梁父の真実の死因を突き止めるため、秋嫣(しゅうえん)と梁翊(りょうよく) は極端な手段に出ることを決意し、開棺検視を行いました。綿密な検査の結果、遺骸から北涼特有の毒薬の痕跡が発見されました。この毒薬は初期には症状が現れず、数日後に異臭を放つようになるため、詹太医(たんたいい)は北涼の勢力に唆されて犯行に及んだ可能性が高いと推測されました。

一方、秦暄(しんけん) は深夜に帰宅し、秋珉(しゅうみん)の問い詰めに対して沈黙を選びました。秋嫣(しゅうえん)との接触を否定することも、無意味な会話を続けることも拒否したのです。秋珉(しゅうみん)は秦暄(しんけん) が自分の良さを理解してくれず、秋嫣(しゅうえん)だけに目がいっていることに心を痛めました。秦暄(しんけん) は苛立ちを感じながらも、秋嫣(しゅうえん)の優秀さを否定できないことを正直に認めました。その輝きは、秋珉(しゅうみん)には到底届かないものでした。

梁翊(りょうよく) は手がかりから、父の死が北涼の人間と無関係ではないと断定し、郭貴妃(かくきひ)が北涼の人間である可能性を推測しました。この推測は根拠のないものではありません。秋珉(しゅうみん)は、北涼の人々が扳指を身につける習慣があることに気づいていました。この習慣は成人の嫁入りまで続き、長年身につけていることで関節が変形し、扳指を外してもその痕跡は残ります。

しかし、郭貴妃(かくきひ)の行動は秋嫣(しゅうえん)を困惑させました。梁父が彼女の秘密を知ってしまったのでなければ、なぜ毒殺されたのでしょうか?真相を突き止めるため、梁翊(りょうよく) と秋嫣(しゅうえん)は梁父が生前に雇っていた牙子を見つけ出し、梁父が郭貴妃(かくきひ)の背景を調査していたことを知りました。これは郭貴妃(かくきひ)が北涼の人間であることを裏付けるものでした。

一方、秦暄(しんけん) も証拠集めに奔走していました。彼は北涼の人々が毒花を頻繁に取引していることを発見し、何らかの陰謀を企てているのではないかと疑っていました。そんな複雑な状況に、師小小(ししょうしょう)的突然の訪問が事態をさらに複雑にしました。彼女は梁翊(りょうよく) に槿夫人(きんふじん)の窮状を伝え、元阆(げんろう)官兵の行動ルートを提供し、槿夫人(きんふじん)の救出を依頼しました。しかし、梁翊(りょうよく) はこのすべてが元阆(げんろう)の罠であることに気づいていませんでした。

元阆(げんろう)と師小小(ししょうしょう)的裏取引により、師小小(ししょうしょう)は梁翊(りょうよく) に対して恨みを抱くようになりました。しかし、梁翊(りょうよく) の誠実な態度に直面した彼女は、最終的に忠誠を選び、元阆(げんろう)の計画をすべて明かし、梁翊(りょうよく) と秋嫣(しゅうえん)の逃亡を助けました。逃亡の過程で、師小小(ししょうしょう)と姚蓋(ようがい)は自分たちを犠牲にして追っ手を引き付け、梁翊(りょうよく) と秋嫣(しゅうえん)に貴重な時間を与えました。

昏睡状態から目覚めた梁翊(りょうよく) は、師小小(ししょうしょう)的犠牲を知り、深い罪悪感と悲しみに包まれました。彼は、師小小(ししょうしょう)的気持ちや要求をずっと無視し、彼女を道具としてしか見ていなかったことに気づきました。秋嫣(しゅうえん)は黙って彼のそばに寄り添い、慰めと支えを与えました。

その後、秋嫣(しゅうえん)、梁翊(りょうよく) 、秦暄(しんけん) は合流し、それぞれが掌握した情報を共有しました。秦暄(しんけん) は北涼商人の疑わしい証拠と、荷物から発見された安霊花の花びらを持参しました。秋嫣(しゅうえん)は秦暄(しんけん) の説明を総合して、これらの花びらが郭貴妃(かくきひ)に関係していると断定しました。

梁府の取り計らいで、秋嫣(しゅうえん)と梁翊(りょうよく) は郭貴妃(かくきひ)と面会することができました。梁父の死の罪を問われた郭貴妃(かくきひ)はあっさり認めたものの、北涼の刺客については頑なに否定しました。彼女は元々は北涼の商人の娘であり、人身売買によってこの地へ流れてきたことを明かしました。身元を隠すために、彼女は盧国公を利用して梁父を殺害したのです。

すべてを知った梁翊は、郭貴妃(かくきひ)にさらなる真実を明かすように要求しました。郭貴妃(かくきひ)は自分の罪を認めた上で、太子のことを心配していることも打ち明けました。彼女は自分の身元がバレれば太子に累が及ぶことを恐れ、梁翊に北涼の奸臣を排除し、太子の安全を守るよう懇願しました。郭貴妃(かくきひ)の懇願に直面した梁翊は深い思考に陥りました。梁家と郭貴妃(かくきひ)の間には血の仇があることは承知していますが、朝廷の安危を無視することもできません。最終的に、彼は郭貴妃(かくきひ)の願いを受け入れ、真相を究明し、父の仇を討つことを誓いました。

第31話の感想

第31話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。梁父の死の真相が明らかになり、郭貴妃の正体も判明しました。また、師小小(ししょうしょう)的犠牲によって、梁翊と秋嫣の関係がさらに深まりました。

特に印象的なのは、郭貴妃の告白シーンです。彼女は自分の罪を認めながらも、太子のことを心配する母親としての心情を吐露しました。このシーンは、郭貴妃という人物の複雑な内面を浮き彫りにし、物語に深みを与えています。

また、師小小(ししょうしょう)的犠牲は、梁翊と秋嫣の絆を強固なものにしました。梁翊は師小小(ししょうしょう)的気持ちを理解していなかったことを悔い、秋嫣はそんな梁翊を支えようと決意しました。このシーンは、二人の愛が深まっていることを示唆しています。

つづく