上陽賦~運命の王妃~ 第16話 あらすじ/ネタバレ
宋懷恩(そうかいえん)率いる一行と暉州の反乱軍が城外で激しく戦っている中、牟連(むれん)は我慢できずに飛び出します。暉州軍は牟連(むれん)を見て驚きを隠せませんが、牟連(むれん)は呉謙(ごけん)が謀反を起こし、身内である自分ですら決して妥協しないと言い放ちます。大成の兵士としての務めは朝廷を守ることであり、反乱に加担すべきではないと熱弁をふるう牟連(むれん)の言葉に、暉州軍は動揺を隠せません。宋懷恩(そうかいえん)も説得に加わり、ついに暉州軍は反乱を諦め朝廷に帰順します。
危機はとりあえず回避されましたが、次の課題は暉州を守り、謇寧(けんねい)王の入京を阻止することです。暉州は京城への重要な拠点であり、反乱軍が京城を奪取するためには絶対に必要な場所です。龐癸(ほうけい)は暉州に詳しい牟連(むれん)に意見を求め、牟連は暉州が東側を水に面し、城門は3つしかないことを説明します。北門の守将は自分の親しい友人であり、兵力があれば北西の2つの城門は落とせると自信を見せます。しかし、南門には万人の兵が駐屯しており、守将は呉謙(ごけん)の側近であるため、攻略は難しいと予想されます。
宋懷恩(そうかいえん)は呉謙(ごけん)を捕らえて兵符を奪えば、南門の守備隊も降伏するだろうと提案します。王儇(おうけん)は宋懷恩(そうかいえん)に呉謙(ごけん)を捕らえるよう命じ、呉夫人(ごふじん)とその娘には怪我をさせないようにと念を押します。宋懷恩(そうかいえん)は命令を受け、牟連も王儇(おうけん)の言葉を聞いて感謝します。
一方、京城では太子(たいし)と子澹(したん)が皇帝の寝宮を訪れますが、皇帝は2人を無視して追いやってしまいます。2人は仕方なく退却し、子澹(したん)は太子(たいし)に暉州へ兵を率いて王儇(おうけん)を救出したいと懇願します。しかし、太子(たいし)は承諾しません。子澹(したん)は呉謙(ごけん)に約束をすれば王儇(おうけん)を解放してくれるはずだと主張し、他の武将を送れば呉謙を怒らせてしまうかもしれないと訴えます。子澹(したん)は太子(たいし)の前で跪き、懇願しますが、太子(たいし)は王藺(おうりん)の操り人形に過ぎず、何もできません。子澹(したん)は朝廷が出兵しないのであれば、自分だけで行くと言い放ちます。
暉州城内では、龐癸(ほうけい)が蕭綦(きょうき)が攻城するとの噂を流します。呉謙は慌てふためき、謝淵(しゃえん)の暗殺者は呉謙を殺害しようとします。呉夫人(ごふじん)は呉謙を庇い、謝淵(しゃえん)の暗殺者に殺されてしまいます。宋懷恩(そうかいえん)は駆けつけましたが、呉夫人(ごふじん)を救うことはできませんでした。
王儇(おうけん)と玉秀(ぎょくしゅう)は行館で負傷した兵士たちの世話をしていますが、しばらくして城内で騒ぎが起こり、あちこちで火の手が上がります。王儇は城楼に立ち、不安な気持ちで様子を見守ります。牟連は各城門を説得し、鎮圧することで暉州の防衛を奪還することに成功します。
謝淵(しゃえん)は状況が不利と判断し、顔を覆って城外へ逃げようとしますが、牟連と宋懷恩(そうかいえん)に捕らえられてしまいます。謝淵(しゃえん)はもはや逃げられないと悟り、自害します。王儇はそれを知ると、宋懷恩(そうかいえん)に謝淵(しゃえん)の遺体を京城に送るように命じます。王儇は謝(しゃ)氏との和解を望んでいましたが、謝宛如(しゃえんじょ)は謝淵の死を知って王儇をさらに憎むようになります。謝宛如(しゃえんじょ)は蘇錦児(そきんじ)を呼び寄せ、子澹(したん)に王儇を忘れさせる方法があると告げます。
謇寧(けんねい)王は暉州城外に到着しますが、城門が閉ざされているのを見て蕭綦(きょうき)が本当に城内に入ったのではないかと疑い、軍隊に暉州城を包囲するよう命じます。
暉州城内では、呉夫人(ごふじん)の娘である惠心は母親の死後、食事も取らずに塞ぎ込んでいます。王儇は心配になり、惠心を見舞いますが、惠心は王儇を母親の死の責任者だと責めます。王儇は惠心を責めず、食事を取るように促します。惠心は王儇を殺す力があるまでは食事を取らないと言い放ちます。
王儇は気分が沈んだまま部屋を出ると、牟連の妻である牟夫人が現れ、牟連を許してくれるように懇願します。王儇は以前から牟連の反乱への関与を不問にすると約束していたことを伝え、牟夫人は安心します。
夜になっても眠れない王儇は、玉秀(ぎょくしゅう)と一緒に館内を散歩します。宋懷恩(そうかいえん)と兵士たちが守備について話し合っているところに出くわし、宋懷恩(そうかいえん)は王儇に声をかけます。
第16話感想
第16話は、緊張感と感動が入り混じった素晴らしいエピソードでした。宋懷恩(そうかいえん)の活躍で暉州の危機は回避され、王儇と子澹(したん)の再会も実現しました。しかし、呉夫人(ごふじん)の死や謝淵の自害など、悲劇的な出来事も描かれ、物語がさらに複雑な展開を迎えることを予感させます。
特に印象に残ったのは、王儇と牟連のやり取りです。王儇は牟連の反乱への関与を許さず、牟連は王儇に感謝の言葉を述べます。2人の間に信頼関係が築かれていることが感じられ、今後の展開が楽しみになりました。
また、謝淵の自害は衝撃的でした。謝淵は王儇を愛していましたが、最終的には自分の命を絶つしかありませんでした。彼の死は、王儇と謝(しゃ)氏との関係に大きな影響を与えることでしょう。
つづく