清越坊(せいえつぼう)の女たち~当家主母~ 第19話 あらすじ/ネタバレ
翠喜と宝琴の友情
沈翠喜(しんすいき)は魏良弓(ぎりょうきゅう)に刺繍(ししゅう)した鴛鴦(おしどり)戯水図を燃やします。曽宝琴(そほうきん)は、翠喜の刺繍(ししゅう)は自分のものよりずっと上手だと心から言います。その夜、二人は一緒に酒を飲み、魏良弓(ぎりょうきゅう)は亡くなり、翠喜も生きる気力を失います。宝琴は、そんな翠喜を励まし、立ち直って生きていくように説得します。
数ヶ月後、清越坊(せいえつぼう)の分店が開店し、利息収入は前年より数割増えました。翠喜は喜び、役所に送る贈り物にさらに一割増しすることを命じます。
林舒芳(りんじょほう)の苦悩
任如風(じんじょふう)は林舒芳(りんじょほう)に一途な思いを寄せていると噂されています。兄は、林舒芳(りんじょほう)がもうすぐ任如風(じんじょふう)に嫁ぐものと思い込み、当然のように賭場で多額の借金を作ります。兄は妻と共に任(じん)家を訪れ、林舒芳(りんじょほう)を任如風(じんじょふう)に嫁がせようとします。
林舒芳(りんじょほう)は、任如風(じんじょふう)を嘲笑させたくない一心で、これまでずっと結婚を拒んできました。しかし、兄の借金を返すために結婚させられるのは絶対に嫌でした。兄がどうしても任如風(じんじょふう)に嫁がせようとすると、林舒芳(じょほう)が少し口答えしたため、兄は林舒芳(じょほう)を殴り、林舒芳(じょほう)の顔は近くの石に当たってしまいました。
翠喜は林舒芳(じょほう)に薬を塗ってあげますが、相手が兄でなければ、すぐに役所に訴えていたでしょう。任如風(じんじょふう)も林舒芳(じょほう)を心配しますが、林舒芳(りんじょほう)は誰に殴られたのかを言いません。
曹(そう)夫人家との関係
翠喜は、曹(そう)夫人小姐の婚約宴のために、精巧で貴重な緙絲(こくし)の衣料を準備しました。曹(そう)夫人文彬(そうぶんひん)とその夫人にも贈り物があり、その意図は明白です。曹(そう)夫人文彬(そうぶんひん)は喜んで、これらの緙絲(こくし)を皆に見せ、彼らに字を書いて碑を刻むことを提案します。
任(じん)家は曹(そう)夫人小姐の婚約宴に多額の費用を費やしましたが、曹文彬(そうぶんひん)が任(じん)家の名声を高めたことで、清越坊(せいえつぼう)の名声も高まり、多くの人が訪れるようになりました。清越坊(せいえつぼう)の利益は急上昇しています。
書硯(しょけん)への思い
翠喜は、書硯(しょけん)が如意(にょい)に想いを寄せていることを知っています。彼が清越坊(せいえつぼう)に来て掌柜の仕事を学ぶようになったのも、如意(にょい)のためでしょう。翠喜は、生きていればどんな困難も乗り越えられると感慨に浸ります。
林舒芳(りんじょほう)の危機
任如風(じんじょふう)は林舒芳(りんじょほう)の実家を訪ねると、意外にも実家がかなり荒れ果てていることに気づきます。これはおかしいと思いました。その後、彼と書墨(しょぼく)は林舒芳(りんじょほう)の兄が家から出てくるのを見かけます。彼らの話を聞くと、林舒芳(りんじょほう)の兄は200両の銀で林舒芳を妾として売ろうとしているようです。
任如風(じんじょふう)と書墨(しょぼく)は、兄妹の後を密かに追跡し、兄妹が売買契約書にサインしようとした瞬間に、任如風(じんじょふう)が現れて兄を殴り、兄に売買契約書にサインさせます。これで林舒芳は任(じん)家の人となり、家族に脅迫されることはなくなりました。任如風(じんじょふう)は書墨(しょぼく)に売買契約書を保管し、林舒芳にはこのことを話さないようにと命じます。
翠喜の決意
多くの人が翠喜の緙絲(こくし)を指名買いするようになりました。翠喜は徹夜で緙絲(こくし)を織り続けます。林舒芳は翠喜の苦労を理解し、任小蘭(じんしょうらん)に翠喜の面倒を見るように頼みます。
任如風は広東から商売を終えて戻り、林舒芳にお土産を持ってきましたが、林舒芳は相変わらず拒否します。翠喜は、士子に自分の緙絲(こくし)を復元して碑を建ててもらうように頼みます。曽宝琴(そほうきん)はそれを聞いて、翠喜があまりにも目立ちすぎて災いを招くのではないかと心配します。
宝琴は翠喜に、任秀山(しゅうざん)が出世するまで待ってから事業を拡大した方がいいと忠告します。翠喜は宝琴が怖がっているのだと思いましたが、宝琴は怖がっているのではなく、この世の中が女性に対していかに厳しいかを知っているからこそ、そう言ったのです。かつて宝琴は母親と一緒に牢屋に入れられ、母親は将来が不安で宝琴を絞め殺そうとしました。宝琴は必死に懇願し、生き延びることができました。その後、遊郭に売られた宝琴は、屈辱に耐えながら生きてきました。それでも、翠喜は宝琴の忠告を聞き入れず、自分の計画を遂行しようと決意します。
第19話の感想
第19話は、沈翠喜(しんすいき)と曽宝琴(そほうきん)の友情、林舒芳の苦悩、翠喜の決意など、見どころ満載の回でした。
沈翠喜(しんすいき)は、魏良弓(ぎりょうきゅう)の死を乗り越え、清越坊を大きく発展させます。彼女の強い意志と行動力には、感銘を受けます。一方で、曽宝琴(そほうきん)は、世の中の厳しさを知り、翠喜を心配するあまり、忠告します。二人の友情は、とても尊いものだと思います。
林舒芳は、兄の借金を返すために任如風に嫁がされそうになりますが、任如風の助けで難を逃れます。しかし、彼女は任如風の気持ちを受け入れられず、苦悩しています。彼女の複雑な心情が、繊細に描かれています。
翠喜は、士子に自分の緙絲を復元して碑を建ててもらうように頼みます。これは、彼女の功績を称えるだけでなく、清越坊の繁栄を後世に伝えようとする彼女の強い意志の表れだと思います。
つづく