清越坊(せいえつぼう)の女たち~当家主母~ 第15話 あらすじ/ネタバレ

曽宝琴(そほうきん)の願い

曽宝琴(そほうきん)は、沈翠喜(しんすいき)に魏良弓(ぎりょうきゅう)に会ってほしいと懇願します。場所は、任氏宗族が不義密通の男女を沈める冷たい池。沈翠喜(しんすいき)は、曽宝琴(そほうきん)の罠かもしれないと思いながらも、魏良弓(ぎりょうきゅう)に会いたい一心で山塘(さんとう)街へ向かいます。

魏良弓(ぎりょうきゅう)は沈翠喜(しんすいき)の姿を見て喜びますが、自分の体はもう冬を越せないかもしれないと打ち明けます。しかし、沈翠喜(しんすいき)は夢でもいいから一緒にいたいと答えます。山塘(さんとう)街を去る前に、沈翠喜(しんすいき)は曽宝琴(そほうきん)に感謝の言葉を述べます。曽宝琴(そほうきん)は、魏良弓(ぎりょうきゅう)のためだったと答えます。

そして、曽宝琴(そほうきん)は魏良弓(ぎりょうきゅう)の生い立ちを語ります。魏良弓(ぎりょうきゅう)は6歳まで生母と一緒に小さな庭に閉じ込められていました。6歳で宗学に通うため初めて外に出ますが、戻ってきたときには母の姿がありませんでした。実は、嫡母の潘氏が魏良弓(ぎりょうきゅう)の生母を船に乗せて遊郭に売ってしまったのです。

曽宝琴(そほうきん)は、沈翠喜(しんすいき)と魏良弓(ぎりょうきゅう)が結ばれたことに複雑な思いを抱きます。沈翠喜(しんすいき)は清越坊(せいえつぼう)の女たちであり、魏良弓(ぎりょうきゅう)の人生は清越坊(せいえつぼう)の女たちの嫡母によって台無しにされたからです。彼女は、女性が屋敷に閉じ込められ、寵愛を巡って争うのは、女性のせいなのか、それとも世の中が女性に対してあまりにも酷いのかと自問します。沈翠喜(しんすいき)と曽宝琴(そほうきん)は、争うのではなく、お互いが幸せに生きられることを願います。

丁荣の苦悩

丁荣は、沈翠喜(しんすいき)が曽宝琴(そほうきん)の屋敷に入ったのを見て、李照(りしょう)に報告すべきか悩んでいます。報告すれば任(じん)家は滅びますが、黙っていればいずれ李照(りしょう)にバレて丁荣一家が滅びることになります。巧儿は、まだ誰にも報告していないことを知り、黙っているように説得します。

その夜、沈翠喜(しんすいき)たちは魏良弓(ぎりょうきゅう)を任(じん)家に連れ帰ります。それを目撃した劉師爺は李照(りしょう)に報告します。李照(りしょう)は丁荣を呼び出して拷問しますが、丁荣は李照(りしょう)の言うことを聞くしかありません。劉師爺は、なぜ李照(りしょう)が任(じん)家に乗り込まないのか疑問に思いますが、李照(りしょう)は任氏宗族に任せる方が良いと考えているようです。

魏良弓の帰還

任秀山(しゅうざん)は魏良弓の帰還を喜び、魏良弓も抱きしめます。任如風(じんじょふう)は、魏良弓が林舒芳(りんじょほう)を奪いに来たのではないかと警戒しますが、魏良弓が林舒芳(りんじょほう)との幸せを願うと聞いて安心します。

魏良弓は沈翠喜の部屋で、名画について詳しく語ります。沈翠喜は喜び、彼の服のサイズを測ります。魏良弓は沈翠喜を「大奶奶」と呼びますが、沈翠喜は自分の名前で呼んでほしいと言います。そして、魏良弓は沈翠喜の名前の由来を語ります。

巧儿的発見

巧儿は、劉師爺が丁荣に金を与えているのを見ます。彼女は、丁荣に李照(りしょう)の手助けをしないように頼んだことを思い出します。丁荣は巧儿を騙して承諾しますが、その後、任(じん)家の七叔公に会い、さらに金を与えて語り部に沈翠喜と魏良弓の風流話を語らせます。名前は変えられていますが、誰もが沈翠喜と魏良弓のことだと分かります。

巧儿はそれを聞いて、丁荣がわざと噂を広めようとしていることに気づきます。魏良弓は、沈翠喜に一緒に来るように言います。

第15話の感想「再会」

第15話は、魏良弓と沈翠喜の再会が描かれ、物語が大きく動き出した回となりました。曽宝琴(そほうきん)の魏良弓への想いと、沈翠喜の魏良弓への愛情が交錯するシーンは、胸を打つものがありました。また、丁荣の苦悩や李照(りしょう)の策略など、人間模様も複雑に絡み合っています。

特に印象に残ったのは、魏良弓の生い立ちが明らかになったシーンです。幼い頃に生母と引き離され、辛い経験をしてきた魏良弓の姿は、見ていて心が痛くなりました。しかし、沈翠喜との出会いで、彼の心に希望の光が差し込んだように感じます。

一方、李照(りしょう)の冷酷さはさらに際立ってきました。丁荣を拷問するシーンは、彼の残忍さを如実に表しています。李照は、自分の目的のためなら手段を選ばない人物であり、今後、任(じん)家にとって大きな脅威となることは間違いありません。

つづく