上陽賦~運命の王妃~ 第23話 あらすじ/ネタバレ
宮廷の暗雲が渦巻く中、子律(しりつ)の配下の密偵は、龐癸(ほうけい)と王家の隠された繋がりを発見しました。この発見に子律(しりつ)は警戒心を強め、自身の計画が漏れることを恐れて先手を打つことにしました。一方、宋懐恩(そうかいおん)は龐癸(ほうけい)を見つけられず、王儇(おうけん)は桓宓(かんひつ)がこの事件に関与しているのではないかと察知し、宋懐恩(そうかいおん)に桓宓(かんひつ)の監視を強化するよう命じました。
宮廷では、太子(たいし)が群臣を集めて各地から九錫の礼を王藺(おうりん)に授与するよう求める上奏が相次いでいることを発表しました。朝議では議論が紛糾する中、子律(しりつ)は皇帝の令牌を使って宮中の警備兵をすべて自分の配下に置き換え、影衛軍の兵士を密かに集めて九錫の礼の機会を伺っていました。
九錫の礼の前夜、王栩(おう・しゅ)はいつものように宮中を巡回していましたが、皇后の宮殿への途中、待ち伏せしていた弓兵に襲われて命を落としました。直後、太極殿の鐘が鳴り響き、太子(たいし)は群臣を率いて大殿に駆けつけました。王藺(おうりん)もすぐに兵を集めて大殿に入りましたが、皇帝に礼をすることなく、子律(しりつ)が皇帝を監禁しているのかと問いただしました。子律(しりつ)は王藺(おうりん)の言葉をあざけり、王藺(おうりん)が皇帝の病気を偽って権力を独占しようとしていると非難しました。
両軍は剣呑な雰囲気の中、大殿で対峙しました。王藺(おうりん)は落ち着いて皇城が京畿軍によって包囲されていることを明らかにし、子律は成功しても天罰を逃れることはできないと警告しました。緊張が高まる中、殿外から哨音が聞こえてきました。子律は得意げに武衛将軍はどこにいるのかと尋ねると、一人の兵士が王栩(おう・しゅ)の首を持って大殿に入ってきました。禁軍が子律の支配下にあることを宣言したのです。子律は王(おう)氏一族と太子(たいし)を天牢に入れるよう命じました。王藺(おうりん)は表情を変えませんでしたが、子律の野心が皇帝を補佐することだけではないことを悟り、天牢の中で息子の敗北を見届けると誓いました。皇帝はそれを聞いて身震いしましたが、反論できませんでした。
子律は権力を握ると、皇帝の意向を偽って王儇(おうけん)を宮廷に呼びました。宋懐恩(そうかいおん)は兵を率いて抵抗しようとしましたが、王儇(おうけん)に止められました。王儇(おうけん)は皇命には逆らえないことを理解しており、宋懐恩(そうかいおん)に蕭綦(きょうき)との連絡と王府の安全を守るよう頼みました。
子律は皇帝を寝宮に連れ戻した後、虎符を使って王氏勢力を完全に一掃しようとしましたが、皇帝は虎符は玉璽(ぎょくじ)と一緒に消えてしまったと言いました。子律はそれを聞いて偽装を捨て、怒って立ち去りました。
夜が更けると、子律の党派は相府を包囲し、子澹(したん)を追跡しました。蘇錦児(そきんじ)は子澹(したん)の屋敷の前にいる兵士に遭遇し、危険を感じて子澹(したん)に知らせようとしました。子澹(したん)は宮中の騒動と王儇(おうけん)が捕らわれていることを知り、自分の安全を顧みずに王儇を救うために宮廷に入ろうとしました。
その頃、重傷を負って戻ってきた龐癸(ほうけい)は宋懐恩(そうかいおん)に密書を託し、桓公(かんこう)と子律の陰謀を明らかにして王儇に伝えるよう頼みました。
軍営では、桓公(かんこう)と蕭綦(きょうき)は戦略について意見が合わず、最終的に蕭綦(きょうき)は妥協して鬼霧谷に軍を駐屯させました。桓公(かんこう)はすぐに謇寧(けんねい)王に知らせ、間もなく謇寧(けんねい)王の軍隊が寧朔(ねいさく)軍の駐屯地を包囲しましたが、動きませんでした。蕭綦(きょうき)はそこに罠があることに気づき、寧朔(ねいさく)軍の中に謇寧(けんねい)王の内通者がいると推測しました。そこで、桓公(かんこう)に情報を伝え、胡瑤に密かに配置するよう命じました。
王儇は宮廷に連れて来られ、子律と対峙しました。かつて親しかった人物が陰謀の黒幕になっていることに、王儇は驚きと悲しみを感じました。子律は誰も自分を理解していないと豪語し、王儇を人質にして蕭綦(きょうき)を屈服させると脅しました。王儇は、自分が足手まといになったら自害して子律の思うようにはさせないと断言しました。
子律は王儇に会った後、部下から子澹(したん)が宮廷に侵入したことを報告され、状況は再び微妙に変化しました。
第23話の感想
第23話は、物語が大きく動き、衝撃的な展開が続きました。子律の野心が明らかになり、王(おう)氏一族と蕭綦(しょうき)との対立が激化しました。
特に印象的なシーンは、王栩(おう・しゅ)が殺害される場面と、子律が王儇を人質にする場面です。王栩(おう・しゅ)の死は、王(おう)氏一族にとって大きな痛手であり、子律の冷酷さを示すものでした。また、王儇が子律に捕らえられたことで、蕭綦(しょうき)との関係がさらに複雑になり、今後の展開が気になります。
また、龐癸(ほうけい)が重傷を負いながらも宋懐恩に密書を託す場面も感動的でした。龐癸(ほうけい)の忠誠心と、王儇への思いが伝わってくるシーンでした。
つづく