清越坊(せいえつぼう)の女たち~当家主母~ 第16話 あらすじ/ネタバレ

運河の向こうへ

沈翠喜(しんすいき)は、小院の後ろにある運河に面した門を開く。そこには、長年使われてきた小さな船が停泊している。沈翠喜(しんすいき)は、この船に乗って、この地を離れ、広大な世界へと旅立とうとしていた。

魏良弓(ぎりょうきゅう)は、沈翠喜(しんすいき)に「この門を出ることを考えたことはあるのか?」と尋ねる。沈翠喜(しんすいき)は沈黙したまま、答えない。魏良弓(ぎりょうきゅう)は、沈翠喜(しんすいき)が門を残している理由が分からず、落胆する。

そこに、李照(りしょう)が訪ねてくる。李照(りしょう)は、魏良弓(ぎりょうきゅう)を探しに来たのではなく、曽宝琴(そほうきん)の気持ちを確かめに来たのだ。曽宝琴(そほうきん)は、李照(りしょう)の質問に対して、沈翠喜(しんすいき)が任秀山(しゅうざん)の頼みで魏良弓(ぎりょうきゅう)を連れ戻しに来たと嘘をつく。

李照(りしょう)は、沈翠喜(しんすいき)と魏良弓(ぎりょうきゅう)の噂話を持ち出すが、曽宝琴(そほうきん)は信じようとしない。曽宝琴(そほうきん)は、魏良弓(ぎりょうきゅう)の出自と経歴から、彼が沈翠喜(しんすいき)のような清越坊(せいえつぼう)の女を好きになるはずがないと考える。李照(りしょう)は、曽宝琴(そほうきん)の態度を理解し、それ以上探ることはしなかった。

魏良弓(ぎりょうきゅう)は、沈翠喜(しんすいき)が門を残している理由が曽宝琴(そほうきん)のためだと知り、心を軽くする。魏良弓(ぎりょうきゅう)は、沈翠喜(しんすいき)に自分の生母、継母、そして李照(りしょう)との関係について語り始める。魏良弓(ぎりょうきゅう)が李照(りしょう)と距離を置いている理由は、李照(りしょう)が権力だけに執着し、継母への偏見を捨てて、継母と生母を称賛する偽りの文章を書くように勧めてきたからだ。

蘇州(そしゅう)の混乱

蘇州(そしゅう)では、総帳房の圧力により生糸(きいと)の値段が上昇せず、様々な噂が飛び交っている。沈翠喜と魏良弓(ぎりょうきゅう)の噂話も広まり、桑戸たちは任(じん)家に押し寄せ、説明を求める。任如風(じんじょふう)は、桑戸たちを反論と皮肉で追い返す。

巧児(こうじ)は、総帳房を訪れた後、ためらうように踵を返す。林舒芳(りんじょほう)が巧児(こうじ)に理由を尋ねると、巧児(こうじ)は丁荣が說書人に沈翠喜と魏良弓の噂を広めさせたことを打ち明ける。

すぐに、任如風(じんじょふう)は人々を率いて說書人を捕らえる。七叔公と五叔公は噂を聞きつけ、任(じん)家に来て魏良弓と話し合う。

陰謀と悲劇

沈翠喜は、七叔公と五叔公が任(じん)家に来たことを知り、慌てて止めようとする。七叔公は、もし任雪堂(じんせつどう)が戻ってきたら、蘇州(そしゅう)の噂を聞いてどう思うだろうかと問いかける。

丁荣は、巧児(こうじ)に沈翠喜の部屋の場所を聞き出し、沈翠喜に李照(りしょう)に気を付けるように忠告するふりをして、沈翠喜の部屋に男物の靴を置いて、沈翠喜と魏良弓に不倫の濡れ衣を着せようとする。しかし、丁荣の企みは巧児(こうじ)、林舒芳(りんじょほう)、任如風(じんじょふう)に目撃されてしまう。

巧児は、沈翠喜をかばい、丁荣との縁を切ることを宣言する。丁荣は、巧児の裏切りに心を痛め、絶望する。丁荣は、自分の懐から衣服を取り出し、これは沈翠喜の部屋で見つけたもので、沈翠喜が魏良弓のために作ったものだと主張する。しかし、林舒芳(りんじょほう)は、それは自分が魏先生のために作ったものだと明かし、巧児ともう一人の丫鬟も沈翠喜をかばう。

丁荣は、彼女たちを「狂っている」と罵倒し、巧児は悲しみに暮れる。巧児は、丁荣と結婚したことを後悔し、悲しみのあまり、妊娠していた子供を失い、命を落としてしまう。

林舒芳(りんじょほう)は、丁荣に巧児が臨終の際に丁荣に会おうとしなかったことを伝える。丁荣は、ようやく自分の過ちに気付き、巧児の遺体を抱きしめて号泣する。

任如風(じんじょふう)は、林舒芳(りんじょほう)の婚礼衣装を持って訪れる。母親は、今の時期に林舒芳(じょほう)と婚礼を行うのは良くないと忠告するが、任如風(じんじょふう)はそれを受け入れる。しかし、任如風(じんじょふう)は、林舒芳(じょほう)に婚礼衣装の布地を渡し、数ヶ月かけてゆっくりと婚礼衣装を作り始めるように提案する。林舒芳(じょほう)は、ためらいながら、二人が結婚する必要はないと告げる。

第16話の感想:陰謀と悲劇の渦

第16話は、沈翠喜と魏良弓を取り巻く陰謀と悲劇が渦巻く回でした。沈翠喜は、魏良弓と共にこの地を離れようと決意しますが、様々な困難が立ちはだかります。

李照(りしょう)は、沈翠喜と魏良弓の噂を利用して曽宝琴(そほうきん)の気持ちを確かめようとしますが、曽宝琴(そほうきん)は沈翠喜をかばいます。魏良弓は、自分の生い立ちや李照との関係を沈翠喜に打ち明け、心を通わせます。

しかし、蘇州(そしゅう)では生糸(きいと)の値段をめぐって混乱が起きており、沈翠喜と魏良弓の噂はさらに広まります。丁荣は、沈翠喜と魏良弓に濡れ衣を着せようと企み、巧児を利用します。

巧児は、丁荣の企みに気づき、沈翠喜をかばいますが、丁荣の策略によって命を落としてしまいます。丁荣は、自分の過ちに気づき、後悔の念に駆られます。

任如風(じんじょふう)は、林舒芳(じょほう)との結婚を諦めようとする林舒芳(じょほう)を説得し、ゆっくりと婚礼の準備を進めようとします。

つづく