鶴唳華亭<かくれいかてい>〜Legend of Love〜 第31話 あらすじ/ネタバレ
蕭定権(しょうていけん)は寝殿を出て、翌日、陸文昔(りくぶんせき)に厳罰を下すよう毅然と命じました。陸文昔(りくぶんせき)は部屋で一人涙を流し、絶望の表情が溢れ出し、周囲の静寂が彼女の無助さを増幅させます。一方、焦燥に駆られた張陸正(ちょうりくせい)は李柏舟(りはくしゅう)のもとに駆けつけ、衝撃的な事実を密告します。趙(ちょう)貴妃壅は蕭定権(しょうていけん)のために詳細な供述書を残しており、その内容は広範囲にわたっており、李柏舟(りはくしゅう)も逃れられないというのです。この言葉に、李柏舟(りはくしゅう)の顔の笑みは一瞬で消え、彼は部下を派遣し、蕭定権(しょうていけん)を阻止して、緻命的な供述書を奪い返そうとします。
しかし、世の中は将碁のように、局中にはさらに局が存在します。李柏舟(りはくしゅう)の計画は失敗に終わり、逆に李重夔(りちょうき)の伏兵に包囲されてしまいました。一方、蕭定権(しょうていけん)は無事であり、彼は悠然と真実を明らかにします。その供述書は、張陸正(ちょうりくせい)が視点を誤ったことで生じた誤解であり、彼はこれを利用して、李柏舟(りはくしゅう)を自滅させ、その本性を暴くための巧妙な仕掛けだったのです。
動かぬ証拠を前に、蕭定権(しょうていけん)は李柏舟(りはくしゅう)の逮捕を命じます。李柏舟(りはくしゅう)は表面上は平静を装っていますが、内心はすでに慌てふためいています。その時、張陸正(ちょうりくせい)が突然現れ、李柏舟(りはくしゅう)が私兵を蓄え、太子を謀殺しようとしていると告発し、杜蘅(とこう)も証人として登場し、事態は急転直下します。李柏舟(りはくしゅう)は必死に弁明し、すべては趙(ちょう)貴妃壅の仕業であり、自分には関係ないと主張しますが、蕭定権(しょうていけん)は冷ややかに見守り、李柏舟(りはくしゅう)の卑劣な行為を心の中で軽蔑しています。
両者が膠著状態に陥ったとき、内室の扉が静かに開かれ、皇上が姿を現します。朝政を揺るがす対決の幕が切って落とされました。李柏舟(りはくしゅう)は皇上の登場を見て、いつものように罪を逃れようとしますが、杜蘅(とこう)はすでに鞍替えして蕭定権(しょうていけん)に忠誠を誓っていたのです。趙(ちょう)貴妃壅が連行され、李柏舟(りはくしゅう)を前に、満腔の恨みを込めて彼の悪行を告発します。証拠が揃うと、皇上でさえ庇いきれなくなり、処分を蕭定権(しょうていけん)に一任します。
一連の取り調べを経て、李柏舟(りはくしゅう)と趙(ちょう)貴妃壅の罪状が次々と明らかになります。軍馬の横領、私兵の養育、いずれも謀仮の大罪です。蕭定権(しょうていけん)は二人の罪状を父皇に奏上し、皇上一言も発することなく、自分がこの大局に翻弄されていたことを悟り、蕭定権(しょうていけん)の知勇に感嘆します。
一方、蔻珠(こうしゅ)は白綾を手に、陸文昔(りくぶんせき)を幽閉している闇室に入ります。彼女は太子妃が流産していない事実を冷酷に暴露し、陸文昔(りくぶんせき)への嫉妬と怨恨を露にします。しかし、まさに彼女が凶行に及ぼうとした瞬間、太子妃が駆けつけ、悲劇を阻止します。陸文昔(りくぶんせき)は正直に、自分が直接太子妃に危害を加えたことはないものの、間接的に誤解を招いたことを認め、杏脯に人参を入れた理由と、太医に子供を死産だと宣告させた理由を説明します。
その後、蕭定権(しょうていけん)が自ら陸文昔(りくぶんせき)を尋問し、謎を解き明かします。実は、陸文昔(りくぶんせき)の「小賢しさ」も、張紹筠(ちょうしょういん)や張陸正(ちょうりくせい)の行動も、すべて彼の綿密な計画のもとにあったのです。彼は一連の事件を利用して、真の太子妃を守っただけでなく、李柏舟(りはくしゅう)の正体を暴くことに成功しました。真実を知った陸文昔(りくぶんせき)は複雑な表情を浮かべ、安堵と感謝が入り混じります。蕭定権(しょうていけん)は優しく彼女の涙を拭い、二人の間には言葉では言い表せない感情が芽生えたようです。
事件後、陸文昔(りくぶんせき)は牢から出て、落ち著きのない蔻珠(こうしゅ)と遭遇します。彼女は誠意を持って蔻珠(こうしゅ)の不安をなだめ、自分がもうすぐ旅立つことを告げます。一方、張陸正(ちょうりくせい)は自宅で息子の張紹筠(ちょうしょういん)が李柏舟(りはくしゅう)の失脚によって解放されることを期待して、焦燥に駆られています。
第31話 感想
第31話は、緊張感と感動が入り混じった、見応えのあるエピソードでした。蕭定権の知略と決断力、そして陸文昔(りくぶんせき)に対する深い愛情が印象的でした。また、李柏舟(りはくしゅう)の悪事が暴かれ、趙(ちょう)貴妃壅の罪が明らかになったことで、物語は大きく前進しました。
特に印象に残ったのは、蕭定権が李柏舟(りはくしゅう)の罠を巧みに利用して、逆に彼を追い詰めるシーンです。蕭定権の冷静さと大胆さには、思わず感嘆させられました。また、陸文昔(りくぶんせき)が命の危険にさらされながらも、蕭定権を信じて最後まで諦めなかった姿には、胸を打たれました。
つづく