一族の内外からの苦境に立たされ、秋嫣(しゅうえん)は類まれな勇気と知恵を発揮した。皆の士気が下がっているのを見て、彼女は毅然として一族の希望の象徴である玉の扳指を見せた。これは秋老夫人(しゅうろうふじん)から受け継いだもので、一族を苦境から救い出すという大きな願いが込められていた。女眷たちはそれを見て、過去の栄光を思い出し、希望の炎を再び燃やし、共に困難を乗り越え、秋家の威光を取り戻そうと誓った。
一方、元阆(げんろう)の疑念は日に日に深まっていた。彼は梁翊(りょうよく) が陰謀を企てていると確信しており、特に登仙珠の出現は、この件が秋家と無関係ではないことを確信させた。さらに、梁翊(りょうよく) がすでに「玄女(げんじょ)」の候補を密かに用意しているのではないかと疑っていた。真相を探るため、元阆(げんろう)は青黛(せいたい)と繡玉(しゅうぎょく)を捕らえ、二人の信物を取り上げ、相手の計画を根本から崩そうとした。
秋嫣(しゅうえん)の激励により、一族は自信を取り戻し、共に試練に立ち向かう。しかし、秋珉(しゅうみん)は個人的な目的のために、秋玫(しゅうばい)に策略を仕掛け、彼女を道中で病気にさせて「玄女(げんじょ)」の役目を果たせなくさせた。そして、重要な局面で秋珉(しゅうみん)は自ら名乗りを上げ、秋玫(しゅうばい)の代わりに「玄女(げんじょ)」となることを申し出た。さらに、先に秋玫(しゅうばい)を屋敷に送り返すように要求するなど、彼女の底知れぬ思惑が垣間見えた。
梁翊(りょうよく) は早朝に帰還し、秋玫(しゅうばい)が入宮する知らせを心待ちにしていたが、現れたのは秋珉(しゅうみん)だった。彼は驚きながらも冷静さを保ち、隙を見せないようにした。皇帝は秋珉(しゅうみん)の身分に驚き、疑念を抱いたが、秋珉(しゅうみん)はあらかじめ用意していた説明で自信満々に自分が玄女(げんじょ)の生まれ変わりだと宣言し、登仙珠に開光祈福を行うと述べた。皇帝は喜び、天下の大赦を決定し、秋家の男たちは解放された。
梁翊(りょうよく) はこの吉報を秋嫣(しゅうえん)に伝えようとしたが、彼女は部屋におらず、元阆(げんろう)からの手紙だけが残されていた。彼はすぐに梁府にいる元阆(げんろう)のスパイを見つけ出し、居場所を尋問した結果、秋嫣(しゅうえん)が元阆(げんろう)に連れ去られたことを知った。
元阆(げんろう)に捕らえられた秋嫣(しゅうえん)は拷問を受けたが、決して屈しなかった。彼女は逆に元阆(げんろう)を哀れな敗者だと嘲笑し、京外で三年間潜伏していたにもかかわらず、戻ってきてからも梁翊(りょうよく) に全く歯が立たないと指摘した。元阆(げんろう)が暴力を振るおうとしたその時、梁翊(りょうよく) が駆けつけ、秋嫣(しゅうえん)を救出した。梁翊(りょうよく) は元阆(げんろう)に激怒したが、最終的には理性で怒りを抑え、懲らしめのために一撃を加えるにとどめた。
秋嫣(しゅうえん)は軽傷を負ったが、梁翊(りょうよく) の献身的な看病で回復した。二人の間には愛情が芽生え、梁翊(りょうよく) の叱責には深い愛情が込められており、秋嫣(しゅうえん)はかつてない温もりと安心感を感じていた。秋家の男たちがもうすぐ戻ってくることを知り、秋嫣(しゅうえん)は安堵した。彼女は梁翊(りょうよく) に、万一の時のために薪割りの場所に毒薬を隠していることを打ち明けた。梁翊(りょうよく) はそれを聞いて、彼女を心配し、責めると同時に、すぐに解毒薬を求めて外出した。
「玄女(げんじょ)」となった秋珉(しゅうみん)は皇帝に謁見し、秋府の封鎖は解かれ、女眷たちは自由の身となった。秋嫣(しゅうえん)と梁翊(りょうよく) はこの光景を並んで見守り、感慨深い思いに浸った。そこに秦暄(しんけん) が現れ、温かい雰囲気に少しの驚きを加えた。四人は郊外の竹林で会い、秋嫣(しゅうえん)は秋珉(しゅうみん)が薬を盛ったことを知り、失望しながらも強く責めることはできなかった。
この一件を経て、秋家の女眷たちはさらに結束を強めた。秋嫣(しゅうえん)は一族の晩餐には出席しなかったが、皆の心の中では英雄だった。しかし、秋珉(しゅうみん)は十分な注目を集められなかったことに落胆し、心の葛藤は激しくなった。
翌日、梁翊は秋嫣を連れ出し、わざと仲睦まじい様子を見せた。これは元阆(げんろう)の目を欺くためだった。秋嫣はその隙に梁翊から様々な物を買い漁り、二人の間には甘い空気が流れた。梁翊は時折不満を漏らしながらも、秋嫣を甘やかし、彼女のために何でもしてあげた。
第25話 感想
策略ロマンス~謎解きの鍵は運命の恋~もいよいよ佳境に入り、第25話は怒涛の展開でした。秋嫣の機転と勇気、そして梁翊との絆がより一層深まるエピソードでしたね。
窮地に立たされた秋家を守るため、秋嫣は一族の希望の象徴である玉の扳指を見せ、女眷たちの心を一つにまとめます。ここでの秋嫣のリーダーシップは、まさに一族の支柱としての成長を感じさせ、感動的でした。対照的に、秋珉(しゅうみん)の行動には複雑な感情を抱かざるを得ません。妹の秋玫(しゅうばい)に薬を盛るという手段は、彼女の野心と焦りを表しているようで、今後の展開が不安になります。
元阆(げんろう)の執著は、もはや狂気的と言えるレベルに達しています。秋嫣を拷問にかけるシーンは、見ているこちらも息を呑むほどの緊迫感でした。そこに颯爽と現れる梁翊!ヒーローとしてのカッコよさが際立っていました。二人の愛が試練を乗り越え、さらに強固なものになっていく様子に、胸が熱くなりました。
秋嫣と梁翊の仲睦まじい様子や、ちょっとしたやり取りには、見ているこちらも思わず笑顔になってしまうような温かさがありました。特に、秋嫣が梁翊を「敲詐」するシーンは、二人の関係性がよく表れていて微笑ましいです。
つづく