌が認められず拒否されてしまう。この場面を、思慮深い元阆(げんろう)が目撃し、秋璎(しゅうよう)を傘下に収め、情報と引き換えに将来の成功を約束する。秋璎(しゅうよう)は欲に駆られ、梁翊(りょうよく) が秋家を救出する計画をすべて元阆(げんろう)に漏らし、後の混乱の伏線となる。

約束の救出日が訪れると、元阆(げんろう)は秋嫣(しゅうえん)たちを捕らえることができると思っていたが、馬車の中には師小小(ししょうしょう)しかいなかった。これは、虎を山から誘い出す計略だったのだ。秋嫣(しゅうえん)は他の女性たちと相談し、秋璎(しゅうよう)を利用して偽情報を伝え、梁翊(りょうよく) は宋錦(そうきん)に馬車を運転させて守備の注意をそらし、秋嫣(しゅうえん)たちは糞車に隠れて巧みに検査を回避し、静かに去っていった。

元阆(げんろう)は激怒し、すべての通路を封鎖したが、それでも秋家の女性たちの脱出を阻止することはできなかった。翌日、船が沈没したという悲報が伝わり、女性たちは船と一緒に水底に沈んだと思われた。ただ、顔のわからない遺体が一つ見つかり、秋嫣(しゅうえん)と間違えられた。秦暄(しんけん) は知らせを聞いて駆けつけ、悲しみを堪えて遺品を確認すると、おなじみの烏木の髪飾りが不幸を確信させた。しかし、元阆(げんろう)は疑念を抱き、捜査を続けるが、何も見つからなかった。

実は、秋家の女性たちは難を逃れており、一見荒唐無稽な場所である精神病院に身を潜めていた。柳姨娘(りゅういろう)は遺品を整理していると、秋珉(しゅうみん)が残した手紙を発見する。そこには現状への絶望と脱出への願望が綴られており、秋珉(しゅうみん)がすでに自害したと勘違いした人々は焦り始める。秋嫣(しゅうえん)は危険を顧みず、妹を探すために街に戻り、商隊に紛れ込むが、途中で予期せぬ出来事に遭遇する。幸いなことに、梁翊(りょうよく) がすぐに助けに来て、二人は鶴鳴楼に逃げ込むが、再び元阆(げんろう)に包囲されてしまう。

危機に陥った梁翊(りょうよく) と秋嫣(しゅうえん)は、視線を惑わすために偽の親密な芝居を演じる。秋嫣(しゅうえん)は「蘇意婉(しいえん)」という偽名を使い、有名な歌姫の神秘的な身分を利用して、人々を惑わすことに成功する。佟大人(とうたいじん)の登場は、この芝居に権威を与え、彼は真実を知っていながらも、梁翊(りょうよく) の危機を救うために協力する。最終的に、元阆(げんろう)は証拠不十分と梁翊(りょうよく) の断固たる態度により、追跡を一時的に断念せざるを得なくなる。

一方、秋珉(しゅうみん)は秦暄(しんけん) に接触し、秋嫣(しゅうえん)が生きていることを知りながら、私心から船の沈没を認める。秦暄(しんけん) は自責と迷いの中で、秋珉(しゅうみん)の優しさに惑わされ、二人の間に不適切な感情が芽生えてしまう。この複雑な感情の絡み合いは、さらに複雑な色合いを帯びていく。

第20話の感想

第20話は、策略と裏切りが交錯するスリリングな展開で、目が離せない内容でした。秋家の人々の運命が大きく動き、それぞれの思惑が絡み合って、物語はさらに複雑さを増しています。

特に印象的だったのは、秋嫣(しゅうえん)の機転と勇気です。彼女は家族を救うために、巧みな策略を駆使して脱出を成功させました。また、梁翊(りょうよく) との偽の親密な芝居も、元阆(げんろう)を欺くための素晴らしい演技でした。

一方、秋璎(しゅうよう)は私利私欲のために梁翊(りょうよく) の計画を漏らし、大きな過ちを犯してしまいました。彼女の行動は、家族に対する裏切りであり、今後の展開が気になるところです。

また、秦暄(しんけん) と秋珉(しゅうみん)の関係にも注目です。秋嫣(しゅうえん)が生きていることを知りながら、秦暄(しんけん) は秋珉(しゅうみん)に惑わされてしまいました。二人の関係は、今後どのような方向に進んでいくのでしょうか。

つづく