上陽賦~運命の王妃~ 第18話 あらすじ/ネタバレ

寧朔(ねいさく)城が風前の灯火となる中、宋懐恩(そうかいおん)は麾下の勇士を率いて南城を死守する。一方、西門の防線は敵の多勢に押され、たちまち絶望的な状況に陥ってしまう。守備兵は力尽き、その知らせは冷たい風のように王儇(おうけん)の耳に届く。

絶望的な状況に直面した王儇(おうけん)は、非凡な意志の強さを見せる。彼女は龐癸(ほうけい)に最後の通告を下す。「山窮水尽になるまでは、決して諦めるな」と。そう言い放った彼女は、負傷兵の救護に身を投じる。その執念と決意は、見る者を感動させる。焦る子澹(したん)は王儇(おうけん)を離れさせようとするが、彼女の決意を揺るがすことはできない。

間もなく、さらなる悲報がもたらされる。西門が破られ、兵士たちは街路に退却し、叛軍との巷戦を強いられる。危機的状況に陥った兵士たちは、王儇(おうけん)に一時避難するよう懇願するが、彼女は南城を気にかけて戦況を問い続ける。南城もまた惨憺たる状況で、宋懐恩(そうかいおん)と牟連(むれん)は残兵を率いて死守していることを知った王儇(おうけん)は、龐癸(ほうけい)に人手を編成して後門から撤退するよう命じ、全員の安全を確保する。

子澹(したん)は再び王儇を説得しようとするが、逆に厳しく叱責される。王儇は、子澹(したん)が皇室の血筋でありながら、この時にあっては不必要な怯懦と情愛を見せていると指摘する。彼女は、蕭綦(きょうき)に傾倒したのは、彼が戦場で血を流し、国を守る勇気があるからだと明言し、子澹(したん)の退却に深い失望を表明する。

南城が危機に瀕したまさにその時、蕭綦(きょうき)が率いる大軍が天の助けのように暉州に到着し、戦況は一変する。謇寧(けんねい)王は形勢不利と見て、撤退を命じる。一方、京城的叛軍は行館に迫り、王儇は落ち着いて民衆の避難を指揮する。子澹(したん)の協力に、王儇はわずかに安堵する。民衆の大半が避難した後、王儇は行館に残り、未知の運命に立ち向かうことを決意する。敵の駒となるくらいなら、死を選ぶ覚悟だ。

やがて、激しく打ち付けられていた門の音が静まり、一筋の希望が芽生える。門が開くと、そこには蕭綦(きょうき)の姿が。二人は再会を果たし、感情は潮のように押し寄せる。言葉を交わすことなく、ただ強く抱きしめ合う。すべては言葉に尽くせない。

蕭綦(きょうき)は王儇を南城に連れて行き、牟連(むれん)は戦果を報告する。叛軍は総崩れとなり、暉州の包囲は解かれた。王儇の智勇を称える声があがる。彼女の時間稼ぎがなければ、蕭綦(きょうき)は間に合わなかっただろう。

祝勝宴では、子澹(したん)が酔いつぶれ、蕭綦(しょうき)との微妙な雰囲気を周囲が察知する。一方、夜警をしていた龐癸(ほうけい)は、蕭綦(しょうき)の近衛兵が王氏の印鑑が押された密書を持っているのを発見する。この事実は疑念を生み、王儇は警戒心を強めるが、手がかりがなく、ただ不安に駆られる。

夜が更け、王儇と蕭綦(しょうき)は心を開いて語り合う。子澹(したん)について尋ねられた王儇は、過去は過ぎ去り、自分の心には蕭綦(しょうき)しかいないと率直に答える。蕭綦(しょうき)は嫉妬心を抱くものの、王儇の正直さに心を打たれ、一生をかけて、そして来世までも彼女の待つ時間と犠牲を償うと誓う。

京城では、謝宛如(しゃえんじょ)の陰謀が静かに進行する。彼女は蘇錦児(そきんじ)に毒薬を贈り、他人の手で王儇を殺害しようとしている。一方、王儇は玉秀(ぎょくしゅう)と宋懐恩(そうかいおん)の仲を取り持とうと計画していたが、そこに蘇錦児(そきんじ)が突然訪れる。暗流が渦巻く会合が幕を開けようとしている。

蘇錦児(そきんじ)は悪だくみを企み、隙を見て毒薬を茶に混ぜる。しかし、玉秀(ぎょくしゅう)が気づいて事なきを得る。危機は回避されたように見えるが、真の嵐はこれからかもしれない。

第18話感想

第18話は、緊張感と感動が入り混じった、見応えのあるエピソードでした。特に、王儇の強い意志と決断力、蕭綦の頼もしさ、そして二人の再会シーンは印象的でした。

王儇は、絶望的な状況の中でも決して諦めず、南城の民衆を守るために尽力する姿が感動的でした。また、蕭綦が颯爽と現れて戦況を覆すシーンは、まさにヒーローの登場といった感じで、とても興奮しました。

二人の再会シーンは、言葉よりも強く二人の想いが伝わってくるような、素晴らしいシーンでした。特に、蕭綦が「一生をかけて、そして来世までもあなたの待つ時間と犠牲を償う」と誓うシーンは、とても感動的でした。

一方、子澹(したん)の弱さや謝宛如(しゃえんじょ)の陰謀など、今後の展開を不安にさせる要素も見え隠れしていました。特に、蘇錦児(そきんじ)が毒薬を仕込んだ茶を玉秀(ぎょくしゅう)に飲ませようとしたシーンは、ハラハラドキドキしました。

つづく