上陽賦～運命の王妃～ 第21話 あらすじ/ネタバレ
温宗慎(おんしゅうしん)は、皇后が謀反を企てていることを知り、忠誠心から皇后に同調することを拒否します。皇后は温宗慎(おんしゅうしん)を説得するも無駄だと悟り、太子(たいし)を王位に就かせるため、たとえ温宗慎(おんしゅうしん)を犠牲にしても、手段を選ばないと誓います。
一方、蕭綦(きょうき)の陣営には良い知らせが届きます。桓公(かんこう)が兵糧を携えて援軍として駆けつけ、胡光烈(ここうれつ)は大喜び。これで蕭綦(きょうき)は撤退する必要がなくなりました。
王儇(おうけん)は宮廷に戻り、金全が皇帝に無理やり薬を飲ませている場面を目撃します。王儇(おうけん)は金全を止め、皇帝を心配します。皇帝は王儇(おうけん)の姿を見て、心から同情します。そして、実は自分は病ではなく、ずっと意識がはっきりしていたことを明かします。さらに、徐授(じょじゅ です)、謝淵(しゃえん)、杜盟(とめい)の行動はすべて自分が黙認していたこと、それは皇権を強化するためだったことを告白します。
王儇(おうけん)は驚きと悲しみに包まれます。まさか自分を蕭綦(きょうき)と敵対させた張本人が、最も信頼していた皇舅だったとは。皇帝は権力闘争の残酷さを嘆き、王藺(おうりん)と蕭綦(きょうき)は誰が王位に就いても邪魔者だと語ります。王儇(おうけん)は絶望のあまり、言葉を発することなく、皇帝のもとを去ります。
重い気持ちで皇帝の寝宮を出た王儇は、皇后に会いに行こうとしますが、途中で薛道安(せつどうあん)の叫び声を聞きます。同情した王儇は薛道安(せつどうあん)を皇后の寝宮まで連れて行きます。しかし、薛道安(せつどうあん)は突然皇后に襲いかかり、王儇は皇后を庇って刺されてしまいます。薛道安(せつどうあん)は王儇を振り払って再び皇后に襲いかかりますが、皇后の側近である廖姑姑が身を挺して皇后を守り、命を落としてしまいます。
王儇は皇后を連れて小さな仏堂に逃げ込みますが、薛道安(せつどうあん)は追いかけてきます。玉秀(ぎょくしゅう)も仏堂前で薛道安を阻止しようとしますが、重傷を負ってしまいます。駆けつけた侍衛によって薛道安は捕縛されます。王儇は急いで太医を呼びますが、太医は玉秀(ぎょくしゅう)の命が危ないと告げます。
皇后は王儇の怪我と廖姑姑の死で精神的に不安定になり、薬を拒否して錯乱状態に陥ります。王儇は皇后を優しくなだめ、ようやく落ち着かせることに成功します。太子(たいし)と王藺(おうりん)が駆けつけ、王儇が無事でいることを確認した王藺(おうりん)は彼女を強く抱きしめます。
薛道安の事件について王儇は疑問を抱き、裏に隠された真実があると疑います。
一方、王藺(おうりん)は皇帝の寝宮を訪れます。皇帝と子律(しりつ)は碁を打っていました。薛道安の事件について問われた皇帝は淡々と受け流し、碁に集中します。金全が再び薬を差し出すと、皇帝は体調が悪いと席を立ち、子律(しりつ)が後を追います。王藺(おうりん)は金全に後を任せて皇帝の部屋を後にします。皇帝は金全が去った後、吐き出した薬を子律(しりつ)に見せ、真実を知っていることを明かします。
皇帝は子律(しりつ)の罪、子澹(したん)の殺害や顧庸の暗殺などを指摘します。子律(しりつ)は王家に対抗するために仕方なかったと弁明しますが、皇帝は子律の悪行を許せません。しかし、子律が薛道安の事件で悲しんでいる皇帝の姿を見て、忠誠を誓い、朝政を立て直すために協力すると申し出ます。皇帝は子律の態度を見直し、彼の提案を受け入れます。皇帝は密詔を書いて子律に渡し、江南に向かい、皇室の力を結集して逆賊を討伐するよう命じます。
王儇は自宅に戻ると、子澹(したん)が待っていました。王儇が襲われたことを知った子澹(したん)は心配しますが、王儇は冷たく拒否します。蘇錦児(そきんじ)が子澹(したん)をなだめようとしますが、子澹(したん)は聞く耳を持ちません。
その頃、宮廷から玉秀(ぎょくしゅう)の容体が悪化したとの知らせが届きます。王儇は急いで宮廷に向かいます。申太医(しんたいい)は玉秀(ぎょくしゅう)の命が尽きかけていると告げ、針石の術という危険な治療法を試すしかないと提案します。王儇は玉秀(ぎょくしゅう)の命を救うため、危険を承知で針石の術を施すことを決意します。
第21話の感想
第21話は、前半と後半で大きく印象が異なる回でした。前半は、皇后の謀反計画、皇帝の病状、王儇と蕭綦(きょうき)の対立など、暗い展開が続きました。皇后は太子(たいし)を王位に就かせるため手段を選ばず、王儇と蕭綦(しょうき)を追い詰めていきます。皇帝は病気を装い、王家と蕭綦(しょうき)の争いを静観しています。王儇は蕭綦(しょうき)と離れ離れになり、絶望に打ちひしがれています。
しかし、後半では希望の光が差し込みます。桓公(かんこう)が蕭綦(しょうき)に援軍を送ってくれることになり、蕭綦(しょうき)は撤退を免れます。王儇は皇帝の真意を知り、皇帝の孤独を理解します。そして、皇帝は子律に密詔を託し、逆賊討伐を命じます。
第21話は、権力闘争の残酷さと、希望の大切さを描いた回でした。王儇と蕭綦は、まだ多くの困難に直面するでしょうが、皇帝の意志を継ぎ、逆賊を討伐して平和な世の中を作っていくことを願っています。
つづく
