上陽賦~運命の王妃~ 第20話 あらすじ/ネタバレ
王夙(おうしゅく)は豫章(よしょう)王(よしょうおう)府で王儇(おうけん)の帰りを待っていた。王儇(おうけん)は兄の姿を見て温かい笑顔を浮かべた。王夙(おうしゅく)は妹を迎えるために美酒を用意し、二人は杯を交わしながら語り合った。王夙(おうしゅく)は王儇(おうけん)と蕭綦(きょうき)の噂を聞き、王儇(おうけん)は幸せそうにそれを認めた。
王儇(おうけん)は長公主(ちょうこうしゅ)が慈安寺にいることを心配し、その理由を尋ねた。王夙(おうしゅく)は最初は言葉を濁したが、王儇の強い意志に押されて真実を明かした。朝廷の権力は王藺(おうりん)と皇后に握られ、皇帝は精神錯乱状態にあった。長公主(ちょうこうしゅ)は王藺(おうりん)の強引さと皇帝への罪悪感に苦しんでいた。
一方、王栩(おう・しゅ)は牢獄で呉謙(ごけん)を厳しく尋問し、黒幕を突き止めようとした。呉謙(ごけん)は狡猾にも罪を謝淵(しゃえん)になすりつけたが、王栩(おう・しゅ)は見破り、さらに圧力をかけた。子律(しりつ)は呉謙(ごけん)が王栩(おう・しゅ)の手に落ちたことを知り、部下に彼の抹殺を命じた。一夜にして呉謙(ごけん)は獄死し、権力闘争の犠牲となった。
翌日、王儇は慈安寺に長公主(ちょうこうしゅ)を訪ねた。彼女は長公主(ちょうこうしゅ)に王府に戻るよう懇願したが、断られてしまった。長公主(ちょうこうしゅ)は自分がもはや帰る場所がなく、王儇が無事であることを確認できたので、もう何も心配していないと語った。
会話の中で、長公主は王藺(おうりん)が生涯をかけて唯一後悔していることが自分の結婚だったことを明かした。王儇は両親が深い愛情で結ばれていたと思っていたが、その裏に隠された秘密を知って驚愕した。長公主は苦笑いしながら、韓氏(かんし)という王藺(おうりん)の唯一の側室が病死ではなく、太后によって毒殺されたことを明かした。この出来事は王藺(おうりん)の心を深く傷つけた。それ以来、長公主は慎ましい生活を送っていたが、王夙(おうしゅく)の結婚式の時に、王藺(おうりん)の言葉から長年秘めていた後悔と無念を感じ取った。
王夙は桓宓(かんひつ)に恋心を抱いていたが、彼女にはすでに子律(しりつ)との婚約があった。王藺(おうりん)は桓宓(かんひつ)との結婚を何としても実現させようと、長公主と激しく対立した。王藺(おうりん)は韓氏(かんし)の死を例に挙げ、王夙に同じ後悔をさせたくないという強い意志を示した。王儇はこの話を聞いて、大きな衝撃を受けた。
別れ際、長公主は出家して尼僧になる決意を明かした。王儇は必死に引き留めたが、彼女の意志は固く、涙ながらに別れた。
一方、薛道安(せつどうあん)は皇太后の意向で宮中の雑役に降格され、冷遇されていた。しかし、一人の小宦官が旧恩を忘れず、密かに食べ物を差し入れてくれた。薛道安(せつどうあん)は感謝の気持ちとして玉佩を贈り、皇太后の偽の勅旨を伝えて王儇を宮中に召し出すように頼んだ。
朝廷では、王栩(おう・しゅ)が温宗慎(おんしゅうしん)と徐授(じょじゅ です)が結託して蕭綦(きょうき)夫婦を陥れたことを指摘した。彼は証拠を提示し、温宗慎(おんしゅうしん)の筆跡を暴露した。王藺(おうりん)はこれを機に温宗慎(おんしゅうしん)を天牢に投獄した。皇太后は密かに温宗慎(おんしゅうしん)を訪ね、二人は旧交を温めた。皇太后は温宗慎(おんしゅうしん)に太子(たいし)陣営に寝返るよう説得し、身の安全と官職の回復を約束した。
王儇は王府に戻ると、玉秀(ぎょくしゅう)を子澹(したん)の屋敷に送り、蘇錦児(そきんじ)を連れ戻させた。玉秀(ぎょくしゅう)は不満を漏らしたが、王儇の命令には逆らえず、承諾した。謝宛如(しゃえんじょ)は蘇錦児(そきんじ)が任務を達成できなかったことに失望したが、彼女は子澹(したん)のために命を懸ける決意を表明したため、王儇の側に潜入するよう命じた。
第20話の感想
第20話は、衝撃と感動が入り混じった内容でした。王儇と蕭綦(きょうき)の幸せそうな様子、王夙の妹への深い愛情、長公主の苦悩など、様々な感情が描かれていました。
特に印象的だったのは、長公主の過去が明かされたシーンです。韓氏(かんし)の死や、王藺(おうりん)との確執など、彼女が背負ってきた重荷を知り、心が痛みました。また、王夙が桓宓(かんひつ)への想いを貫こうとする姿にも感動しました。
一方で、呉謙(ごけん)の死や、温宗慎と皇太后の策略など、陰謀が渦巻く展開も気になりました。次回の展開が楽しみです。
つづく