上陽賦~運命の王妃~ 第27話 あらすじ/ネタバレ

宮中

子律(しりつ)は皇帝に譲位の詔書を書くように迫るが、皇帝は話題を逸らし、子律(しりつ)は自分の実の息子ではないが、最も自分に似ている人物だと語る。子律(しりつ)は皇帝が父子愛を利用して心を軟化させようとしていると考えるが、皇帝は単に、なぜ子律(しりつ)が自分の生父を謇寧(けんねい)王だと確信しているのかを知りたかっただけだと告げる。子律(しりつ)は沈黙する。

風池宮

王儇(おうけん)は一夜の奔走の疲れを癒すため、風池宮で休息を取る。目を覚ますと、宮女から子澹(したん)が皇帝に謁見を求めていることを知らされる。子律は子澹(したん)の願いを受け入れる。王儇(おうけん)はさらに、子律が3日後に結婚することを知る。子澹(したん)が皇帝の寝宮に到着すると、ちょうど子律が出てくるところだった。子律は子澹(したん)に対して情けをかけてきたが、子澹(したん)はそれを受け入れようとしない。子律は子澹(したん)を天牢に入れるよう命じる。子澹(したん)は何も抵抗しない。

子澹(したん)は寝宮に入り、皇帝に挨拶をする。皇帝は王儇(おうけん)のために自らを危険に晒した子澹(したん)を叱責するが、子澹(したん)は宮廷の外にいても何もできないのだから、王儇(おうけん)と皇帝の側にいる方が良いと答える。皇帝は子澹の気概の無さを嘆き、王儇(おうけん)が子澹と結婚しなくてよかったと告げる。子澹は権力闘争を嫌うが、権力を失ったことで王儇も失ってしまった。子澹は皇帝に自分にできることは何かを尋ねると、皇帝は「天下」とだけ答える。子澹は詔獄に入れられ、皇帝との会話の意味を考え続ける。天下を取れば、王儇を取り戻せるかもしれないと考えていた。

子律の寝宮

子律は桓宓(かんひつ)と親密になっている時、部下から数日前に鬼霧谷から届いた報告を受ける。子律はまだ謇寧(けんねい)王と桓公(かんこう)が敗北したことを知らず、2日後に桓宓(かんひつ)と盛大な結婚式を挙げることを考えていた。子律は王夙(おうしゅく)に休書を送り、彼と王藺(おうりん)を結婚式に招待する。王夙(おうしゅく)は休書を燃やすが、王藺(おうりん)は笑いながら、必ず出席すると告げる。

王氏

王氏の暗殺者である申未(しんみ)は夜遅くに王儇のもとを訪れる。王儇は申未(しんみ)が宮廷の青雲(せいうん)道長であることに気づく。申未(しんみ)は、皇帝が即位した際に王藺(おうりん)によって宮廷に潜入させられ、今日王儇の命令に従うために派遣されたと説明する。王儇は助けを得たことで、申未(しんみ)に宮廷の外と連絡を取り、宋懐恩(そうかいおん)または魏邯(ぎかん)に助けを求めるように指示する。申未(しんみ)は暗殺者の子乙を宮廷から送り出す。子乙は豫章(よしょう)王(よしょうおう)府で龐癸(ほうけい)と暗号を使って会い、お互いに知っている情報を交換する。子乙はその後、魏邯(ぎかん)のもとへ向かう。

豫章(よしょう)王(よしょうおう)府

陸将軍(りくしょうぐん)は王藺(おうりん)が謀反を企てていると確信しており、宋懐恩(そうかいおん)が来たのは王藺(おうりん)が焦っている証拠だと考える。宋懐恩(そうかいおん)は最後の力を振り絞って、真の謀反人は子律だと主張するが、陸将軍(りくしょうぐん)は信じようとせず、謀反の罪状を記した文書に署名することを強要する。宋懐恩(そうかいおん)は署名したふりをして抵抗するつもりだったが、怪我のためにすぐに制圧されてしまい、無理やり署名させられてしまう。陸将軍(りくしょうぐん)は宋懐恩(そうかいおん)の署名入りの文書を持って京城へ向かい、子律に報告しようとするが、魏邯(ぎかん)に捕まってしまう。

蕭綦(きょうき)の軍隊

蕭綦(きょうき)の軍隊は臨梁関に到着する。臨梁関の将軍は蕭綦(きょうき)の軍勢を恐れて城門を開き、蕭綦(きょうき)の軍隊を通過させる。

子律と桓宓(かんひつ)の結婚式の日

桓宓(かんひつ)は宮女に襲われ、浴槽の中に隠される。別の者が桓宓(かんひつ)になりすまし、婚服を着せられる。子律は桓宓の姿が見えないため、皇帝の寝宮へ向かい、譲位の詔書を要求する。皇帝は躊躇することなく、すでに書き終えていた詔書を子律に渡す。子律が去ろうとした時、皇帝は群衆の前で詔書を読み上げると告げる。

第27話の感想

第27話は、物語が大きく動き出す重要なエピソードでした。子律が皇帝に譲位を迫り、王儇は宮廷の外で助けを求める動きを見せました。一方、宋懐恩は謀反の罪を着せられ、陸将軍(りくしょうぐん)は魏邯(ぎかん)に捕らえられました。蕭綦(きょうき)の軍隊は臨梁関に到着し、いよいよクライマックスへと向かっていきます。

特に印象的だったのは、子律と王儇の対比です。子律は権力を手に入れるために手段を選ばず、王儇は愛と正義のために闘っています。二人の対立は、物語の核心をなすものであり、今後の展開がますます楽しみです。

また、陸将軍(りくしょうぐん)と宋懐恩の友情にも感動しました。陸将軍は王藺(おうりん)を疑いながらも、宋懐恩を信じようとします。宋懐恩もまた、陸将軍を裏切ることなく、最後まで真実を貫こうとします。二人の友情は、この物語の中で唯一の希望の光と言えるでしょう。

つづく